運動の習慣化を成功させる医学的戦略 7ステージ

強調オフ

アドヒアランス(実行力を高める)エクササイズ 運動運動の継続

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運動実行のアドヒアランスを高めるコツと方法 7STAGES

私の人生を変えられるのは私だけ。

誰も私のためにそんなことやってくれないわ。

キャロル・バーネット

 

リコード法を実行する上で、運動は外すことができない改善治療のひとつ。

そしてリコード法の中で、もっとも実行と継続の難易度が高い治療項目のひとつでもある。

そこでいくつかの運動遵守(アドヒアランス)を高めるための研究論文を参考に、リコード法実行者向けに記事を作成してみた。

www.hindawi.com/journals/jobe/2011/348293/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3047997/

1.活動レベルの評価

これからの活動量を決定するために、まず現在の活動量の評価が必要。

運動の実行がむずかしい理由の明確化

実際の身体活動レベルをどのように判断するか、

活動量はこのままで良いと考えているのか、

より増やすことがことが適切だと考えているかどうかを

トレーナー、介護者が実行者本人に尋ねる。

例えば、「毎日座ってばかりいる」と本人が語る場合、それがなぜなのか理由を尋ねて、運動実行の障壁となる要因を明確化する。

例えば、関節炎があるからなど。

医学的障害は専門家に相談

医学的な疾患、例えば、脂質異常症、高血圧高インスリン血症、メタボリックシンドローム、糖尿病などがある場合は、

運動能力テスト、運動中の医学的な観察など、追加の医学的評価を必要とすることがある。

うつ病では運動の継続がよりむずかしい

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9726128/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15246125/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17845881/

うつ病患者の遵守率と効果が得られる運動量を踏まえて、

30~40分程度の持続する運動を目指す。ウォーキングなどは理想的。

www.jsams.org/article/S1440-2440(13)00058-3/pdf

 

肥満である人への配慮

肥満女性では、運動後に経験する気持ちよさ、活発さ、意欲が肥満ではない女性と比べて低くなる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10937415

肥満である場合、本人の意識と身体的な要因から運動の実行がむずかしくなる可能性が高い。運動の計画を本人のやる気に応じて変更する必要がある。

例、肥満体重が負荷とならない運動、低強度運動への切り替えなど

2.運動と活動目標の調整

活動計画の作成

医療関係者、専門家、トレーナーから、どのタイプの運動が患者にとって物理的に可能であるか、そして活動の成功を妨げる障壁がなんであるかのアドバイスを仰ぐ。

そしてその評価に基づいて、運動の活動計画を作成する必要がある。

日常生活ベース・自宅運動

例えば、階段の上り下り、園芸、犬の散歩など、日常生活の中から、運動する時間を見つけ自宅運動プログラムを開発して運動の遵守率を高めていく。

身体活動は低レベルから始め、毎週150〜200分の最終目標へと、ゆっくりと徐々に増やしてかなければならない。

 

自宅運動のメリット

体力の弱い患者は外出の必要性がないことから、家庭ベースの運動プログラムに参加する可能性が高いことが見出されている。

また、患者にとって適切な強度のレベルで運動を始めることができ、徐々に強度を高めていくことができる。

攻撃行動の減少

自宅での訓練プログラムは、認知症高齢者の攻撃行動を減少させた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23933422

遠隔モニタリングによる在宅トレーニング

電話を使った遠隔でのモニタリングによる一年間の在宅トレーニング(心臓リハビリテーション)は長期的な体力を改善し、施設での訓練よりも高い活動レベルの運動活動をもたらす。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3851796/

家庭ベースの筋力トレーニング
参加と遵守の予測因子(英語)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9726128

運動継続を妨げる問題

うつ傾向の人への柔軟運動

健康レベルが低いと自己評価する人や、うつ傾向にある人では、例えばウォーキングの遵守率はより低いことが示されており、ヨガなどの「バランス運動」の遵守率はうつではない被験者と変わらない。

そのため自分の健康に自信がなく、運動の継続にも不安を覚える人は、まずヨガなどの柔軟運動からスタートしてみることが勧められるかもしれない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17996075/

有酸素運動と筋力トレーニングでは遵守率に差がない

強度やトレーニングの種類は運動の継続に影響を与えない。おそらくどのタイプのトレーニングも認知機能へ同様の影響を与えることから、取り組みやすさ、本人の好みで選ぶと良いだろう。

