概要
東日本大震災の頃とは変わって時代の変化により、ラジオやテレビの情報よりも、スマホ、ネットからの情報が役に立ったとの声が多い。
テレビ・ラジオ
ラジオ・テレビは情報の発信力の強さが仇となり、有益な情報を流すと(例えば~で自衛隊が簡易フロを提供している)とそこへ人が殺到するという問題が生じることがある。
東日本大震災ではラジオ福島のツイッターによる情報発信はユーザーの間で評価が高かったとされている。
ラジオ局や市役所、警察など、公式アカウントを登録しておくと良いだろう。
ネット情報
被災地ではローカルで具体的な情報を必要とすることが多く、(個人の安否、地域の避難所の場所、ライフライン復旧の予定、食料、水、ガソリンの入手方法、店舗の開店状況など)どこで情報を得られるか、普段からネット情報のリテラシーを高めて使い慣れておく必要性がある。[R]
SNSアカウント
震災直後、消防の電話はパンク状態。電話は繋がりません。
大地震が起こると大抵の救助リソースは足りなくなるものです。打つ手なしか。そんな時、藁にもすがる思いで文字を綴った少女がいました。おじいさんの孫娘です。
“家が崩れて、おじいちゃんが下敷きになってます!
お願いします、お願いします。
助けてください。”少女が文字を打ったのはTwitterと呼ばれるSNSです。
この投稿は人から人に伝えられ、あっという間に2万人に広がりました。
その投稿を見た人が救助のため現場に向かい、現場からの情報は消防にも伝わります。投稿から1時間。
善意の民間人と消防の連携によりおじいさんは無事助け出されました。
www.deecorp.co.jp/columns/2542/
ツイッター
ネット情報の正確性や有用性はサイトによって大きく異る。
例えばツイッターなどデマが広がりやすいとよく言われるが、ローカルな情報を探すときの伝達の早さは他のメデイアと比べて際立っていた。
ガラケーよりもスマホ
災害直後は音声通話が通じにくくなるためガラケーは使えない可能性が高い。
過去の震災では、LINEやツイッター、Facebookなどが家族の安否や情報収集などに役立たっている。
ワンセグのあるアンドロイド機種、耐震、耐水がおすすめ。
ワンセグがなく耐ショック、耐水性のないiPhoneは災害時には不向き。
高齢者などでガラケーしか使えない場合は、格安SIMを利用した予備スマホを置いておくのも手。(ただし、使い慣れておいたほうがいいため予備的に置いておくのは推奨ではない)
早めに無事を知らせておく
震災時、スマホなどに届ける電波の基地局は非常電源に切り替わる。この非常電源は短いと数時間、長くても1~2日しか続かない。そのため停電が長引くと、スマホも使えなくなってしまう。
そのため停電が起きたら、家族や親戚、関係者などに早めに無事であることや、避難場所を伝えておいたほうが良い。
もう少し時間が経過すると、各携帯電話会社が臨時基地局を設置する。
基地局が再稼働しない場合、臨時基地局がどこに来るのか情報収集しておく。
予備バッテリー・充電環境の用意(重要)
アンケートで災害時の備えで絶対用意しておくべきだったもの
- モバイルバッテリー 84%
- 水 51%
- ランタン 47%
- 保存食 44%
一番に来そうな水や食料を抑えてモバイルバッテリーの需要が大きいことがわかる。[R]
わからないでもない、水や食料は通常3日経てば供給される、なくても健康な人ならまず死んだりすることはない。しかしモバイルバッテリーが政府から供給されることはなく、民間団体の支援も食料や水に傾きがちで、電気を供給するという人はあまりいない。
スマホ・タブレットは電源がなければ全く使えない。情報の有無が災害時には死活問題となることを考えると、スマホの充電対策に支援する側ももう少し力を入れてもいいようにも思う。
ひとまず現状はあまり他で期待できないので、モバイルバッテリーは複数あったほうが良いだろう。防災非常袋にもモバイルバッテリーの予備を用意しておく。
LEDランタンとバッテリーチャージャーが兼用となったものが、コンパクトにまとめられ便利が良いかもしれない。
オフグリッドの構築
スマホの設定
バッテリー節約モード
