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すてべの記憶を大切にしよう、それを再び体験することはできないのだから。
ボブ・ディラン
海馬神経細胞 改善サプリメント
関連記事
はじめに
海馬神経細胞を再生または活性化する可能性があるかも、と思ったサプリメント・ハーブ類を選別せずに羅列している。
ハーブ・漢方
ジンセノサイド Rg3 (高麗人参)
高麗人参に含まれるステロイドサポニンの一種
Rg3は、海馬BDNFシグナル伝達経路におけるCSDS誘発性の減少を完全に回復させる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17239831
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24359691
ガストロジン / Gastrodin
ラン科のオニノヤガラの根茎から抽出される。
ガストロジンによる海馬神経新生
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27112440
サルビアノール酸A (サルビア)
GSK3β/Cdk5活性を低下させ神経新生と関係するたんぱく質発現を促進。
神経保護に関わるβカテニン/DCX、Bcl-2の発現を増強させる。
NF-κBのシグナル伝達を妨害することで、炎症、ニトロストレスを抑制
BDNFのアップレギュレーションによりPI3K / Aktシグナル伝達を活性
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2760922
Notoginsenoside R1(三七人参)
サンシチニンジンから単離されたサポニン、Rg3とは異なる。
K +チャネル活性の阻害、アミロイドβのシナプス障害を抑制、ADマウスモデルで海馬による記憶障害を改善。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4161968/
帰脾湯・加味帰脾湯
www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/145/5/145_224/_pdf
空間記憶障害の改善(マウス)
海馬軸索変性の減少
PP2A活性、タウタンパクの脱リン酸化
帰脾湯・加味帰脾湯に含まれる成分
人参(にんじん)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、柴胡(さいこ)、酸棗仁(さんそうにん)、竜眼肉(りゅうがんにく)、黄耆(おうぎ)、当帰(とうき)、山梔子(さんしし)、遠志(おんじ)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、木香(もっこう)、生姜(しょうきょう)
イボガイン / Ibogaine
アフリカ中部において儀式などのヒーリングなどで用いられている薬草(アルカロイド) 一部で麻薬の禁断症状の緩和に用いられている。
GDNF発現。脂溶性のため数ヶ月間身体組織に残りGDNF発現を増加させる。
アジアティック酸(ゴツコラ)
バルプロ酸の有害な影響を防ぎ、海馬細胞を増殖させる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27213437
PMC-12 (韓国の伝統薬)
つるどくだみ、イトヒメハギ、アカヤジオウ、ショウブの4種の薬草ミックスがマウスの学習記憶、および海馬神経発生を促進する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26917101
セキショウブ( いしあやめ)/ Acorus gramineus の乾燥根茎
アジアの伝統的な漢方薬、セキショウブの乾燥根茎であるAcori graminei Rhizoma
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25714979
タンノシンⅠ(丹参)
脳血管疾患の神経保護、マウスの海馬新生(海馬アストロサイト細胞のWnt-3(ウィント3)産生能増加)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27053301
Wnt3:特定の領域から産生される分泌型のたんぱく質で、19種類あるWntファミリーのひとつ。Wnt3アストロサイトから分泌される。老化に伴い神経新生が衰える中心的な因子。
Wnt3の産生量は運動や外部刺激によっても増加する。
www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2011/nr20110808/nr20110808.html#b
scyllo-イノシトール + Neotrofin
scyllo-イノシトールはアミロイドβの除去により神経新生を促す。
neotrofinはニューロトロフィンの発現を刺激する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27768761
合成系・その他
オロチン酸リチウム(lithium orotate)
en.wikipedia.org/wiki/Lithium_orotate
ERK経路(Bcl-2誘導) GSK3βを阻害 BDNF増加
アポトーシス抑制、グルタチオン増加
IL-1β、IL-6抑制、IL-10、IL-1RA増加
サプリなので入手が容易 一日1~2mg
海馬の萎縮に対してはオロチン酸リチウムが有効という報告あり
一日 0.4mg~1mg 夕食後の摂取を推奨
1mgの扱いがないため上記サプリメントを分割して摂取
