DPA/ドコサペンタエン酸の神経保護・抗炎症作用

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DPA(ドコサペンタエン酸/Docosapentaenoic acid)

概要

細長いEPA

DPAはEPAおよびDHAと構造的に類似する。二重結合の数は同じだが、2つの炭素鎖ユニットがある「細長いEPA」。

オメガ3脂肪酸の多くの研究はエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)の3つだが、多くの研究はDHAとEPAに注がれており、DPAに関する文献は少ない。

世界の多くの政府機関もDHAとEPAの摂取を推奨しているが、DPAはほとんどの国で未推奨にある。DPAのガイドラインがあるのはオーストラリアとニュージーランドのみ、

アザラシ・母乳に多く含むDPA

最近DPAに関する研究も増加してきているが2つの理由があり、心臓血管疾患の発症率が非常に低いイヌイットがよく食べるアザラシ肉には、高濃度のDPAが含まれていること。そして母乳にも高濃度のDPAが含まれていることから関心が集まるようになってきた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4162505/

DPAの役割

エネルギー代謝よりも組織代謝に関わる脂肪酸

DPAはオレイン酸やEPAよりも酸化されにくく、エネルギーとして燃焼されにくい。DPAとし保存され組織や、生物学的な代謝へ直接的に関わる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22578196/

EPA・DHAの備蓄用

無作為化二重盲検 純粋なDPAと純粋なEPAの投与試験

DPAがヒトにおけるオメガ3脂肪酸の貯蔵用脂肪酸として機能している可能性。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22729967/

抗血小板凝集作用

DPAはシクロオキシゲナーゼ経路を妨害、リポキシゲナーゼ経路を促進し、EPAやDHAよりも強く血小板凝集を強力に阻害する活性作用を有する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11085354/

強力な抗炎症作用

DPAはEPAよりも強力なCOX-1阻害剤。

DPAの抗炎症作用はおそらく一般的に見過ごされている可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22586114/

疾患への効果

アテローム性動脈硬化症からの保護

症例対照研究 DPAのみがアテローム性動脈硬化症の発症リスクを低下させ保護作用を有する可能性。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8123654/

抗うつ

フルオキセチンとオメガ3脂肪酸の併用療法は、ラット海馬のDPAレベルを上昇させ、相加的な抗うつ効果を発揮する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25174836/

認知機能

DPAは精神衛生と認知機能に関連

ラットへのDPA投与は、神経回復効果をもたらし、ミクログリア細胞の活性化をダウンレギュレートする。おそらくは抗酸化能力からスフィンゴミエリナーぜおよび、カスパーゼ3の結合活性も低下させ、加齢による空間学習と長期増強の減少を軽減する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20570403/

統合失調症、双極性障害、大うつ病性障害の患者の脂肪酸組性の異常

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23731984/

DPAの代謝と合成

αリノレン酸からの合成

食事で摂取するαリノレン酸の21%がEPAに変換され、6%がDPAに変換され、9%がDHAに変換される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12323090/

DPAはEPAよりも素早く細胞リン脂質に取り込まれる。DHAの速度に近い。

※脂肪酸の構造は、オメガ3の吸収速度に影響される。

DPAは脂質合成転写因子 SREBP-1c(脂肪酸、トリグリセリド合成の制御に関わる)をダウンレギュレートし、脂肪酸、トリグリセリド合成を低下させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21807486/

DPAの代謝変換率低下要因

オメガ6

オメガ6はオメガ3と酵素の合成経路で競合し合うため、オメガ6脂肪酸の摂取が多いと変換率は40%低下する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10617969/

遺伝子変異

オメガ3脂肪酸に関連する遺伝子変異 FADS2(rs1535)はαリノレン酸のEPA代謝変換率を低下させる可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21829377/

アルコール消費

アルコール消費によって肝臓中のDPAレベルが低下する可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7762532/

DPAを含む食品(100gあたり)

  • 生鮭 393mg
  • 大西洋で捕獲されたサバ 200mg
  • ニシン、白身魚ニジマス 100~200mg
  • アザラシオイル 5.6%
  • オーストラリア産赤肉 オメガ3脂肪酸、DPAレベルが高い(米国産牛肉はDPAがわずかにしか含まれていない)
  • メンヘーデン油(メンヘーデンというニシン科の魚から得られる魚油)4.9%
  • 天然サーモン 3%
  • イワシ 2%
  • たら肝臓 0.9%
  • ニシン油 0.6%
  • 市販のDPAサプリメント 10%
  • 母乳にはDHAとほぼ同量のDPAを含む。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4467567/

 

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