よくある質問 記憶障害・認知機能強化

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9/3 認知機能改善のためのサプリメント

以前PQQやヤマブシタケ、true focusを受験のために飲んでいると送らせてもらったものです。 回答ありがとうございます。 エスカレートに関しては気をつけます…。

日本で手に入らないピラセタムアニラセタム系も正直ちょっとだけ気になっていたのですが、もう今年から違法行為らしいですし、ちゃんと最期のラインを守っていこうと思いました。

また、知名度があり一般的に効果が大きいと言われるコリン系やホスファチジルセリン、フェニルアラニンなどtrue focusに入ってる成分のいくつかをそれぞれ個別で注文しました

truefocusにかなり量が入ってるチロシンやエゾウコギは耐性がつくみたいなので個別でとっていくようにしてみます。

また、日光を浴びるようにし、他のサプリと比べると知名度も少いこともあり効果がわかりずらいPQQとヤマブシタケはやめて食事に気をつけつつビタミンサプリ探してみます。

先日は質問回答していただきありがとうございました。 こんな感じでよいのでよいのでしょうか…。

回答

認知機能をどうやって増強するかっていうのは、おそらくご質問者さんや、世の中で一般的に考えられているよりもビッグトピックで、技術的にも倫理的も非常に広範囲に議論を引き起こす問題または課題です。

健康な人、または受験のための認知機能増強方法は、アルツハイマー病治療よりも難しい側面がいくつかあります。

 

ひとつには倫理的なコストの問題、受験での学習能力を高めるメリットが、認知機能のバランスを小手先ないじり方で生じる潜在的なデメリットを本当に上回るのか。

大げさに聞こえるかもしれませんが、学習者の認知機能増強に関する研究のほとんどは動物実験によるもので、ヒトでの長期的な研究データも欠乏しています。

 

致死性の高い、余命が長くない病気であればその点については、まだ何を犠牲にしていいかトレードオフがはっきりしているので判断がつきやすいのですが、受験生はその後の残りの人生が平均的には60年以上続きます。

超長寿命も物理法則に反するわけではなく、若返り技術がブレイクスルーを起こせば100年200年となっていく可能性はそれなりにあります。

 

また、生涯にわたって影響を及ぼす可能性があると考えることができるいくつかの証拠もあります。

アメリカでは、受験生の間で低用量のメチルフェニデートを使った認知機能の増強が流行り社会問題になっているようですが、これにより本来なら30歳あたりまで続く前頭前野の神経細胞の成熟が中断され、これが後の人生に永続的な影響を与える可能性があることが、研究者によって報告されています。

Performance enhancement at the cost of potential brain plasticity: neural ramifications of nootropic drugs in the healthy developing brain
Cognitive enhancement is perhaps one of the most intriguing and controversial topics in neuroscience today. Currently, the main classes of drugs used as potenti...
Age-related changes in corticosteroid receptor expression and monoamine neurotransmitter concentrations in various brain regions of postnatal pigs. - PubMed - NCBI
J Neurosci Res. 2011 Jul;89(7):1134-41. doi: 10.1002/jnr.22621. Epub 2011 Mar 17. Research Support, Non-U.S. Gov't

 

前頭前夜におけるNMDA受容体のサブユニットの比率が、可塑性の増強または低下に結びつく可能性があり、メチルフェニデートに限らず多くの認知機能に影響を与えると考えられているドラッグ、ハーブがこのNMDA受容体のサブユニットに対して発現を増強させる効果があります。

NMDA受容体の光と影(認知症・アルツハイマー病)作成中
NMDA型グルタミン酸受容体サイトご利用には利用規約・免責事項への同意が必要です概要医薬品メマリーの多彩な作用3種類のグルタミン酸受容体NMDA型グルタミン酸受容体とは、Nメチル-...

