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概要
地震”予知・予測”がもたらす副作用
地震が起こる確率が高いという記事を偶然読んだことから、あれこれ地震予知と地震対策について調べてみた。
少なくとも過去を振り返ると、地震の短期的予知も長期的予測もできているとは言い難い。
1993年の北海道南西沖地震。神戸市に壊滅的な被害を与えた1995年の兵庫県南部地震。2000年の鳥取県西部地震。どれも不意打ちだった。[R]
東日本大震災の原発事故は、これ以上の津波は来ないだろうと予測したことで、非常用発電を地下に置いて津波の被災を招いた、つまり予測可能性への過剰な信頼が招いた事故とも言える。
熊本の地震も中期的予測は1%にすぎなかったが現実に起こった。被災者の多くは「熊本に地震がくるとは思わなかった」と口にしている。[R] この油断によって被害拡大した可能性もある。[R]
複雑系である地震の予知予測がそもそも可能なのかどうかは自分にはわからない。ニューラルネットワークを利用した地震予測研究も行われており、予測可能性は示唆されるもののランダムネスの影響が強く現実的に使えるかは疑問、[R][R]、余震の発生確率はこれからの研究で役立つ可能性が高いかもしれない。[R][R]
ただ現時点では地震予知・予測ができると考えることによって生じる弊害や事故があまりにも大きすぎるように思う。
これは言い換えれば、いつどこでどのような大地震が起こるかわからないため、全員がまんべんなく地震対策を行う必要性が高いことを意味する。
一度の大規模地震で交通事故440年分の損失
さらに、一般的には車よりは低い死傷率や影響と考えられているが、巨大地震が一発起こればその被害をおよぼす人や世帯の規模も一気にひっくり返る。
交通事故の経済的損失は年間3兆円だが[R]、東日本大震災の経済的損害額は原発を除いても16~25兆円だ。[R]、阪神淡路大震災は約10兆円。[R]
首都直下地震が起こった場合、最悪のケースで778兆円、南海トラフ被害は1410兆円と推計されている[R]
これは一回でも起きてしまえば、最大で440年分の交通事故の損害額に匹敵しうる。
そして、政府の発表では南海トラフ地震が起こる確率は30年以内で70%…[R][R]
ひとまず地震が起こることを前提に、地震の起こる確率に対して最小限の費用で個人の地震対策がどこまで可能か、損失期待値を考えつつまとめてみた。
自力救済の重要性
行政機関はあてにできない
大規模震災時の救出は、「救助開始の速さ」と、「人手の数(マンパワー)」で決まる。
生き埋めや閉じ込められた際、神戸大震災時の行政機関による救出はたった2%でしかない。97.5%が自力、家族、友人、隣人など地域の協力によって救出されている。[R]
これは同時に起こる大規模災害では行政機関のリソースが不足してしまうからであり、規模が大きくなるほど、公的な援助が難しくなる。
自分が助かることが最強の人助け
例えば地震時に10人中3人が救助を行い、救助を必要とする人が3人存在すれば、一人で一人を助ける割当になる。
もしそのうち一人が自力で助かり要救助者を2人に減らすことができれば、1人に対して救出に当たる人数は1.5人に増えるため、その他の人の助かる確率も高まる。
「死んでもええわ」は通用しない
瓦礫に挟まれた人を見た人が「私はいいから」と言われて放っておくだろうか?