予備バッテリーや充電環境の確保ができていない場合は、バッテリーセーバー(低バッテリーモード)で運用する。
バッテリーセーバーの設定の仕方を理解しておく。
- 省電力・バッテリーセーバーモードに
- 画面の明るさを暗くする
- ロック解除の時間を短く
- 機内モード
- ブルートゥースをオフ
- アプリ通知をオフ
にすればバッテリーはかなり長持ちする。[R]
被災地での災害用Wi-Fi
「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」
無料で、パスワードなしで使えるWi-Fi
悪用を防ぐために自動接続は避けておいたほうが良いかもしれない。
アプリの設定
Yahoo防災、天気アプリなど
アプリを予めダウンロードしておく。
災害用伝言ダイヤル 171
NTT西日本
NTT東日本
www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171/
災害用伝言ダイヤル クイックマニュアル
www.ntt-west.co.jp/dengon/pdf/171manual.pdf
携帯電話会社の災害用伝言板
大災害発生時には、携帯電話各社のポータルサイトのトップメニューに「災害用伝言板」へのリンクが表示される。
登録された伝言は各社の携帯電話やパソコンなどで、電話番号をもとに検索することで閲覧することができる。
ラジオ
少ない消費バッテリーで得られる重要な情報源。
震災時は利用機器と情報源でラジオが大活躍–iSPPが初の大規模調査
東日本大震災発生時は即時性の高いラジオの評価が他のメディアと比較し高くなっており、AMラジオの評価が60.1%と最も高く、次いでFMラジオが続いている。[R]
ただしスマホのように必要な情報をとりにくことができないため、ラジオ独自の役割はまだあるものの、主要な情報ツールとしては時代遅れになりつつあるとの声もある。
ただし、例えば、東日本大震災における原発のメルトダウンの可能性についてはラジオがより踏み込んだ放送を行っていた。テレビは発信力の強さからパニックを引き起こすような内容についての放送は隠すか、曖昧なまま放送する傾向にある。
ネットはデマと真実が混じり合う玉石混合のため、結果として東日本大震災においてはラジオ放送がバランスの取れた情報ツールだったという見方もある。
主要な情報ツールはスマホと考えていいと思うが、特にデマと真実の見分けがむずかしい人にとってはラジオの役割はまだあるように思う。
A.省電力の小型ラジオ
もっとも重要な震災直後の一週間、聞くことができることを考えれば、(後で電池が入手できるとして)単3乾電池の単機能の小型ラジオが現実的かもしれない。
消費電力を節約することができるため、イヤホンジャックとイヤホンがついていると良い。
SONY(ICF-P26) 単3電池2本で駆動する時間はFMの場合、公称でヘッドホン使用で250時間、スピーカー使用で100時間[R]
オーム電機 RAD-H245N(グレー) AudioComm スタミナハンディラジオ
スピーカー使用時≫AM受信…約280時間、FM受信…約270時間
イヤホン使用時≫AM受信…約480時間、FM受信…約460時間
バッテリー駆動時間は最長だが、高齢者にはチューニングが難しいとのレビュー有り。
B.手回し多機能ラジオ
手回しラジオは重宝したという意見が多い。一方で避難所で夜間に回してうるさいという苦情があった話もある。
ワイドFMがついていること。USB充電ができると、緊急時にスマホも使うことができる。1分回して1分使用。
防災多機能ラジオ 1台5役 懐中電灯 生活防水 モバイルバッテリー USB充電 手回し充電 ソーラー充電 乾電池式
ソニー ICF-B99S C ワイドFM対応 FM/AMポータブルラジオ 手回し対応 (ICFB99SC)
ただし、スマホのバッテリー使用量は大きいため、まともには充電できないと考えておく。[R]
単3と単4の変換アダプター
単3乾電池は震災時需要が高いためすぐに売り切れる。単4はまだ売れ残っている可能性があるため、変換アダプターがあると、いざという時に入手して使うことができる。ダイソー等で販売されている。