
『Crack-Up Capitalism: Market Radicals and the Dream of a World Without Democracy』
『クラックアップ・キャピタリズム:市場急進派と民主主義なき世界の夢』クイン・スロボディアン(2023)
目次
- 序章:地図を粉砕せよ / Shatter the Map
第一部 島嶼 / Islands
- 第1章 二つ、三つ、多くの香港 / Two, Three, Many Hong Kongs
- 第2章 砕けた都市 / City in Shards
- 第3章 シンガポール・ソリューション / The Singapore Solution
第二部 部族 / Phyles
- 第4章 リバタリアン・バントゥースタン / Libertarian Bantustan
- 第5章 国家の見事な死 / The Wonderful Death of a State
- 第6章 新中世ごっこ / Cosplaying the New Middle Ages
- 第7章 あなただけのリヒテンシュタイン / Your Own Private Liechtenstein
第三部 フランチャイズ国家 / Franchise Nations
- 第8章 ソマリアにおける白人のビジネス・クラン / A White Man’s Business Clan in Somalia
- 第9章 ドバイの法的バブル・ドーム / The Legal Bubble-Domes of Dubai
- 第10章 シリコンバレーの植民地主義 / Silicon Valley Colonialism
- 第11章 メタバースのクラウド国家 / A Cloud Country in the Metaverse
- 結論:水になれ / Be Water
本書の概要
短い解説:
本書は、民主主義を迂回し、国家の断片化と租税回避地・特別経済区の創出を通じて、資本主義を民主主義の制約から「解放」しようとする市場急進派の運動を歴史的に追跡する。現代世界が「ゾーン」と呼ばれる法域のパッチワークへと変貌を遂げた過程を描き出す。
著者について:
クイン・スロボディアンはウェルズリー大学の思想史教授。前著『グローバリスト:帝国の終焉とネオリベラリズムの誕生』は複数の言語に翻訳され、『ガーディアン』『ニューヨーク・タイムズ』『フォーリン・ポリシー』などに頻繁に寄稿している。
テーマ解説:
- ゾーン化する世界:国家は均質な法域ではなく、特別経済区、租税回避地、自由港などの「ゾーン」によって穿孔された存在である。これらのゾーンは民主的な統治から資本を隔離する。
- 資本主義vs民主主義:市場急進派は、民主主義が資本主義の効率性を損なうと見なし、香港やシンガポールのような「民主主義なき資本主義」を理想化する。
- 出口としての分離:国家からの「出口」(exit)——富裕層の国外移住、暗号通貨、ゲーテッド・コミュニティ——を促進することで、市場急進派は社会契約そのものを解体しようとする。
キーワード解説:
- ゾーン(Zone):国家から切り出され、通常の規制や課税が免除された法的飛び地。特別経済区、輸出加工区、自由港、租税回避地などを含む。
- クラックアップ・キャピタリズム(Crack-up Capitalism):国家の断片化を加速し、民主主義を回避して資本の自由を最大化しようとするイデオロギーと実践。
- マイクロ・オーダリング(Micro-ordering):大規模な政治変革ではなく、小規模な代替政治体制の実験を通じて徐々に社会を変革する戦略。
- ソフト・セセッション(Soft Secession):国家からの完全な独立ではなく、ゲーテッド・コミュニティへの移住、ホームスクーリング、暗号通貨への資産移動などによる段階的な「退出」。
- アナーコ・キャピタリズム(Anarcho-capitalism):国家の完全な廃止と、すべてのサービス(警察、裁判所、インフラ)の民営化を目指す急進的自由主義。
要点要約
