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生物毒素によるCIRS発症機序
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ステージ1 生物毒性
生物毒素に人が曝露すると、通常は免疫システムによって抗原認識され、肝臓で解毒され血中から取り除かれる。
しかし、HLA-DRハプロタイプの変異体を持っていると、生物毒素を抗原として同定することが難しくなる。生物毒素は身体によって認識されないため、いつまでも体内を循環する。
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生物毒素は、体内のあらゆる細胞の表面受容体(Toll受容体など)に結合する。この結合によって、サイトカイン、補体の分裂による生成物、TGF-β1産生、複数の炎症経路の継続的なアップレギュレーションを引きおこす。
生物毒素はまた、神経細胞機能にも直接影響をおよぼすため、視覚コントラストが低下する。
ステージ2 サイトカインへの影響
サイトカインは受容体に結合し、血液中のMMP9放出を引きおこす。放出されたサイトカインは脳内でレプチン受容体と結合し、視床下部の機能低下を引きおこす。
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阻害されたレプチン受容体は、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)を産生しなくなる。
毒素によって上昇したサイトカインは、頭痛、筋肉痛、不規則な体温、集中力の低下など、多くの異なる症状を引きおこす可能性がある。これらはMSH低下による影響である。
MSH = melanocyte stimulating hormone(メラニン細胞刺激ホルモン)
ステージ3 VEGFが減少
サイトカインの上昇が毛細血管において、白血球を引きつけ、血流が制限され、組織中の酸素が低下する。(capillary hypoperfusion 毛細血管の血流低下)
VEGFの減少により、疲労、筋肉痙攣、息切れを招く。
ステージ4 免疫システムへの影響
免疫作用と関係する特定のHLA遺伝子をもつ患者は、グリアジン(グルテン感受性)、アクチン、アンカ(潰瘍性大腸炎の可能性)、カルジオリピン(血液凝固に影響を及ぼす)などへの免疫応答を引き起こし、疾患を発症する可能性がある。
最悪の被害は、補体系が慢性的に活性化され、高レベルのC4aを生じることにある。
ステージ5 低MSH
MSH産生が減少すると、メラトニン産生も減少し、睡眠障害を引きおこす。
エンドルフィン産生も抑制され、慢性的な痛みや、一般的ではない痛みを引きおこす。
ステージ6 抗生物質耐性菌
MSHの減少によって、粘膜上のバイオフィルムに耐性のあるMARCoNS(複数抗生物質耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)の繁殖が可能になる。
これらの細菌によってもMSHが低下するため、悪循環が続くことになる。
ステージ7 下垂体ホルモンへの影響
減少したMSHは、喉の渇き、頻尿、神経媒介性低血圧、低血液量、ADH(バソプレッシン)の下垂体産生の減少(静電気ショックにつながる)を起こすことがある。
性ホルモン産生はダウンレギュレートされるが、下垂体は、初期段階でコルチゾール、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)産生をアップレギュレートし、その後、異常に低い数値に低下したり、正常範囲であっても低い範囲にとどまる。
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