リコード法 運動による認知機能改善 4つのフェーズ

経済的問題

筋トレ継続の環境的障壁となる傾向。

季節的問題

季節的に暑いまたは寒い時期、屋外での運動、または屋内であっても施設へ通う場合、継続の障害となりうる。

家庭ベースの運動も補助的にできるよう考えていくべきかもしれない。

開始時期が選べれるのであれば春や秋に始めることで遵守率が高まるかもしれない。

医師のアドバイス

医師のアドバイスは、筋トレの継続に強い影響をあたえる可能性がある。

医師から運動を促すようお願いをしてみよう。

フィットネスインストラクター

モチベーションだけではなく、患者が間違ったトレーニングを回避する上で重要な役割を果たす。

パーソナルトレーナーによる指導は敷居が高く感じるかもしれないが、最初だけでも初心者が学ぶ上で、長い目で見れば投資に見合うだろう。

www.esceo.org/sites/esceo/files/publications/Van_Roie-2015-Gerontology.pdf

 

自己モニタリング(自己観察と記録)

自己モニタリングは、行動療法の基本。

自己モニタリングを行うほど、運動活動量は増える

やる気を高める自己モニタリング

自己モニタリングは本人の運動習慣に対する意識を高める。

活動量を高める運動の方法を発見することにも役立つ。

システマチックレビュー 自己観察とフィードバック介入は、運動の遵守率に重要な結果を示す。

記録は運動障害要因の特定にも役立つ

歩数だけでなく、活動内容、その時の気分、運動と関連する考えを記録することによっても、運動継続の恩恵を受ける可能性がある。

こういった情報は、運動の障害の特定にも役立つ。

3.運動の障害となるもの

運動が続かない理由 ワースト8

第一位「意欲がわかない」

→ 「意欲」や「やる気」を精神論ではなく、運動を行うことの障害要因のひとつとしてとらえる(概念化する)

概念化された「やる気」は関数のように考え、どの変数(例 食事、時間帯、運動仲間、マインドセット、うつ病、疾患、他)、が影響を与えるか計算問題として考えてみる。

第二位「怪我・障害がある、体力・筋力がない」

→ 医師、トレーナーに相談して可能な運動と運動量を把握する。

→ 関節に問題がある場合 → スロトレ、リカンベントタイプのフィットネスバイク、加圧トレーニング

→ 同じ障害のある人を見つけ出し一緒に運動する。

第三位「運動するとすぐに疲れて死にそうになる」

→ 疲労感の少ない時間帯や曜日があるのか、それがいつであるかを把握して、その時間帯、曜日に運動を計画する。

→ 目標設定を低目にする。

例 一日2000歩(2000歩でも効果あり)

→ 運動のレベルアップをゆっくりとあげていく、疲労感が高ければそこで止めるか、目標設定を下げる。

→ 疲労感の少ないバランス運動や柔軟運動から初めてみる。

例 ヨガ、ストレッチ体操など

第四位「運動したいけど、その時間がない」

→ 日常生活に組み込んだ活動で運動プログラムを再編成する。

例 階段を使う、買い物に徒歩で行く、遠くに車を駐車する、駅を1つ手前で降りて歩く。

→ 毎日のスケジュールをチェックし、週のうち30分の時間を3回作り出す。

→ HIIT(高強度インターバルトレーニング) 最短2分で終わる。

第五位「家族の理解や協力が得られない」

→ 家族と一緒に運動することを提案してみる。

第六位「うつ病」

→ ヨガなど、バランス運動から初めてみる。

→ 好みに合わせて30~40分持続可能な運動を行う。

難しくなければ緩めのウォーキング。

第七位「運動が好きじゃない、退屈だ」

→ グループダンス、読書ウォーキングなど楽しい活動を計画する。

→ トレッドミルやフィットネスバイクを走りながらテレビ、youtubeを見る。VRを利用する。

第八位「運動の利益が感じられない」

→ 運動教育

→ 運動によって得られる利益と失う利益の賛否両論表を作成(当記事に記載)