 

伝統的に使われてきた向知性ハーブなどはまだ、短期的には許容できると見なしてもいいかもしれませんが、医薬品に類するヌートロピックは、個人でその薬理作用や潜在的リスクの認識ができない限り手を出さないというのが基本原則のように思います。

 

一方で自己責任において使用する権利は保証されるべきで、それらの法規制は行き過ぎだとも感じてもいます。

仮に向知性薬を用いる場合は、最低でもどういった薬理作用があるのか、どういった臨床研究が行われているのか、といったことを分かる範囲で調べることを習慣化していくことをおすすめします。

 

特に、向知性薬に関する情報は、海外の文献が充実しているので、そっちから入っていくのがおすすめです(英語の勉強にもなると思います^^)

一次情報が理想ですが、参照文献があるのであれば二次情報でも良いと思います。 余計なおせっかいと思われる話にはなるかもしれませんが、良い大学に受かることの価値もその後の人生に大きく影響をおよぼすとはいえ、少なくとも過去の一時代に比べると全体としてその価値は低下してきており、これからも下がり続けるように思います。

 

また、人間の寿命は科学の発展とともにこれから伸び続けますが、おそらくその過程のどこかで、脳以外のあらゆる体組織の疾患や老化がまず最初に克服され、そして脳の若返り技術は格段に難しいことから、ヒトの寿命 = 脳の寿命 という時代が一度はやってきます。

世の中の価値は目まぐるしく変わっていますが、それは必ず脳を経由します。それが未来永劫続くとは思いませんが、おそらく今世紀中ぐらいまでは脳は価値を支える基盤として特権的な地位をもち続けます。

 

ぼくを含めた上の世代の方は長寿技術、若返り技術の恩恵を受けるには微妙なラインに位置していますが^^;

今10代の方は質の高いクリーンな脳を維持していくことが、学歴はもとより、お金やツイッターのフォロワー数よりも、はるかに高い価値をもつようになるであろうことが自分には容易に想像できます。

 

将来を見据えた行動をとるなら、リコード法がベストだとはいいませんが、最終的にはそのような形に近づいていくと思います。

少数の人達はすでにそのことに気づいて未来を見据えた行動を取っています。 受容体を漫然と刺激したり、神経伝達物質だけをベースに考える認知機能増強策(抗うつ治療も)はいずれ原始的なやり方だと見なされていくようになると思います。

具体的なアドバイスができなくて申し訳ないのですが、基本的な栄養や代謝、恒常性など、骨組みの部分の重要性に気づいてもらい、それらへ投資してもらいたいと願っています。

8/30 受験のための認知機能強化サプリメント

初めて質問させてください。今年受験なので集中力や脳の働き、記憶力を高めたいと思いTrueFocusやPQQ、ヤマブシタケサプリをとっています PQQ、調べると脳関係に効果があるということがわかっているらしいのですが、色々なところでレビュー見てもイマイチ反応が良くない気がします。

実際効果はどれくらいあるのでしょうか また、手当たり次第サプリを取っているのですがこういうことはあまりよくないのでしょうか。

回答

PQQに限らずですが、もし、あるサプリメントを一つ摂るだけで本当に目覚ましい効果があるとすると、それは不正行為と見なされる可能性があり、極端な話、禁止されてしまう可能性もあります。

短期的にはともかく、脳機能は高度なレベルで恒常性を保っているため、そうそう認知機能をベースラインから高めることができるようにはなっていません。

一時的に認知機能を高める方法は数多くありますが、その多くは時間経過で適応してしまいます。

認知機能を増強するスマートドラッグを摂取して効果を出すことのできた受験生は、その後より強い薬に手を出して中毒になる傾向があるという一部のデータもあるため、あまり安易に認知刺激的なサプリメントをおすすめすることもできません。

 

ただ、認知症の治療上認知機能を高める方法論と、健常者が認知機能を高める方法論は重複するところが結構あったりします。

基本的な受験生の戦略は、認知機能の増強よりも認知機能が低下するマイナス要因を潰していくことが先だと思います。

一般健常者でもマイナス要因がまったくないというのはむしろ珍しいケースなので。

睡眠をしっかりとる、朝太陽を浴びる、運動、瞑想も取り入れる、ビタミン、ミネラルなどの栄養素の欠乏を防ぐといったことです。あと、こういう生活習慣的な改善効果をバカにしないことでしょうか。