本書は、1970年代から現在に至るまで、市場急進派がいかにして民主主義を迂回し、国家の権限を縮小するための「ゾーン」を創出してきたかを歴史的に描き出す。スロボディアンは、現代のグローバル資本主義を国家の「穿孔」として理解する——国家の領土には無数の法的飛び地が穿たれており、そこでは通常の民主的統治が停止されている。
著者はこの現象を「クラックアップ・キャピタリズム」と呼ぶ。これは市場急進派が国家の崩壊を加速し、そこから利益を得ようとする運動であり、単なる経済現象ではなく、明確なイデオロギーである。ピーター・ティールが「自由と民主主義は両立しない」と宣言し、世界を千の国家に分割することを夢見たのはその典型である。
第一部では、香港が市場急進派にとっての理想郷として機能した経緯を描く。ミルトン・フリードマンは植民地支配と民主主義の欠如にもかかわらず、香港を「経済的自由」の模範と称賛した。この「ポータブル・香港」のモデルは、ロンドンのドックランズ再開発やシンガポールの経済成長戦略に影響を与えた。
第二部では、ゾーン戦略が南アフリカのアパルトヘイト体制からアメリカ南部のネオ・コンフェデレート運動に至るまで、いかに人種的分離と結びついてきたかを明らかにする。リバタリアンたちはバントゥースタン(人種的ホームランド)を「経済的自由」の実験場と見なし、ゲーテッド・コミュニティを将来の政治形態のモデルとして称賛した。
第三部では、ゾーン戦略がソマリアの「無国家状態」からドバイの特殊経済圏、ホンジュラスのチャーター・シティ構想、そしてメタバースにおける「クラウド国家」へと展開する過程を追う。市場急進派は、国家の崩壊を資本主義の勝利と見なし、新たな「フランチャイズ国家」の創出を夢見る。
結論部では、ゾーン戦略が実際には国家からの解放ではなく、国家資本主義の強化に寄与していることを指摘する。中国の一帯一路構想やサウジアラビアのNEOM計画は、ゾーンを国家の支配手段として活用している。著者は、香港の民主化運動が「水になれ」というスローガンのもとで抵抗を続けたように、ゾーン化の流れに対する対抗運動の可能性を示唆する。
各章の要約
序章:地図を粉砕せよ
ピーター・ティールが2009年に提起した「千の国家」という思考実験から始まる。ティールは自由と民主主義は両立せず、リバタリアンの課題は「政治からの逃避」であると主張した。しかしスロボディアンは、ティールが夢想する未来はすでに現実として存在する——世界には5400以上の「ゾーン」がある。ゾーンとは国家から切り出された法的飛び地であり、課税や規制が免除される。「穿孔」の比喩を用いて、著者は資本主義が国家の領土に穴を開けてきた過程を描く。この序章は、本書全体の中心テーゼ——クラックアップ・キャピタリズムは世界の働き方であると同時に、特定の人々が世界を変え続けようとする意図的なイデオロギーである——を提示する。著者は、出口(exit)と発言(voice)の二分法を用いて、富裕層がいかにして社会から退出するかを論じる。
第一部 島嶼
第1章 二つ、三つ、多くの香港
1978年、ミルトン・フリードマンは香港を「経済的自由」の理想郷として称賛した。実際の香港は、植民地支配と民主主義の欠如のもとで発展した「行政的絶対主義」のモデルであった。モン・ペルラン協会の会合で、フリードマンらネオリベラルたちは香港を「実験室」と見なし、そのモデルを「ポータブル・香港」として持ち帰った。香港は自由市場の成功を示すと同時に、民主主義が経済成長の必要条件ではないことを証明した。中国は1979年に深圳を最初の特別経済区とし、香港のモデルを大陸に導入した。この章は香港を手本とする「ゾーン熱」が中国全土に広がり、国家の「ゾーン化」をもたらした過程を描く。同時に、香港の成功が実際には少数の財閥による経済支配と密接な政商関係に依存していたことを指摘する。
第2章 砕けた都市