→ 運動の目標を血清学的検査などのマーカーとする。

その他の運動参加への障壁

「外で運動するのが恥ずかしい。笑われそう」

→ 外部を気にしなくてすむ運動場所を探す。

高齢者、初心者向けのジム、スイミングプール等。 自宅での運動計画

「一人で運動はしたくなけど、遅れをとるので人と運動するのも嫌だ」

→ 競争を避けるため、同じレベルの運動仲間を探して運動する。

→ 全く異なる運動レベルの人と、負荷をかけることができる運動で競い合う。

例 若者は30kg 高齢者は5kgでスクワットの回数を競うなど。

→ ジムのトレッドミルやフィットネスバイクで各個人のスピードで並行して走る。

「自分はスポーツをするようなタイプではない」

→ 運動のメリットを伝える・運動の認知機能予防効果はタイプとは関係ないことを伝える

「お金がない」

→ 散歩、ジョギング、縄跳び

→ 公民館などでの運動プログラム

「天気が悪い」 

→ グループで短い散歩を計画する。

→ 日程に柔軟性をもたせた上で目標を設定する。

→ 屋内でできる運動 屋内サイクリング、エアロビクスダンス、屋内スイミング、体操、階段登り、縄跳び、モールウォーキング(ショッピングモール内を集団で散歩する)、ダンス、体育館での運動

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21642065

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10937415

4.自己効力感

自己効力感

困難な状況や障害に直面したときに、自分ならできると信じることができる能力。

カナダの認知行動療法の権威アルバート・バンデューラによって提唱された。

予期能力と効果予期

人は単に刺激に反応して行動を起こすのではなく、刺激をつねに解釈しており、その刺激が行動を引き起こすには予期する能力が強い影響をもっている。

予期には、ある行動(自分ができるかどうかは別)がどういう結果を生み出すかという「予期能力」と、実際にある結果を生み出すためにどの程度の自分の能力が必要かという「効力予期」があり、自分が十分な「効力予期」をもっている場合に「自己効力感」は生じる。

自己肯定との違い

自己肯定や自尊心とは違い、自己肯定、自尊心は行動と関係なくそれ自身で肯定されるものであるのに対して、自己効力感は行動とむすびついていおりその相互作用によって肯定される。

しかし自己効力感が高いと一般的には自己肯定意識も高い。

自己効力感のリスクとベネフィット

運動のスタートに有効

「自分はきっとできる」と信じることのできる自己効力感は「運動のスタート」「運動のステージを変えていく時」に特に有効。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1574662/

高すぎる期待による失敗リスク

しかし、運動から得られる見えやすい利益の期待値が高すぎると失敗に終わる可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16238853/

限りある自己効力感量

また自己を変えていこうとするエネルギーはおそらく資源的に限られているため、ストレスが増えることなどによっても初期の自己効力感は消耗し失われていく可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10748642/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12675397/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11570646/

自己効力感 vs 事前計画者

事前に考え熟考や計画を周到にたてすぎる人では、自己効力感を低下させることが予想されている。

しかし運動の維持期においては事前計画者がもっとも最善の結果を示すという研究報告がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11570646/

運動継続の二大理由

・「運動には価値があり健康に有益である」と感じている
・「運動をより強く自分でコントロールできている」と感じている

この2つを感じている患者は、運動へ向けて努力、投資する価値が高いと信じており、運動目標を達成する可能性が高い。

落ち込みのパワー

いくつかの研究では、本人の気分の落ち込みが、「生きる強さを身に着けたい」という感情につながり、運動の遵守率の増加と相関していた。(Dishman et al,1985; Ward&Morgan, 1984)

 

認知症高齢者の自己効力感

1.得意なことを軸にして自己効力感を高める

当事者の具体的な強み、得意なことにはたらきかけることで自己効力感は高まる。

・強みへ働きかけることと軸に遂行体験を受け止めてあげる。

・本人が話すストーリーを核にした対話をすること。

・役割意識が実感できるように促すことが重要。

2.自己効力感は自己否定と自己肯定を繰り返しながら高まる

自己効力感が高まる過程は、行ったり来たりしなが螺旋状に高まっていく。

3.自己効力感によって自己感情を表し不安を克服できる

自己効力感が高まると、納得できない環境変化に遭遇しても、自分の気持ちを表すことで対処できるようになる。

 

ci.nii.ac.jp/naid/110006198596

usprepo.office.usp.ac.jp/dspace/bitstream/11355/64/1/JHNS%20004%20047.pdf

変化する運動継続の理由

初期に重要な自己効力感

高齢者の自己効力感は、運動を初めた頃の初期の段階では、重要な運動遵守の要因。

継続フェーズでは障害と疲労感の少なさが重要

しかし、一度運動が習慣的に身につき運動の継続フェーズに移ると、障害や疲労感が少ないことが重要な運動継続の要因変数となる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2685266/

その他

自己効力感が歯周病の進行・再発に与える影響

www.jstage.jst.go.jp/article/perio/48/3/48_3_174/_pdf

 