例えば、ヤマブシタケの認知機能に寄与する効果は総合的には有酸素運動の数分の1もあればいいところだろうと思います。

 

まず、手当たりしだいに今述べたような生活環境を整えるというのはありです。サプリメントはその土台の上で載せていくものだと思います。

サプリメントは、手当たり次第というよりは基本栄養素などの土台に相当するもの、神経栄養因子やホルモン、神経伝達物質に作用する認知刺激剤的なものなどあれこれあるので、それらを区別して摂取したほうが良いように思います。

 

BDNFが認知機能に重要な役割を果たすことを否定する脳機能の研究者はいないと思いますが、血中BDNFが例えば1.5倍増加したからといってああ今BDNFが増えていると気づくことはまずありません。

その意味でも効果のレビューはあまり当てにしないほうが良いのではないかと思います。

健常者の認知機能増強も本当に追求すると、多分リコード法に近いようなものになっていくとは思います。

70代後半の母親は、父親が亡くなって約2年は自立できていましたが、ある時から父親と結婚したあたりからの記憶がなくなりました。写真をみてもわかりません。

もちろん私を産んだ記憶もないため、私をみても自分の子供の概念がないようです。育てた記憶はあるみたいですが。。 ただ、相手が誰かはわからないが、一緒に旅行や買い物などに行った記憶は断片的にあります。

短期的な記憶もできていませんが、過去の記憶がないのは、家族として辛いです。 これは認知症なのでしょうか?

回答

まず、最初に、認知症ではなかろうか?というご質問ですので、まだ診断を受けられていないのであろうと思われますが、早急に病院で調べてもらうことをおすすめします。

認知症という言葉は、脳の病気の広いカテゴリーのひとつですので、お聞きした感じでは認知症である可能性は高いように思われますが、そのことがわかるだけでは、ほとんど役にたちません。

認知症というカテゴリーの中でも最も一般的なタイプはアルツハイマー病です、その他血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、まれなものとしてはパーキンソン病、正常圧水頭症など、様々にあります。

一般的に記憶障害が目立つ認知症は、アルツハイマー病が疑われます。

しかし、仮にアルツハイマー病だったとしても、アルツハイマー病もまた複数の代謝障害がその根底にあり、どの代謝障害がアルツハイマー病の発症要因になっているかわかりません。

一般的な病院でわかるのはアルツハイマー病なのか、その他の認知症なのかどうかといったことまでです。

一般の病院でアルツハイマー病と診断されれば、そこからぼくがサイトで紹介しているリコード法でさらなる検査でより細かく原因を探っていき、改善方法を模索することはできます。

質問から離れしまうことを語るようですみませんが、もし介護者さん側で「治すぞ」という覚悟と意志をもてそうでしたら、またぜひ声をかけてください。

8/12 過去の記憶の著しい喪失があります。

早々のご回答ありがとうございます。 病院では検査いたしました。結果、アルツハイマー型認知症と判断されました。 ただ、50年あまりの記憶がすっぽり抜けてしまったので、本当にそうなのか疑念がわき、相談させていただきました。

他の方の内容も拝見させていただき、葉酸と毛髪ミネラルは検査しました。結果、どちらも認知症に影響するものではありませんでした。

病院からは、めまりーの処方がありますが、ヒューペルジンAに切り替えてみました。現在300mcgでビタミン、クルクミンなど飲んでいます。

血液検査は、血糖値以外はわるくないので、シナモンなども取り入れ、血糖値低下をはかっています。 ただ、最近とみに認知低下がみられるため、不安になっております。

母親には長生きしてもらいたいし、頭も身体も健康でいてほしいのです。兄弟もいないため、相談相手がいないので焦るばかりです。 これからどうすべきか教えて下さい。宜しくお願いします。

回答

記憶障害がある疾患の筆頭に上がるのが、アルツハイマー病だと思います。

ただし、アルツハイマー病の初期段階では5分前に行った行動などの記憶である短期記憶に影響を与えます。

短期記憶の障害ではなく、家族の記憶などの遠隔記憶(自伝的記憶)が失われるのは、通常、病気の進行が中期以降に進んだことの兆候として捉えられます。

Remote memory in advanced Alzheimer's disease. - PubMed - NCBI
Arch Clin Neuropsychol. 2004 Sep;19(6):779-89.

