Contents
- 海馬神経細胞 医薬
- アリセプト(donepezil)
- メトホルミン塩酸塩(Metformin)
- セレブロリシン(Cerebrolysin)
- NSI-189
- 17βエストラジオール
- ミフェプリストン (mifepristone)
- アジナゾラム(Adinazolam)
- エスシタロプラム(レクサプロ)
- フルオキセチン(プロザック)(Fluoxetine)
- パロキセチン(Paroxetine)
- エクセナチド(Exenatide)
- バルプロ酸ナトリウム(Sodium valproate)
- ハロペリドール
- レベチラセタム(Levetiracetam)
- エトスクシミド(ethosuximide)
- シンバスタチン(Simvastatin)
- 三環系抗うつ剤
- アリピプラゾール(Aripiprazole)
海馬神経細胞 医薬
※
関連記事
アリセプト(donepezil)
アリセプトはERK経路とAkt経路、両方を活性化
www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/130/5/130_5_717/_pdf
シナプス間のアセチルコリンの量が増えることで、神経幹細胞が増殖しニューロン新生が促進する。そのため他のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤も含め、アセチルコリンを増強させる薬は間接的に海馬新生の再生に寄与するものと思われる。
メトホルミン塩酸塩(Metformin)
aPKC-CBP経路の活性により海馬神経を新生(in vivo)
ドネペジルと比較して、メトホルミンを投与したマウスは、ニューロンの数を増強、空間記憶を改善し、神経新生発現を正常化させた。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28378260
セレブロリシン(Cerebrolysin)
神経栄養因子の作用を模倣し、神経変性疾患において歯状回(海馬)での神経再生を促すことが実証されている。神経保護作用をもち、修復、再生プロセスを促進する。
jglobal.jst.go.jp/en/public/20090422/201202263180390276
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17131129
リバスチグミン(Exelonパッチ)とセレブロリジンを比較した臨床試験では、APOE4対立遺伝子を1つもっている患者の応答率とは差がなかったが、Apoe4遺伝子陰性の患者では、3倍高い応答を示した。
NSI-189
マウスの海馬容積を20%増加させる。
うつ病患者への第一相臨床試験が終了
※二つの認知テストでプラセボに対して有意に改善 海馬容積の大きさはわずかに増えたが有意差はついていない。機能的に海馬細胞を改善を改善している可能性。
投与を中止しても84日間、改善が維持
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26643541
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5030464/
「1万種の化合物を培養海馬細胞に加えて作用を調べ、どの化合物が7日後に細胞の増殖速度を増加させるか調べた。
そのうち200種類弱が予選を通過し、その中から海馬のニューロン新生をもっとも誘発しそうな10種ほどの候補化合物を選びだした。
10種の化合物を今度は抑うつマウスに注射、その中で判明したもっとも有望なひとつの化合物がNSI-189」
日経サイエンス
17βエストラジオール
卵巣摘出ラットの海馬構造および機能を改善させる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24636504
ミフェプリストン (mifepristone)
ja.wikipedia.org/wiki/ミフェプリストン
グルココルチコイドとプロゲステロン受容体のアンタゴニスト
HPA軸が過剰活性することで海馬が萎縮、アルツハイマー病患者ではHPA軸が過剰活性されているといわれており、そのHPA軸を抑制してくれる。
※抑肝散はHPA軸を強力に抑制
アジナゾラム(Adinazolam)
ベンゾジアゼピン系の抗うつ剤
エスシタロプラム(レクサプロ)
SSRI
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28394502
軽度のストレスを与えたうつ病ラットにエスシタロプラムを投与、腹側海馬形成の歯状回における細胞新生の減少を逆転させた。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16482085
フルオキセチン(プロザック)(Fluoxetine)
抗うつ剤SSRI 一度成熟した脳神経細胞を成熟前の状態に戻す!?