自己効力感を測定する質問表

一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES

 

5.報酬と運動教育

報酬システムは自分で作れる

運動を始める小さな工夫・準備

運動実行の阻害要因となっているものを排除するだけでなく、運動を始めるきっかけを高めるための工夫を増やすことが必要。

例えば、就寝前に運動の服を用意しておくなど

目標達成と報酬

毎週の行動目標の達成に対して、報酬は自分で自分に与えることでも、運動の継続性を強化することができる

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17197276/

「reward system」の画像検索結果

メリット・デメリット表の作成

ライフスタイルの変化について、その賛否両論を話し合うことは重要であり、その受容性は証明されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17337504/

 

メリット・デメリット表のリストは、身体の健康、心理的健康と短期および長期の影響を、詳細に、また実際に表にして反映させなければならない。

そしてメリット・デメリット表について議論している間、トレーナー/介護者は本人が長期的な目標に焦点を当てるよう促す。

 

本人の意思決定であることを意識してもらう

医療関係者/トレーナー/介護者は、本人が自発的に運動を始めようとしていることを意識してもらうことにつとめる。

例えば、「あなたが運動を始めようとしている気持ちがわかります。」などのメッセージを積極的に伝えていく。

 

運動による認知機能へのメリットを学ぶ・教える

運動による認知機能への医学的改善効果

 

筋貯金は70歳代がラストチャンス!

しかし、80歳以上の高齢者でも筋トレによって(筋肥大ではなく)筋力増加の効果はある。しかし、80歳になると、筋トレによる筋肥大は70歳代と比べて厳しく制限される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2494807/

 

 

 

6.社会的支援

社会的支援の重要性

社会的支援は、本人の行動を変えていくための重要な要素。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10028217

運動仲間はきわめて重要

運動仲間は、活動的なライフスタイルに変えていくために重要な役割を果たす。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8422776


無作為化の研究では、個別的な運動治療よりも、グループベースの運動治療参加者の体重が著しく減少した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11550739/

新技術は役に立つが人間関係の代替にはならない

バーチャルリアリティーや情報通信技術などの新技術は、運動プログラムの魅力を高めるために有効であるが、介護者と患者の人間関係を離れて活用することはできない。

コミュニティーベースの運動プログラムが技術と結びつくことで運動の参加と継続に有益な効果をもたらすかもしれない。

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1877065716000348

bmjopen.bmj.com/content/7/12/e019221

自己効力感よりも社交的楽しさ

若者健常者に有効な自己効力感を高めるアプローチは、高齢者には有効ではない可能性。

高齢者は、単に身体活動を増加させる動機が不足している可能性がある。

そのため、実行機能の低下が見られる高齢者では、目標設定、成果に対するフィードバック、社会的支援方法、障壁の克服方法などを含む行動変容テクニック(BCT)の恩恵を享受しにくいのかもしれない。

運動能力の低い人では、運動行動計画の利益を得られやすいという経験的証拠がある。

高齢者は身体活動そのものよりも、むしろ社交的に楽しい活動への参加に興味があるかもしれない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24648017

 

医療関係者/介護者は運動グループを作るべき

医療関係者/トレーナー/介護者は、本人の同意を得た上で、本人の行動を変えていく環境づくりのために、他の患者にも運動計画に関与させるべき。

患者グループへ、肥満、体重管理、身体活動の方法について教育すべきであり、また、本人が積極的に生活習慣を進化させ、運動習慣を維持していくのに役立つ方法を模索すべきである。

運動グループに必要なこと

運動グループへのニーズは人によって患者によって異なるが、運動仲間となりうる候補への一般的なアドバイスは、

・リラックスした環境を用意すること。

・前向きの姿勢と積極的な行動をとっていくこと

・一緒に行動し、患者が挫折してもそれを周囲が受け入れること

など。

失敗への対応

活動的ライフスタイルの長期的な順守は、生物学的、環境的、心理的な要因が複雑に絡み合っており、成功させることは容易ではない。

トレーナー/介護者は、達成できたすべての小さな成功に対して本人を激励し、失敗を批判してはならない。

批判は実行者の罪悪感と自信の喪失をもたらし、意欲低下につながるかもしれない。

 

実行者の行動を無条件に受け入れることで、障壁を克服するための問題解決のアプローチは、臨床医と患者との関係を維持するだろう。

このアプローチは単に意欲を掻き立てるのではなく、本人が長期的な成功に対して一連のテクニックが関連していること理解するのに役立つ。

 