詳細がわかりませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、病院で脳画像の診断なども含めてアルツハイマー病と診断されたのであれば、病気の進行に伴う記憶喪失なのではないかと一般的には想定されると思います。

それゆえ、逆になぜ認知症では可能性を疑われたのかが気になります。

 

一般的には、アルツハイマー病では、そういった過去の記憶を失う逆行性健忘症は進行後、徐々に起きるので、初期の段階であまりにも唐突に遠隔記憶が失われた場合、その他の要因が介在した可能性も考えられはしますが、それらを疑う理由がない場合進行が急激的に進んだ結果と見なされるだろうと思います。

ただ、質問箱の限界でもありますが、どういう疾患であるかという問いは情報が不足しているだけではなく間違えたときの取り返しがつきにくい問題でもあるため、あまり予断的に答えることができません。

ちなみに、アルツハイマー病以外で長期記憶を損ねる可能性のある疾患、要因には

  • うつ病
  • ストレス
  • ベンゾジアゼピン(抗不安薬)などの処方薬の副作用
  • ビタミンB12欠乏症
  • 水頭症(脳の周りに過剰な体液がたまる)
  • 薬物、アルコールの誤用
  • 脳震盪などの重篤な脳損傷
  • 重度の脳感染症
  • 脳腫瘍
  • 脳梗塞
  • 酸素欠乏
  • てんかん、特に重度のてんかん発作

などがあります。

このうちのいくつかは、記憶回復の可能性があります。

アルツハイマー病であることを前提にお答えすると、

遠隔記憶が損なわれるメカニズムはまだ解明されておらず、いくつかの仮説があり、異なるメカニズムのいずれかまたは複数にまたがって障害があることによって遠隔記憶が失われている可能性があります。

大きく、記憶を貯蔵している脳部位へのアクセス経路に問題がある場合と、記憶を探索する能力に問題がある、二つのケースが考えられています。

記憶そのものが失われるケースはより進行の最後においてではないかと思います。

 

リコード法で遠隔記憶の回復が示されているケースが報告されていますので、記憶そのものが失われたと言うよりも、記憶へのアクセス経路または、探索能力に問題がありそれらの機能を担う部位が回復することにより記憶そのものが蘇る可能性はあると思います。

自伝的記憶(想起)の低下に関して言うと、デフォルト・モード・ネットワーク(内側、外側の前頭前野、後内側頭頂葉、角回の複数の脳領域)と内側側頭葉、海馬のコネクションのいずれか、または複数が障害を受けて機能的に低下することに起因します。

これらは、通常の加齢ではある程度損なわれていることが知られています。

Age-related effects on the neural correlates of autobiographical memory retrieval. - PubMed - NCBI
Neurobiol Aging. 2012 Jul;33(7):1298-310. doi: 10.1016/j.neurobiolaging.2010.11.007. Epub 2010 Dec 28. Research Support, N.I.H., Extramural; Research Support, ...