1980年代のロンドン、サッチャー政権は「企業ゾーン」を創設し、ドックランズ地区を再開発した。キャナリー・ワーフは香港の金融街を模して建設され、「テムズ川の香港」と呼ばれた。この章は、企業ゾーンが実際には「非計画」ではなく、開発業者に直接権限を委譲する独自の計画であったことを示す。グレーター・ロンドン・カウンシル(GLC)の社会主義的都市計画はサッチャーによって廃止され、代わりにグローバル金融資本のための「着陸帯」が創出された。21世紀に入ると、ロンドンは世界の富裕層のための「安全な預金箱」となり、住宅は投機資産と化した。グレンフェル・タワー火災は規制緩和の悲惨な結果を示す。この章は、ゾーン戦略が社会主義への「短剣」ではなく、公共資産の私有化と富裕層への富の移転のための「一方通行のコンベアベルト」であったと結論づける。
第3章 シンガポール・ソリューション
香港とは異なり、シンガポールは完全な国家主権を持ちながら、「民主主義なき資本主義」のモデルとして機能した。リー・クアンユーの指導下で、シンガポールは「市場の見えざる手」ではなく「国家介入の長い腕」によって成功した。外国労働者の大量導入、公共住宅の大規模供給、そして「アジア的価値観」のイデオロギーが組み合わさった。この章はシンガポールが中国の改革開放政策における主要なモデルとなり、蘇州工業団地などの「ミニ・シンガポール」が中国全土に出現した過程を描く。EU離脱後のイギリスでは、「テムズ川のシンガポール」というビジョンがブレグジット支持者の間で人気を博した。しかし著者は、シンガポール・ソリューションが実際には積極的な国家計画の成果であり、単なる規制緩和ではないと指摘する。シンガポールの成功は、低賃金の移民労働者の「予備軍」に依存しており、気候変動や高齢化といった問題からも逃れられない。
第二部 部族
第4章 リバタリアン・バントゥースタン
アパルトヘイト末期の南アフリカで、リバタリアンたちは黒人ホームランド(バントゥースタン)を「経済的自由」の実験場と見なした。シスケイでは、輸出加工区が創設され、台湾や香港の投資家が低賃金労働を求めて進出した。この章は、レオン・ルーらの市場急進派がいかにしてアパルトヘイト体制と共犯関係にあったかを明らかにする。彼らは「自由市場」を称賛しながらも、実際には南アフリカ政府からの補助金と警察国家の暴力に依存していた。ルーとケンダルは『南アフリカ:解決策』において、スイス型のカントン分割を提案し、人種的自発的分離を促進する「分離の自由」を主張した。このビジョンは後にオラニアのような白人アフリカーナー・アンクラーヴで部分的に実現された。この章は、リバタリアン・バントゥースタンが民主的な反アパルトヘイト運動の弾圧に加担し、実際には「トロイの木馬」ではなくアパルトヘイト国家の戦略の一部であったと結論づける。
第5章 国家の見事な死
冷戦終結後、市場急進派は国家の崩壊を資本主義の勝利と見なした。マレー・ロスバードはソ連の崩壊を「国家の死」と称賛し、分離主義運動を加速させるべきだと主張した。この章は、ロスバードとルー・ロックウェル・ジュニアが主導した「ペイリオ・リバタリアニズム」が、人種的分離主義と急進的資本主義を結びつけた過程を描く。ロスバードは「金持ちの反乱」を夢見、すべての国家サービスを民営化するアナーコ・キャピタリズムを提唱した。彼らは南部連合の復活を支持し、人種的ホモジニティを政治組織の基盤として主張した。ハンス=ヘルマン・ホッペは『民主主義:失敗した神』において、普遍的選挙権を「近代の原罪」とし、自然エリートによる封建的支配を称賛した。この章は、ペイリオ・リバタリアンのビジョンが実際にはゲーテッド・コミュニティや人種的隔離の現実にすでに実現されていることを示す。
第6章 新中世ごっこ
市場急進派は、中世の断片化した政治体制を未来のモデルとして理想化した。デイヴィッド・フリードマン(ミルトンの息子)は中世アイスランドを「アナーコ・キャピタリズムの文明」と称賛し、私的司法と復讐権の市場化を提案した。ブルース・ベンソンは『法の企業』において、アングロ・サクソン時代の「私的法執行」を復活させるべきだと主張した。この章は、これらの理論がいかにゲーテッド・コミュニティやホームオーナー協会(HOA)の現実と結びついているかを示す。ゴードン・タロックはアリゾナのゲーテッド・コミュニティを「社会学連邦主義」のモデルとし、人種的ホモジニティが政治秩序の基盤であると主張した。しかし実際には、HOAは住民の自由を拡大するのではなく、厳格な規則と均質性を強制する「私的政府」であることが多い。著者は、アナーコ・キャピタリストが夢想する「選択による法律」は幻想であり、実際には会社町のような父権的支配を復活させる可能性が高いと指摘する。
