クレアチン
概要
Lアルギニン、グリシン、メチオニンで構成されるアミノ酸ペプチド
牛肉1kgあたり約5gのクレアチンを含む。
細胞のエネルギー通貨であるATPを細胞がエネルギーとして使用すると、ADPが代謝されるがクレアチンはそのADPをATPに戻して、リサイクル使用することができる。
クレアチン補給は2g/日以上の補給で、血中の基準値を上回り上昇する。
認知症への作用機序
・クレアチンは、グルタミン酸塩からの興奮毒性を低下させることで神経保護作用をもつ。
・クレアチンはATPを維持することで、細胞内のカルシウムの有毒な蓄積を防ぐ。
・クレアチンはNMDA受容体のポリアミン結合部位をポジティブに調節し、グルタミン酸、Dアスパラギン酸などにより受容体へのアゴニスト作用を増加させることで、潜在的な認知機能強化メカニズムに影響を与える。
・クレアチンはGABA作動性ニューロンおよびDARPP-32(スピンニューロンのバイオマーカー)の密度を増加させ、細胞のGABA取り込み能力を増加させる。
・クレアチンは抗酸化能はもたない可能性が高い。
・クレアチンは、コリン作動性には影響を与えない。
・クレアチンは運動後のヒトのDNAの酸化的損傷を防ぐ。
研究
クレアチンは睡眠不足時の中強度の運動において前頭前皮質の広い領域を活性する限定的な効果をもつ。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17046034
クレアチンを筋力トレーニングと併用することで、血流の増加、エネルギー消費量の増加、総コレステロール値の減少が認められた。
クレアチンの単独摂取ではその変化は見られなかった。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11735088
ベジタリアンへのクレアチン補給が記憶力を改善、反応時間の変動性が低下した。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21118604
相互作用のある栄養因子
・COX2阻害剤との相加的な抗炎症作用
・αリポ酸 クレアチンレベルを増加させるのに効果的
・HMBとの併用は相補的、相乗作用はない。
・βアラニン摂取はクレアチン単独よりも多くの筋肉と少ない脂肪の体組性効果をもつ。
・炭水化物 クレアチンの貯蔵が枯渇した時にのみ、インスリンによる取り込み速度を高められる。
クレアチンの効果を得やすい人
・ベジタリアン、肉、魚の摂取量が少ない人、
・高齢者
・一部の知的障害者(クレアチン合成酵素(AGATまたはGAMT)の欠乏)
・筋トレ、HIITを行っている人
・睡眠不足の人
・低酸素、酸化的損傷がある。