海馬体積がエピソード記憶、自伝的記憶と関連することが研究でわかっており、

MRI-based volumetry correlates of autobiographical memory in Alzheimer's disease. - PubMed - NCBI
PLoS One. 2012;7(10):e46200. doi: 10.1371/journal.pone.0046200. Epub 2012 Oct 10. Research Support, Non-U.S. Gov't

アルツハイマー病の初期の段階であっても、海馬が特異的に著しく障害を受けた場合、症状としての自伝的記憶の喪失は起こりえます。

仮に、記憶喪失が海馬だけの障害に特異的なのであれば、かつ可逆的な回復が可能な閾値を超えていなければ、リコード法で海馬機能を回復させることで自伝的記憶が回復していく可能性もあります。

自伝的記憶の回復方法としては、回想療法、聴覚刺激などがいくつかの研究で改善効果を示していますが、いずれも対症療法であるため、順番としてリコード法を行い記憶障害が生じている理由を特定し、包括的に治療を真っ先に行なっていく必要があります。

 

さて、リコード法の話に移りますが、まずアルツハイマー病であることを前提にお話をすると、

現在の進行状況がまずもっとも知りたいところで、

初期と中期では目標設定の方向性が大きく異なってくると考えています。

リコード法の難易度を決定する10の要因
36の因子に対応する実行量と検査リコード法で想定されているアルツハイマー病障害の数が多ければ、やはりそれだけ治療方法の数や継続的な検査も増加する。日本においてはリコード法で想定されている検...
リコード法 進行ステージにおける改善可能性と課題
MCI・初期・中期・末期でのリコード法サイトご利用には利用規約・免責事項への同意が必要です関連記事リコード法 難易度を決定する10の要因リコード法 進行ステージにおける改善可能性と...

 

より細かな検査もですが、介護者さんがどれだけ取り組めるかといったことも目標設定の問題と関連してきます。

404 NOT FOUND | 認知症回復ブログ アルツハッカー
日本で初めてリコード法を紹介した認知症回復を本気で目指すブログ、アルツハッカー。11年前に母が若年性アルツハイマー病と診断されましたが、大量の医学論文を武器に進行を抑制しています。一方で診断当初に今の知識があったなら完治していたはず… 母のさらなる回復、そして、わたしたちが同じ失敗を繰り返さないための情報系闘病ブログで...

・あらゆる時間的経済的努力を行なってでも改善を目指す

・最小限の努力で、維持と寿命の先延ばし、QOLの改善に努める方向に向かう。

現状、国内の貧しいリコード法環境では、大きくこの二つの方向性があります。

判断が難しいと思いますのでこのように言うのも心苦しいのですが、記事を読んでいただいて、まず最初に二つの間の方向性の間のどのあたりに、自分が目指したいものがあるかを考えていく必要があるように思います。

 

ご自身とご家族の協力問題や、協力的な医師が見つかるかどうか、予算など複数の問題が複雑に絡んできますが、最終的な判断は人生の選択問題なので、ぼくのほうがからこうすべきと言うことはありません。

判断のヒントとしては何かお伝えしたいところなのですが、それをするには、より多くのお話を深くお聞きしないと難しいところがあります。

リコード法検査は単に問題を特定するだけではなく、治療方針や目標設定を考えていくさいの材料にもなります。

検査はブレデセン博士も述べられているようにリコード法の出発点でもあるため、検査機関を探すことから始めていくというのが正しいプロセスだと思います。

https://alzhacker.com/recode-inspection/ ‎

8/2 記憶障害の原因は?

毛髪ミネラル検査に関するコメントありがとうございました。簡易なものとはいえ、特別数値の高いものがなく安心しました。

本日葉酸検査の結果がきました。結果はC/Cの標準とのことでした。 私の記憶障害は何が起因しているのかまだまだ追及しないといけないと、改めて思いました。

私は持病に糖尿病があります。HbA1c7.5でここ1年で9.3まであがり、薬で下げています。これも記憶障害に大きく影響してると感じています。

たまに他人からみたら、突拍子もないことをしたりしているようです。もしかしたら、これが原因でしょうか?