第7章 あなただけのリヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン公国は、タックスヘイブンとしての成功と、ハンス=アダム二世公の急進的リバタリアン思想によって、市場急進派の間で模範とされた。この章は、リヒテンシュタインが1920年代から外資系企業のための「法律上の黒箱」として機能してきた歴史をたどる。同国は匿名口座、低税率、そして「アンシュタルト」(財産隠蔽のための法人形態)を提供した。ハンス=アダム公は国連演説で「国家は永遠ではない」と宣言し、国民投票による分離の権利を憲法に盛り込んだ。彼は国家を「サービス提供者」と見なし、市民を「顧客」として扱うモデルを提唱した。この章は、リヒテンシュタインのモデルがEU統合に対する批判の源泉となり、ブレグジット支持者にインスピレーションを与えたことを示す。同時に、OECDやG8によるタックスヘイブン規制の強化が、リヒテンシュタインを「被害者」として位置づけ、市場急進派の間でその魅力を高めた過程を描く。
第三部 フランチャイズ国家
第8章 ソマリアにおける白人のビジネス・クラン
1991年のソマリア国家崩壊後、市場急進派はこの「無国家状態」をアナーコ・キャピタリズムの実験場と見なした。オランダ人リバタリアンのミヒャエル・ファン・ノッテンは、ソマリアの伝統的慣習法(クセール)を「統治者なき法秩序」と称賛し、外国人が「ビジネス・クラン」を形成して領土をリースする構想を提案した。この章は、ファン・ノッテンとスペンサー・ヒース・マッカラムが「自由港クラン」や「フリードニア」のような幻想国家を創出しようとした試みを追跡する。しかし実際には、ソマリアで最も成功した地域は、民主的選挙を実施し政府を再建したソマリランドであった。この章は、リバタリアンがソマリアの「無政府状態の奇跡」を誇張した一方で、この成功が実際にはディアスポラからの送金やドバイとの経済的結びつきに依存していたことを明らかにする。ソマリアは「国家なき経済」の実験場ではなく、むしろドバイの影響下にあるゾーン経済の典型であった。
第9章 ドバイの法的バブル・ドーム
ドバイは21世紀初頭の「ゾーン熱」の最高峰であり、民主主義を欠いたまま驚異的な経済成長を達成した。この章は、ドバイがいかにジェベル・アリ自由地区を出発点として、無数の特殊経済圏を創出し、それぞれに異なる法体系を適用する「パッチワーク都市」へと変貌したかを描く。ドバイは「民主主義なしで法がある」モデルとして、カーティス・ヤーヴィン(メンシウス・モルドバグ)のようなネオ・リアクショナリーたちに称賛された。この章はドバイが、シンガポールや香港と同様に、外国人労働者の搾取に依存していることを指摘する。同時に、ドバイがDP Worldを通じて海外の港湾を買収し、自らのゾーンモデルを「フランチャイズ」として輸出する過程を追跡する。ドバイの成功は、グローバル資本主義の理想像として機能したが、2008年の金融危機でその脆弱性が露呈した。著者は、ドバイが実際には「会社」として運営されているわけではなく、伝統的な君主制と市民権の階層構造に依存していると指摘する。
第10章 シリコンバレーの植民地主義