www.brain-mind.jp/introduction.html
blog.livedoor.jp/beziehungswahn/archives/27850755.html
PQQ (Pyrroloquinoline quinone)
ピロロキノリンキノン
ja.wikipedia.org/wiki/ピロロキノリンキノン
Akt/GSK3β 経路 ラット試験
PQQは、ラットの酸化ストレスに起因する認知障害を予防する
NGF産生、ペルオキシナイトライト抑制、脂質酸化への抗酸化剤
抗酸化機能とは別の機序で認知障害を改善している。機序不明
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2212345/
NOおよびPGE2の合成を弱め、mRNAおよびタンパク質レベルでiNOSおよびCOX-2の発現を抑制し、TNF-α、IL-1β、IL-6のmRNAレベルを阻害。NF-κB転写活性をブロック、ミクログリア活性を弱める。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4196908/
外傷性脳損傷に対するPQQの神経保護効果
PQQは皮質および海馬におけるβ-1,4-GalT-Iおよび-Vの発現を調節することによってTBIラットの空間記憶学習能力を改善。用量依存
α-シヌクレインアミロイド線維形成を予防、パーキンソン病により有効かも。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3303106/#B14
ライフエクステンション記事
www.lifeextension.com/Magazine/2016/4/How-PQQ-Protects-the-Brain/Page-01
中鎖脂肪酸+α
biosciencedbc.jp/dbsearch/Patent/page/ipdl2_JPP_an_2006037294.html
以下引用抜粋
炭素数6〜10の中鎖脂肪酸、
好ましくは炭素数6〜8の直鎖中鎖脂肪酸
ヘキサン酸(カプロン酸、C6)、ヘプタン酸(エナント酸、C7)、オクタン酸(カプリル酸、C8)、ノナン酸(ペラルゴン酸、C9)およびデカン酸(カプリン酸、C10)
仲裁脂肪酸単独でNGFによる神経細胞分化誘導能と同程度の神経細胞分化誘導能が認められる。
中鎖脂肪酸のうち、特に、ヘキサン酸(カプロン酸、C6)、ヘプタン酸(エナント酸、C7)、オクタン酸(カプリル酸C8)、ノナン酸(ペラルゴン酸、C9)およびデカン酸(カプリン酸、C10)などの直鎖中鎖脂肪酸について、単独でPC12細胞の神経突起伸長作用が確認される。
中鎖脂肪酸は、NGFまたはジブチリルcAMPとの併用により、より効果的にその機能を発揮しうる。 しかし、NGFやジブチリルcAMPは、そのままでは血液脳関門を通過しない
NGF産生増強剤とは、NGFの産生を増強しうる物質であれば良く、特に限定されない。例えばEPA、DHA、ジアシル型グリセロリン脂質など
バルプロ酸については、PC12細胞に対する神経突起形成率は10%より低く、神経突起形成誘導作用を殆ど示さず、10mMではむしろ低下傾向を示した。
NGFと同様な作用を有するもの 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)
MCTオイル + NGF産生を増強させるもの(EPA、DHA、ジアシルグリセロール、ヤマブシタケ等)
プラズマローゲン / Plasmalogen
Akt、ERK経路両方を活性
journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0083508
アスタキサンチン / Astaxanthin
ja.wikipedia.org/wiki/アスタキサンチン
アスタキサンチンの投与は、成人マウスの海馬神経を新生し、空間記憶を改善する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26643409
メラトニン(Melatonin)
松果体によって産生される内因性神経ホルモン。
神経保護、抗酸化特性をもち、神経新生を維持し増大する。
老齢マウスの実験で、海馬が細胞増殖を長く生存したことが見出されている。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19421166
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17614839
神経再生だけでなく、抗酸化剤、神経保護剤、睡眠誘導剤としても非常に優れている。
アグマチン(agmatine)
アルギニンの代謝物、神経伝達物質を調整するポリアミンとも考えられている。
一般的には、筋力トレーニングなどで一酸化窒素合成を高める目的で使われたりしている。
グルタミン酸、NMDAなどから海馬を保護する神経保護剤。Nrf2誘導、
マウス アグマチンはニトロソ化ストレスを減少し、グルタミンGABA神経伝達、セロトニン合成を回復させ、うつ病及び認知症障害を用量依存的に改善する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28586743
ラット 海馬アポトーシスの予防、in vivo LPSによる海馬のカスパーゼ3活性化誘導を阻害
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20184876
DHEA
Akt経路 アセチルコリンと同じ経路
エストロゲンは神経保護効果があると昔から知られている。
エストロゲンが高まると認知機能が向上し、恐怖に対抗する能力が高まる。