回答

これまで頂いた限られた情報からは、いわゆるリコード法のタイプの典型例には合致しません。ただ、高齢者ですと、軽度の記憶障害自体はかなり一般的です。

65歳以上ですと、40%の方が加齢性の記憶障害を経験します。認知症に移行するのは年間で約1%です。

記憶障害はアルツハイマー病だけに生じる症状ではなく、レビー(宣言記憶)、血管性認知症、脳の血管病変、前頭側頭型認知症(エピソード記憶障害の可能性)、海馬硬化症、てんかん患者(海馬萎縮の可能性)、外傷性の損傷などその他の神経変性疾患でも起こりえます。[R]

また神経変性疾患とは別に糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)、妊娠、閉経などによるホルモンの変化でも記憶障害が生じることがあるようです。

薬剤では、ベンゾジアゼピン、向精神薬、オピオイド、抗てんかん薬、糖質コルチコイド、抗コリン薬の摂取が、記憶障害を引き起こす可能性があります。

記憶障害と関連しうる疾患
  • 血管性認知症
  • うつ病と不安
  • 薬の副作用
  • 睡眠障害
  • ホルモン
  • 代謝障害
  • 糖尿病
  • アルコールの乱用
  • ライム病
  • 海馬硬化
  • 硬膜下血腫、硬膜外血腫
  • ビタミンB12欠乏症
  • 発作
  • HIV関連の神経認知障害
  • 橋本脳症

[R]

本来は、もっと細かく話をお聞きしたり検査を多くしないと具体的なことは何も言えないのですが、記憶障害が深刻で、生活上の問題が生じているレベルであれば、一度病院で認知機能のテストを受ける、MRIでの脳の皮質、海馬の容積測定、CSF(脊髄液)バイオマーカーのAβ、T-タウ、p-タウを測定してみるといったことも検討されてみるといいのではないかと思います。

いただいた情報だけで想像すると、HbA1c9.3は高いため糖尿病が記憶障害と関連している可能性を疑うことはできると思います。[R]

2型糖尿病では海馬萎縮が観察され、健康な人と比べ脳全体の萎縮が示されています。[R][R]

2型糖尿病によって低下する可能性のある認知機能
  • 情報処理速度
  • 記憶力、注意量、実行機能
  • 作業記憶
  • 偶発的記憶
  • 視覚記憶
  • 言語記憶
  • 視空間認知
Diabetes and Cognitive Impairment
Both type 1 (T1DM) and type 2 diabetes mellitus (T2DM) have been associated with reduced performance on multiple domains of cognitive function and with evidence...

東洋医学にも通じる話ですが、西洋医学では一般的に疾患が何であるかを特定してからでないと治療を始めることができないのに対して、リコード法は多くの神経変性疾患が、その疾患名の診断がつかなくても、検査値ベースで治療に取り組むことはできます。

ただし、脳炎や特発性正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫など治療可能な認知症もあり、その他の疾患の見過ごしリスクも伴います。

 

糖代謝障害向けの1.5型プロトコル、つまり1型と2型の要素が入ったプロトコルが最善になると思います。

糖尿病は慢性炎症も引き起こしうるため、炎症関連の検査を行い結果から、1型プロトコルをどの程度含めるかといった判断もするとと良いのではないかと思います。

それらを行なって糖代謝が改善するが症状が回復しない場合は、他の疾患を疑ったほうが良いと思います。

 

個人的には最低ラインとして、睡眠時無呼吸症のチェック

炎症が起きているか アルブミン、高感度CRP

すでに深刻かつ長期にわたるのであれば、MRIで海馬容積、血管病変の有無も調べて、より正確な診断を病院でつけておきたいように思います。

先日、他の方の記憶障害のコメント拝見しました。我が家は、過去の記憶が失われていきます。 家族のことや住み慣れた家や趣味まで抜け落ちています。

短期記憶も怪しいのに、リコード法でどうにかなるのでしょうか。

回答

先の回答と重複しますが、短期記憶が怪しいというレベルで、家族の記憶が抜け落ちていくというのは、特に認知症初期の段階では3型が関与していることが疑われます。

3型の対処方法は、毒素の検査を行い、何が毒素となっているかを洗い出すという原則はシンプルですが、実行は大変です。。

有害金属、有機溶媒、マイコトキシン、感染症、睡眠時無呼吸症候群など様々に存在し、複数にまたがることも少なくありません。

 

