Contents
日本で重症者・死亡者はなぜ少ない?
日本でコロナ感染・致死率が低い理由(仮説)
生物学的要因
- BCGワクチン仮説
- 弱毒化したウイルス(pre-S型?)を早い時期に曝露し、集団免疫化されていた。
- 以前のSARS感染によってアジア全体が免疫化されていた。[R]
- HCoV-OC43、HCoV-HKU1、HCoV-NL63、HCoV-229Eなどの「感冒」コロナウイルス曝露による記憶T細胞の応答
- 細胞膜ACE2ではなく循環ACE2が少ない、または多い。
- COVID-19の高リスク群である肥満者が欧米と比べ少ない。[R]
- その他のウイルス感染による妨害「疫学的干渉効果」[R][R]
- 解熱鎮痛薬の使用率の差?
- 胃酸pHの差?
- ウイルス感染の曝露量が重症化率に寄与していた可能性
遺伝的要因(未調査)
- ACE2遺伝子
- まれなG6PD変異
- MHC対立遺伝子の民族性による自然免疫応答の違い。
- SARS-Cov2、RBDの遺伝的変異[R]
- 黒人と比較して少ないメラニン-樹状細胞仮説
- HLA
- TMPRSS2
- TLR1
- TLR2
- TLR9
- IL1RN
- IFN-γ
- TNFα
- CCL5
- IL-10
- SFTPB
社会整備
- CTスキャンの普及によりPCR検査しなくても感染者を特定
- ECMOの設置と使用経験
- 糞便-経口経路 公衆トイレや下水道の衛生管理がなされてる。
- 公衆衛生水準の高さ
- 糞便-経口経路 紙おむつの普及率が高い
- 海外都市と比べ、大気汚染リスクが相対的に低い。
- 大気汚染粒子のサイズの違いの影響
- 大気汚染中のNOxが少ない。
政策的影響
- クラスター対策が功を奏した
- 3密政策が効果的であった
- LINEのアンケート協力
- 検査を積極的に行わないために感染者数の実態が隠れている
- 検査を行わなかったために、不顕性感染が広がり結果的に集団免疫化した。
- 初期に入国者の制限を行わなかったために、結果的に弱毒化したコロナ株で集団免疫ができていた。
- 実は日本の致死率はそれほど低いわけではない。(アジアの国々との比較では悪い)
- 高齢者の効果的な隔離[R]
- 学校閉鎖[R]
日本食・ダイエット
- ACE2の保護作用 味噌などのACE阻害作用をもつ食生活
- 納豆効果(血栓低下、ACE阻害、枯草菌、セレン、ビタミンK、銅)
- 発酵食品摂取など腸内微生物叢による高い免疫力
- お酢の利用(酢酸の抗ウイルス作用)
- 抗ウイルス作用のある海産物消費[R][R]
- 高齢者での緑茶(EGCG)を飲む習慣
- ナリンゲニンなどの保護成分を含む柑橘類(みかん)の冬の消費
- リチウム欠乏が少ない。
- ケトンダイエッターが相対的に少ない。(ウイルス感染初期のケトーシスリスク)
- 欧米で見られる過度の糖質消費がない。
- 日本の土壌ではセレン不足が少ない。
- 日本ではリチウム不足が少ない。
- 牡蠣に含まれる亜鉛
- 欧米圏よりもカレーの食習慣がある(ウコン成分)
生活習慣・文化的理由
- お風呂習慣による初期の自然免疫活性仮説
- 室内で靴を脱ぐ習慣[R]
- 日本住宅の換気の良さ
- 素手で食べることがめったにない。
- 性行為の少なさ[R]
- 同調圧力の強さ、一気に行動変容を行う国民性
- 宗教的集会が少ない。
- 挨拶で握手、ハグをしないなどスキンシップ、接触度が低い社会習慣
- 引きこもり、核家族など孤立的な生活スタイル
- 大麻、CBDユーザーが少ない[R]
- 日本語発音上の特性(有気音が少ない)[R]
清潔週間
- マスクの着用が一般的
- 手洗い、うがい習慣。清潔習慣
- 素手で物を食べることがほとんどない
- 糞便-経口経路 シャワートイレの普及により便に触れる確率の低下。
www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/1040841X.2020.1739001
COVID-19拡散を抑制するための日本の戦術
第一波の死者数を抑制できた考えられる要因
- COVID-19が法律で「指定感染症」に指定されたこと
- 保健所による完全接触調査
- 初期のガイドラインに基づく不必要なPCRスクリーニング検査の回避
- 渡航制限
- 真に感染した患者のデータを用いた正確な拡散予測
- クラスターターゲットによる拡散抑制
- 日常行動のスローガン
- 人の移動制限の目標設定
- 日本人の特性
- 衛生への認識
www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0033350620303073
致死率
死亡率の謎
COVID-19の死亡率の推定値は、1000人に1人という低さから、30人に1人という高さまで、まだ大きく変化している。
英国では、4月5日現在、確認された4万7806人のうち4934人が死亡している。イタリアでは12%、ドイツではわずか1%である。
この数字は、感染者のうち何人が死亡するかを示すものではなく、感染致死率と呼ばれる。
確定した症例数に数えられている者の一部がまだ回復しておらず、なお死亡する可能性があるという事実を、粗症例致死率は考慮していない。
例えば、韓国では3月初旬の粗死亡率はわずか0.6%であった。それが1.7%まで上昇している。確定された症例(死亡または回復した症例)からの韓国の致死率は2.9%である。
インペリアルカレッジロンドンのニールファーガソンと彼のチームは、武漢から避難した人々が陽性反応を示した人数に基づいて、中国での行方不明者の数を推定した。彼らは、中国での感染による死亡率は0.66%であると結論付けた。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7194698/