災害救助において他の人があなたを救助するかしないかに、あなたの選択はほとんど考慮されることはない。
地震防災チェックシート
神奈川県の地震防災チェックシート、重要なポイントがよくまとめられているので、このシートに従って一度チェックしてみることをおすすめする。
www.pref.kanagawa.jp/docs/j8g/cnt/f370017/documents/826207.pdf
その他 地震関連記事
倒壊リスクを防ぐ
救助
情報収集
肺炎・感染症対策
水・食事・栄養素
電気
避難所での生活
防寒具・寝袋(特に冬)
スリーピングバッグ(寝袋)
寝袋は持ち出す可能性があるのか、津波、倒壊などの心配がなく自宅や避難倉庫に預けられるのかで選択が替わる。安全な場所に預けられるのであれば、サイズや重量は無視できる。
寝袋には、マミー型と封筒型があり、持ち出すことが前提の場合は防寒力の高いマミー型が無難。(封筒型寝袋は防寒力が弱く)
中身の素材には化繊とダウンの選択がある。ダウンシュラフは濡れに弱いという弱点はあるが、非常にコンパクトになる。避難所で毛布と併用して使用することを想定すると、寒冷地域を覗いてコンパクトになる3シーズン用のダウンシュラフが良い選択かもしれない。
避難場所の環境や季節に大きく依存するが、夜間震えずに寝ることができるかどうかは、最悪命にも関わるので、食べ物や水よりも緊急性が高いと考えている。
防災に最適な寝袋は、震災があるとすぐに売り切れる。
メーカーの示す適正温度や快適睡眠温度は、経験のない人が信用すると泣きを見る…
スリーピングマット
保温力を高める上で、寝袋と違ってマットの重要性は見過ごされやすい。
持ち出しを考えると、半身用のエアマットがコンパクト性に優れるだろう。
ダンボールを利用する方法もあるが、避難者が多いと避難した当日十分に得られない可能性もある。
ホッカイロ
暖房器具が得られない場合ホッカイロが唯一の暖房器具であり、寒い時期では低体温症を防ぐための命綱になる。
魔法瓶・サーモス
非常用トイレ
マンションなどで強い地震により下水道配管の漏水があると、フロで水を溜めていたとしても水を流すことが制限される可能性がある。
ブレイン サッと固まる非常用トイレ30回分
非常用トイレセット 50回分 凝固剤 汚物袋 BOSの3点セット
簡易テント
被害規模が大きな震災では避難所の収容人数には限界があり、実際に避難所に向かってもそこに入れず、校庭で津波被害にあった人たちがいた[R]
避難所にテントが持ち込めれば、防犯、プライバシー、寒い時期であれば暖かさの確保、感染症の抑制、光のコントロール等、空間を遮ることができるメリットは想像以上に大きい。
テントの大きさは避難場所の込具合に依存してくる。避難場所へ避難してくる人の数が多いことが予想される都市部などでは、避難所で大型のテントは使えないかもしれない。
taikan-enta.info/hinanjo-tento-mochikomi/
note.com/yuka_suzuki_365/n/ncfe2bb92f842
パーテーション・仕切り
特に認知症の人では、おむつ交換、排泄スペース、落ち着いてもらえるための専用スペースが必要。
バケツ
ポータブルトイレの代替、給水車から水をもらうなど多数の用途に使えるため、1個だけではなく、数個持っておいたほうがよい。
ペットの避難対策
災害時におけるペットの救護対策ガイドライン<環境省>
環境省では、動物愛護の観点、また避難後ペットを探しに行き二次災害に遭うことがあることから、災害時にペットを連れて行くことが推奨されている。
www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506.html
ただし、ペットが避難所で受け入れられるかどうかは避難所ごとに対応が異なる。
ペットとの完全同居がOKという避難所もあれば、外のゲージに入れて別居という避難所もある。自治体に地域防災計画の中でペットの対応をどのようにするのか聞いてみること。
受け入れが難しい場合は、避難時にテントも用意しておき、屋外にテントを設営するのが最も現実的な方法かもしれない。
ブルーシート
LEDライト
ヘッドライト
懐中電灯よりも両手が使えるヘッドライトが、震災では活躍した。
明るすぎるヘッドライトは避難所では使いにくい。
ジェントス GENTOS ヘッドライト CP-095D