早期検査早期対応が核心的に重要ですが、特に3型はその対応の早さが命運を分けます。

仮に3型だっととした場合の話ですが、リコード法に期待できるかどうかは、

  • 取り組みのタイミング (早期)
  • 毒素を見つけ出すこと。(検査)

そして実践が十分に、特に毒素のキレートは個別的に対応されれば、一般的に改善の見込みは十分にあるという印象です。特に水銀曝露の患者さんのキレートは良い結果があるようです。

逆に、毒素の検査漏れがある場合、それとか毒素が複数にまたがっている場合も治療の難易度は上昇します。

メマリー5mgを摂取していましたが、体調不良と記憶障害が頻繁なため、フペルジンAを300mcgに切り替えてみました。

記憶障害を少しでも改善するにはどうしたらいいでしょうか。私のこと忘れてしまいそうで、気が気ではありません。宜しくお願いいたします。

回答

ご質問者さんの記憶障害は、おそらく短期記憶障害のことを言われているのだと思いますが、一方で、家族のことを忘れるというのは自伝的記憶、エピソード記憶の問題となり、両者は通常、医学的には大きく区別されます。

まずうちの母親に関してですが自伝的記憶は、エピソード記憶等はまったく問題ありません。一方で、短期記憶はあれこれやってみて、改善はなくもないですが微妙です。そのため、短期記憶の改善に関しては自信をもって語れません。

 

ただ、短期記憶、そしてそれらと深く関係する海馬容積の改善をリコード法の取り組みによって改善する症例はいくつもあり、個人的にも短期記憶が回復した話を複数聞いています。

うちの母は、発症してからの短期記憶改善に本格的に取り組むまでの年数が経過しすぎていたせいではないかと考えていますが、実際のところはわかりません。何かを見逃しているかもしれません。

自伝的記憶の改善または維持の取り組みは、脳の改善の取り組み、つまりリコード法を行って認知症治療を行うことほぼ同じだと考えてください。海馬は脳の縮図のようであり、脆弱性も手伝って初期の段階で障害を受けているように思います。

そのため、短期記憶の改善への取り組みも基本的には、脳全体の改善への取り組みと同じですが、海馬の神経細胞は障害を受けやすい特性をもっているため、自伝的記憶を失わない努力よりも、より丁寧さとシビアな治療が必要です。

  • 酸化ストレス
  • 炎症反応
  • 毒素
  • BDNF・NGFなどの神経栄養因子の欠乏
  • エストラジオール・プロゲステロンなどのホルモンの欠乏
  • IGF-1の不足
  • 海馬インスリン抵抗性の増加
  • GABA作動性シグナル伝達の障害
  • ビタミンDの不足
  • タウ、アミロイドなどの異常たんぱく質の蓄積
  • 質の低い睡眠
  • 概日リズムの不均衡

細かく拾うと他にもまだあるのですが、これらすべてが海馬の機能障害(短期記憶障害)に結びつく可能性があり、認知症患者さんではその一部または複数にまたがって障害があります。

リコード法は、その方法論通りに実行すれば、上記で掲げたすべての障害因子に対して働きかけます。障害因子のうちのひとつだけ大きく障害を受けている場合は、それに特化した治療が効果を強く発揮することがあります。

 

例えば糖尿病などで特異的に海馬インスリン感受性が低下している場合、ケトン補充が短期記憶障害に著効を示すことがあります。BDNFなどの栄養因子が低下している2型ですと、有酸素運動やLLLTなどが大きく改善効果に結びつくことがあります。

これらが意味することは、つまるところ、可能な限りリコード法に基づいた検査を行って、検査値を最適化していくということになります。

 

順番としてあえて言うなら、海馬は毒素や精神的ストレスに弱いため、まず慢性的なストレスを解消していくこと、解毒を優先的に行う必要があるとは思います。

(ただ、実際的には、それほど時間的にゆとりがあるわけではないので、他の治療もほぼ同時期に行うことになるとは思います)