スタンフォード大学教授ポール・ロマーは「チャーター・シティ」構想を提唱し、貧困国が領土の一部を先進国に管理委託することで、香港型の経済成長を達成できると主張した。この章は、この構想がホンジュラスで「RED」(特別開発地域)として法制化され、後に「ZEDE」(雇用・経済開発ゾーン)として実装された過程を描く。ロマーの構想は、シリコンバレーの投資家たち(パトリ・フリードマン、エリック・ブリメンなど)の間で熱狂的に受け入れられ、彼らはホンジュラス沖のロアタン島に「プロスペラ」というプライベート・シティを創設した。この章は、これらのゾーンが「民主主義なしの資本主義」の実験場であり、国際貿易法を盾にホンジュラス政府の規制から保護されていることを示す。しかし、ホンジュラス国民の強い反対と2021年の新政権発足により、ZEDEは廃止の危機に直面している。著者は、チャーター・シティ構想が本質的に「植民地主義」であり、国内の民主的統治を迂回する「メタルール」であると批判する。
第11章 メタバースのクラウド国家
1990年代以降、リバタリアンたちはインターネットを国家からの逃避のための新たなフロンティアと見なしてきた。この章は、ジェームズ・デイヴィッドソンとウィリアム・リース=モッグの『主権的個人』(1997年)がシリコンバレーのリバタリアン思想に与えた影響を描く。彼らはマイクロチップが「国家を破壊する」と予言し、暗号通貨が福祉国家を飢えさせる「サイバーキャッシュ」となると主張した。バラジ・スリニヴァサンはこの思想を発展させ、「クラウド国家」構想を提唱した——オンライン・コミュニティが物理的領土を獲得するというビジョンである。この章は、ビットコインやブロックチェーン技術が「信頼に代わる技術」として、国家の法的独占を回避する手段と見なされた過程を描く。しかし著者は、クラウド国家構想が資源問題(暗号通貨のエネルギー消費)や先住民の土地権利を無視していると批判する。また、メタバースは「逃避」ではなく、むしろ企業による監視と搾取のための新たな空間であると指摘する。
結論:水になれ
結論部では、ゾーン戦略が実際には国家からの解放ではなく、国家権力の強化に寄与していることを論じる。中国の一帯一路構想は、香港やシンガポールのモデルをグローバルに展開し、ジブチやスリランカにゾーンを創出している。サウジアラビアのNEOM計画は、投資家によって統治される「最初の資本主義都市」として宣伝されている。イギリスのブレグジット後の自由港構想も同様に、ゾーン戦略の延長線上にある。著者は、「ゾーンは国家からの解放ではなく、国家の道具である」と結論づける。また、気候変動がゾーン戦略に新たな文脈を与えている——富裕層は「ライフボート」としてのゾーンを求め、貧困層は「犠牲ゾーン」に追いやられる。最後に、香港の民主化運動が「水になれ」というスローガンのもとで抵抗を続けたように、ゾーン化の流れに対抗する運動の可能性を示唆する。著者は、ゾーンには常に「住民」が存在し、「白紙」は存在しないと強調する。
想定読者・前提知識・読みどころ
- 想定読者:現代資本主義の政治経済学に関心を持つ読者。特に、ネオリベラリズムの歴史、グローバル化の地政学、自由主義思想の急進的展開について理解を深めたい読者。
- 前提知識:基本的な経済学用語(租税回避地、特別経済区など)と20世紀の政治史(冷戦、ポストコロニアル、ネオリベラリズムの台頭)に関する予備知識があると理解が深まる。専門的な経済学知識は不要。
- 分量・難易度:約400ページ。学術的だが一般読者向けに書かれており、難易度は中程度。歴史的事例が豊富で、物語性のある記述が多い。
- 読みどころ:
- 本書の核心的論証は序章と結論に集約されているため、まずこれらを読むことで全体の見取り図を得られる。
- 香港とシンガポールに関する第1章と第3章は、ゾーン戦略の「理想型」を示しており、本書の基礎的理解に不可欠。
- 南アフリカとアメリカ南部に関する第4章と第5章は、リバタリアニズムと人種主義の結びつきを示す重要な事例。
- ドバイとホンジュラスに関する第9章と第10章は、ゾーン戦略の現代的展開を理解するのに適している。
- 各章は独立して読めるように構成されているが、全体を通して読むことで「クラックアップ・キャピタリズム」の歴史的・地理的全貌が把握できる。
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