単3電池一本で駆動、耐塵、防滴、落下耐久、防災に最適
移動手段
自転車
被災地で物資の移動に活躍したのは、マウンテンバイクなどではなくガソリン不要で荷物が運べるママチャリ。部品の調達もしやすい。
電気がないと重たい自転車でしかない電動アシスト自転車は不向きだが、ツールを使えば電動アシスト自転車のバッテリーを利用してスマホを充電することができるメリットが生まれる。
サイバシ02 https://saibasi.com/
ただし瓦礫などの多い場所ではパンクの問題が多発する。パンク修理キットは用意しておきたい。瞬間パンク修理剤もあると良いが、ガラス片で開くような大きな穴には効果がない。
災害ではパンクレスタイヤが役に立つが、乗り心地の悪さと数年でへたるため普段遣いには微妙。
電動バイク・電動自転車
太陽光と組み合わせた電動バイク・自転車
離島ではガソリン代が高いため、すでに太陽光発電を使った自給自足の動力バイクが実用的に利用されている。[R]
電動バイクはガソリンエンジンよりも燃費が良いが、数年に一度のバッテリー交換費用がかかるため、トータルでは若干コストが高く付く。[R]
USB充電の出力が可能な電動バイクであれば、いざという時には予備バッテリーの役割を果たす。電動バイクの価格も下がってきており、太陽光発電が使用可能な環境下で、特に補助金を利用が可能であれば防災目的の電動バイクは現実的な選択となるかもしれない。[R]
現金
2011年の東日本大震災の際に、移動式のATMが巡回を始めたのは2ヶ月後。
有事の際には現金があると安心。災害時はATMも停電で停止してしまうため預金を引き出すのも困難。
500円玉を数十枚、1000円札を数十枚(家族の人数に応じて)用意すると安心。
避難が長期化する場合には、被災地を離れて交通機関で移動する場合があり、その際は交通費として、数万円が必要となる。
「家族4人の生活資金として現金と貯蓄で120万円用意していた。おかげで避難生活を乗り切れた」。[R]
ただし、高額になるほど保管場所や津波、火災による損失リスクの問題が生じる。
身分証明書
着のみ着のままで津波から逃げ延びたが、通帳や印鑑、身分証明書など貴重品は持ち出せなかった。
本人確認ができる身分証明書がないとして、引き出しを断られた男性は「被災者の現状を分かっていない」と憤る。
金融庁は金融機関に対し、通帳やカードを持ち出せなかった被災者について、「預金者であることを確認して払い戻しに応じるように」と指導している。
しかし、被災地では身分証明書がないと断られるケースは少なくないようだ。[R]
身分証がないと物資を受け取れない。いざとなったときの身分証や、緊急介護のジャケットなどがあればよいのにと思った。
娯楽グッズ
アナログゲーム
今回の地震で感じたこと、アナログゲームがあるだけでぜんぜん違う
「大量の防災グッズよりトランプ」
サロン活動
サロン活動への参加ですが、最初に行ったチームより、サロンの場に座布団、コップ、ヤカン等が無いと連絡があった。
私達は必要な物品を集めて持参する。持参した物品をサロン会場へ持参し、参加者と共に 1 つ 1 つ取り出した。
東日本大震災時の認知症介護関係者
トランプ
ダイスゲーム
ヤッツィー
日本ではあまり知られていないが、欧米では名前を知らない人はいないんじゃないかというほど有名なダイスゲーム「ヤッツィー」。
ダイス5個と筆記具、ペンがあれば遊べる。一人で遊ぶことも可能。
キャット・ストップ
世界で最も面白いダイスゲームとも言われる「キャント・ストップ」
ダイス4つとコマ、ボードが必要だがすべて自作可能。地震や災害なども含め現代文明が面している確率的リスクを感覚として学ぶことができるゲームのため日頃からオススメしたい。Can’t Stop自作方法
その他
避難所での肩書き作り
意外なほどもの言う避難所の「肩書き」
避難所ではなるべく役割分担をし、「○○係」と役職をつけ、その役割を明確にしました。
例えば支援物資が届いたときなどに、だれが受け取るかは重大な問題です。
あらかじめ決めておかないと、後々、だれが受け取ったのか、どこに置いたのか、責任者はだれかといった話になりがちなのです。
スペースを作るためにだれかがものを移動したりすることもしばしばありますから、荷物の管理は重要です。[R]
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