アルツハイマーの危険因子に、『低学歴』とありますが、どういうことでしょうか?
回答
低学歴の意味は国によって異なる

まず「低学歴」とも言えなくもないのですが、実体はもう少し複雑なため教育とアルツハイマー病発症リスクの関係、または教育年数の長さと言い変えさせてください。

というのも、これまで教育との関連でアルツハイマー病リスクが研究されてきたのですが、国や地域によって学歴の高低の基準が異なり結果も様々であるからです。

識字率の低い国では低学歴という言葉が字が読めないレベルを意味することがあり、最終学歴が高卒か大卒かという研究と重ねてしまっていいのかという問題もあります。

また数年の早期教育がアルツハイマー病の発症率低下に影響を与えるというケースもあり、日本でイメージされる低学歴と必ずしも結びつけることができません。

教育期間の長さはアミロイドとは関係しない

ただし、大枠では教育期間の長さがアルツハイマー病の発症リスクと関連するという研究が多く存在し、日本でも同様の報告があります。

教育年数の違いによって、アミロイドβや異常タンパク質の蓄積には有意な差がないことがMRI画像などの解析で示されています。

認知予備力と教育期間

しかし、教育期間の長い方では「認知予備力」が高いと言われ、その病理的な負荷に対して耐える力が強いことから発症リスクが低下すると考えられています。

「認知予備力」とはなんぞやとなると思いますが、

今述べたように脳にアミロイドなどの異常タンパク質があるにも関わらず認知症を発症しない人たちが存在するということが昔から知られていました。

彼らが教育、職業、精神活動などにおいて秀でた特徴をもつことから、認知的予備力なるものがあるのではないかと1980年代に仮説として提唱された概念的な用語です。

Cognitive reserve. - PubMed - NCBI
Neuropsychologia. 2009 Aug;47(10):2015-28. doi: 10.1016/j.neuropsychologia.2009.03.004. Epub 2009 Mar 13. Research Support, N.I.H., Extramural; Review

後に多くの縦断研究などで、その存在の確かさが確かめられ、認知的予備力をどうすれば高めることができるか、どのように評価していくかなどといった研究が行われてきました。(現在も行われています)

この認知的予備力の医学的メカニズム、生物学的基盤はまだ解明されていません。

提案されているものとしては、例えば高等教育を受けている人々では平均的に脳の白質、灰白質の容積が有意にそうではない人と比べて多いという形態学的な違いに関する研究報告があります。

頭のでかい人は認知的予備力も大きい

興味深いのですが、脳の大きさ(容積)という単純な要素が認知的予備力と関連していることがいくつかの研究で示されています。

その他ニューラルネットワーク、コネクトームから認知的予備力に対して焦点を当てた説明も試みられています。

Brain and Cognitive Reserve: Translation via Network Control Theory
Traditional approaches to understanding the brain’s resilience to neuropathology have identified neurophysiological variables, often described as brain or cogni...

このあたりになると、ぼくもよくわかりません(汗)

認知機能低下の緩衝材

話を戻しますが、教育期間の長さは認知症発症リスクを下げるというよりも「認知機能低下の緩衝材」となるという表現のほうがより適切かもしれません。

というのも、教育期間が長い人の認知症発症年齢は確かに高いのですが、その後認知機能の低下は急速に早まり死亡年齢では、教育機関の長さに差は大きく見られないからです。

短い教育機関はアルツハイマー病発症の先送り

簡単にいうと、教育期間の短さはアルツハイマー病の発症を早める、または教育年数が長いとアルツハイマー病の発症を先送りすることができるという言い方ができるかもしれません。

良いとばかりも言えないのが、、同じように病理学的な問題を抱えているにも関わらず症状はなかなか発症しないため、認知機能の低下に気がつきにくいという問題があります。

そのため、リコード法的治療をはじめた時には、病理がより一層進行している可能性もあり、回復治療がそうではない人よりもより困難となる可能性があります。

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