細胞が成熟前に戻ることには損得あり。
パロキセチン(Paroxetine)
in vitro hAD-SC(ヒト脂肪細胞由来幹細胞)の増殖、分化を促進、hAD-SCのグリア新生が減少、 神経様細胞に分化、
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27920882
パロキセチンの長期治療により、PTSD患者の海馬容積が平均4.6%増加、口頭宣言的記憶が有意に改善された。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14512209
エクセナチド(Exenatide)
エクセナチドは、TNF-α発現を減少させ、ラットの海馬ニューロン数および記憶を改善する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26386291
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26386291
バルプロ酸ナトリウム(Sodium valproate)
ja.wikipedia.org/wiki/バルプロ酸ナトリウム
ERK → cAMP → Bcl-2 → 海馬神経新生
てんかん、躁病で使われる薬、絶対音感が身につく!?、、
アルツハイマーで重要な標的はHDAC SirT1, ClassⅢ HDAC、
アルツハイマー患者のClassⅡ HDACs阻害は有害の可能性。
バルプロ酸はClassⅠ、Ⅱを阻害、 (副作用はClassⅡの阻害が問題なのかも)
バルプロ酸は脳を萎縮させる可能性がある
shinagawasn.blog.so-net.ne.jp/2013-09-06-45
被験者は、1日当たり体重1kg当たり10〜12mg の投与。
バルプロ酸の脳萎縮は可逆性であるとも言われ、12ヶ月間投与の後に中止して12ヶ月経過後にはプラセボ群と同じ脳容量にまで回復している。
原因はわかっていないが、二価プロープに関連する浸透圧変化、神経毒性、およびアルツハイマー病理の加速が可能性としてあげられている。
バルプロ酸は、脳浸調整物質であるミオイノシトールの脳レベルを低下させ、明らかな高アンモニア血症がない場合でも、グリシンをアップレギュレートすることが示されている。
肝毒性、高アンモニア血症を引きおこすミトコンドリアβ酸化および尿素サイクル活性の二価プロファックス誘発性障害と類似した神経毒性効果かもしれない。
バルプロ酸は、遺伝的感受性(例えばProからSER MTATP8への突然変異)を持つ人のミトコンドリア毒性を悪化させる。またはアルツハイマー病のような他のmitotoxic障害と関連するかもしれない。
ある研究では、バルプロ酸が、可逆的にニューロフィラメントの生産および神経突起伸長を阻害することが実証されている。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3179645/
バルプロ酸治療下では、アセチルカルニチンの不足により血中アンモニアが上昇する可能性がある。(双極性障害の高齢者)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26998483
バルプロ酸はケトーシスを減少させる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27117552
バルプロ酸の生体再吸収率の性差 女性では46.2% 男性では21.8%
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23784346
バルプロ酸の慢性投与は文脈記憶を損ない、ラットの海馬GSK-3βを調節異常を起こす。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23474375
ハロペリドール
長期にわたるハロペリドールの投与がラットの海馬総体積を増加させた。ハロペリドールは細胞増殖よりも神経可塑性プロセスまたはグリア形態を変化させることを示唆した。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14714218
レベチラセタム(Levetiracetam)
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%82%BF%E3%83%A0
コホート研究、健忘軽度認知障害(aMCI)に62.5および125mgを一日二回に分けて投与、対照群と比較して記憶課題で有意な改善
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25844322
低用量レベチラセタムの使用により、対照群と比較してaMCI患者の海馬の過活性が抑制され、スキャン作業のパフォーマンスが有意に改善
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22578498
レベチラセタムとバルプロ酸の併用療法(ラット)
海馬のCA3ニューロンの発火率を抑制、空間認知パフォーマンス向上に関連(高齢者ではCA3領域の過剰活性が見られる)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25941121
hub.jhu.edu/2015/03/11/memory-restore-early-alzheimers/
老齢ラットモデルにおいて海馬CA3領域のの過活性化を低減し、記憶能力を改善する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20032967
無作為化症例対照研究 96名のアルツハイマー病患者へ12ヶ月間投与。
レベチラセタムの投与は認知能力を改善し、特に注意力、口頭での流暢性と関連していた。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20188634
レベチラセタムの長期投与は、hAPPマウスの歯状回におけるシナプス可塑性を改善しLTP障害を完全に逆転させた。海馬リモデリングの逆転、異常ネットワーク活性の抑制、シナプスおよび認知機能の回復。レベチラセタムはアミロイドβ沈着レベルは低下させない。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3479491/
レベチラセタムはアルツハイマー病患者の脳はパターンに影響を与える。
低用量(2.5mg / kg)MCIの試験用量、
高用量(7.5mg / kg)デルタ波のコヒーレンスが減少、ベータ1、2,3が増加、ベータ活動の正常化、高用量はaMCIと比べて軽度認知症患者に有益である可能性。
content.iospress.com/articles/journal-of-alzheimers-disease/jad160742
www.alzforum.org/therapeutics/agb101
エトスクシミド(ethosuximide)
en.wikipedia.org/wiki/Ethosuximide
てんかん治療薬 PI3K・AktおよびWnt・β-カテニンの伝達経路を活性化することで、海馬の神経新生を誘導する可能性(ラット)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26420483
ADモデルラット、エトスクシミドが神経幹細胞の増殖分化を刺激して、PI3K、Akt、Wnt、βカテニンシグナル伝達を介し海馬神経が新生することを示唆。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26420483
シンバスタチン(Simvastatin)
シンバスタチンは、Wnt /β-カテニンシグナル伝達を増強することによって成人の海馬神経新生を促進する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24511465
三環系抗うつ剤
未調査
アリピプラゾール(Aripiprazole)
未調査