7.活動的ライフスタイルなマインドセットを身につける

マインドセット = 経験、教育、先入観などから形成される思考様式、心理状態。 暗黙の了解事項、思い込み(パラダイム)、価値観、信念

 

7-1 活動理由の明確化

トレーナー/介護者は、活動的ライフスタイルを採用する理由を、本人にリストとして書いてもらう

トレーナー/介護者は、本人が運動に集中できる精神力を身につけてもらうために、難しいと感じる部分を書き出し、リストを見直すよう日々指導する。

 

7-2 目標設定

短期目標の設定とマインドセットの修正

目標設定は認知行動療法の重要な要素、自分の行動変化に注意を向けることは有効であることが示されている

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12237980

 

「現実的に可能」

「具体的かつ計測可能」な目標を

「週単位」で設定したものに対してして挑戦する。

例えば、週に1,000歩散歩の歩数を増やすなど、

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17197276

 

このように設定された目標の達成は、自己効力感を強化する達成感にもつながる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18098321

 

古いマインドセットを捨てる

実行者の古いマインドセットは、新しい活動的ライフスタイルを作っていく上で障害となる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17425538

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23833226

 

7-3 軌道修正

高すぎる期待と低すぎる期待への注意

高い治療への期待とその反動による意欲の低下は、最初の取り組み段階でも治療の全過程でも取り組まなければならない問題。

一方で実行者が初期にわずかな改善しか求めないのであれば、改善も促進されず、回復幅も少なくなる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15340110

成功の期待値が高すぎる人ではドロップアウト率が高い。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16339128

短期集中型治療

あまりにも集中的なダイエット治療では、バーンアウト(燃え尽きて意欲を失う)を経験する傾向がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16115301/

単調・停滞

単調なセッション、治療成果がプラトー(停滞状態)に達すると中止する可能性が高まる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15687411/

初期の不満サインを逃さない

治療開始時は、患者を週ごとの改善状況に集中させる。

トレーナー/介護者はプログラムの実行に伴う不満のサイン逃さず読み取り迅速に対応することが、意欲低下のリスクを最小限に抑える鍵となる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16339128

非現実的な目標の修正

実行者が中間目標に達し、改善度が低下する治療過程の後半で、非現実的な期待値が変更される可能性がある。

非現実的な目標の変更が求められる局面では、トレーナー/介護者と患者の間の信頼関係と協力関係を築き上げていることが必要となる。

これはまた、患者が意欲低下、失敗を回避する重要な条件でもある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16432536

 

7-4 障害の克服

問題解決の障害への取り組み。

トレーナー/介護者は、患者が運動を実行遵守を妨げる要因に対処するため、以下の問題解決アプローチを用いて患者を訓練、指導する。

問題解決アプローチのための5ステップ

ステップ1 問題を詳細に記述し、問題の前に発生した状況の説明を試みる。

ステップ2 ブレインストーミングを行いあらゆる可能な解決策を書き出す。

ステップ3 ブレインストーミングによる解決策の長所と短所を列挙してみる。

ステップ4 ステップ3の分析に基づいて最良の解決策を選び、一定期間実施する。

ステップ5 患者は達成された結果を評価する。ブレストによる解決策が失敗した場合は、最初のステップに戻って一連のプロセスを繰り返す必要がある。

自己モニタリングの記録として「問題解決アプローチ」を書き出し、解決する5つのステップを記録に残す。

メンタルな記述のできない問題解決には、この方法は効果的ではない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11550740

 

7-5 マインドセットの再構築

自己効力感を高める

本人は活動目標に達した際、自分自身に向かって積極的な文章を使って、自己効力感を高めるスキルを学ぶ。

例、「やれば自分はできるな」「自分の新しい側面が見れそうだ」

自己効力感を高めていくスキルを身につけることは、運動に関連する不満を軽減し、活動的ライフスタイルを維持できるという自信を強めるのに役立つ。

自分の力で自己効力感を感じとる

専門家の追跡サポートがなくても、自ら自己効力感を維持できることが運動継続の鍵。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16115301

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19842866

マインドセットの再構築

このテクニックによって、患者は気分と行動の両方に自分の思考がどれだけ影響をおよぼすのか、より合理的で機能的な考え方がライフスタイルプログラムの遵守をどれだけ高めるのかを学ぶ。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17197276

マインドセットの再構築によって、認知バイアス(白か黒、正しいか間違っているかのどちらかでしかないという考え)を改め、非現実的な成功への期待を修正する。

 

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