アルツハイマー病 変性脳部位の進行過程

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アルツハイマー症状脳機能認知症の進行

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アルツハイマー病 脳の進行過程・進行予想

 

The problem of neurology is to understand man himself.

Wilder Penfield

神経学の問題は、その人自身が理解可能になってしまうことにある。

脳神外科医 ワイルダー・ペンフィールド

 

アルツハイマー病で脳部位萎縮、血流低下が見られる順序

アルツハイマー病 最初の変性部位

内皮質・青斑核・マイネルト基底核

「アルツハイマー病のニューロン損失はどこから始まるのか?」

嗅内皮質・青斑核・マイネルト基底核から神経細胞の損失が始まる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4359478/

サブタイプによって異なる原発部位

この三つは、わかっている範囲ではほぼ同等で、研究や重症度、発症年齢によっても細胞が喪失するタイミングの違いがある。

原発部位の違いは、アルツハイマー病のサブタイプによって違うのではないか、とも示唆されている。

www.alzforum.org/news/research-news/are-cholinergic-neurons-patient-zero-alzheimers-disease

マイネルト基底核の変性が嗅内皮質の縮小と強く相関、逆は成り立たなかった。

つまりこの論文に基づくと マイネルト基底核 → 嗅内皮質 の順で進行していくことを強く示唆する。

 

actaneurocomms.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40478-015-0187-1

アルツハイマー病 発症前(SCI~MCI)

マイネルト基底核 / Nucleus basalis of Meynert (nbM)

物体認識の記憶に関わり新皮質へ広く投射する

「Nucleus basalis」の画像検索結果

www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnins.2018.00360/full

NFTの蓄積

アルツハイマー病では神経原線維変化の蓄積と細胞喪失を伴う。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9733161/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4366544/

青斑核/Locus coeruleus (LC)

青斑核は神経炎症を抑制するノルアドレリンを分泌。

青斑核の特徴は、広く広範囲におよぶノルアドレナリン作動性の遠心性神経であること。

この長い投射のために脆弱性を抱えており、その脳の組織的な位置から細胞ストレスを受けやすい。

「青斑核」の画像検索結果

tandtresearchinc.blog.fc2.com/blog-entry-112.html?sp

リン酸化タウの蓄積

アルツハイマー病のごく初期においてリン酸化タウは青斑核に蓄積し、標的領域のノルアドレナリン放出に影響を与え、微妙ではあるが機能的変化を引き起こす可能性がある。

www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnana.2017.00080/full

タウ凝集体のプリオン伝播

タウ凝集体はシナプスを超えて、LC軸索から皮質ニューロンへ、そしてある皮質領域から皮質領域へと移動し戻っていく可能性がある。

science.sciencemag.org/content/349/6248/1255555.long

www.sciencedirect.com/science/article/pii/0006899386916070

強い酸化ストレス

AD患者MCI患者のLCニューロンにおいてNrf1のダウンレギュレーション

NRF1(ミトコンドリア整合性、カルシウム恒常性、シトクロムオキシターゼ、酸化還元反応恒常性の調整)

認知障害からアルツハイマー病への移行期に青斑核で強い酸化ストレスがあることを示唆する。

actaneurocomms.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40478-017-0411-2

 

内嗅皮質 Entorhinal cortex (EC)

海馬と新皮質のゲートウェイ、空間ナビゲーションに重要

新しい記憶の形成および記憶の検索において海馬と相互作用し重要な役割を果たす。

海馬の「コンパレータ」機能を担う。

「嗅内皮質」の画像検索結果

diamond.jp/articles/-/197146?page=2

内嗅皮質の変性、特にⅡ層およびⅢ層のニューロンが失われた場合、海馬ニューロンの空間的位置を特定する能力が大きく損なわれると予測される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3836904/

嗅内皮質の低いBDNF

アルツハイマー病患者の歯状回ではNGFレベルは高かったが、嗅内皮質におけるBDNFレベルは対照レベルより低かった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9116211/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22654716/

内嗅皮質の脆弱性
内嗅皮質はアルツハイマー病以外の疾患に対しても脆弱

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10911878/

老齢ラット嗅内皮質のリーリン減少

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20538740/

RAGE炎症性シグナル活性化による内嗅皮質の機能不全

www.nature.com/articles/srep42370

アルツハイマー 軽度認知障害(MCI)

内側側頭葉 / Medial temporal lobe (MTL)

意味記憶、エピソード記憶などの長期記憶化に関与

内側側頭部の一般的な萎縮率は1% アルツハイマー病では5%

内側側頭部の中でも、海馬傍回の最前部である嗅内皮質の神経細胞脱落が起こり萎縮する

嗅内皮質

海馬 短期記憶

扁桃体 感情、主に不安や恐怖の検出

アルツハイマー病発症 初期

後部帯状回

→ 楔前部 エピソード情報の想起

頭頂連合野 

動作イメージ、空間認知

上頭頂小葉  体性感覚と視覚情報の統合

  ↓

下頭頂小葉 感覚情報の統合、概念形成、抽象イメージ

バイリンガルは左側下頭頂小葉の容量が大きいと言われている。

中側頭回 距離認知、顔認知、読み課題の単語認知

下側頭葉 視覚処理の最終段階

 ↓

側頭連合野

視覚・聴覚、他の連合野との情報交換、記憶の貯蔵庫

前頭連合野 

複雑な行動計画の組立と実行

 

アルツハイマー病 中期

側頭葉内側部、側頭葉新皮質、後部帯状回 での萎縮がさらに進行

下頭頂葉皮質の萎縮 inferior parietal lobule (IPL)

Gray726 inferior parietal lobule.png

ja.wikipedia.org/wiki/下頭頂小葉

静止している対象物を注視する際にニューロンが活発になる。

デフォルトモードネットワーク

下頭頂小葉領域は、アルツハイマー病患者においてデフォルトモードネットワークの後部と強い結合性を示す。これは下頭頂小葉領域の機能的切断と補償応答がアルツハイマー病で成立しているのかもしれない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24292325

MCI進行初期に始まる

下頭頂小葉の厚みの変化はMCIの進行初期に起きており、神経心理学的検査と関連

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20570398

下頭頂小葉の灰白質の減少は健忘性軽度認知障害の見当識障害(場所、時間、人がわからなくなる)と関連

www.frontiersin.org/articles/10.3389/fneur.2018.01086/full

両側前部帯状回の萎縮/anterior cingulate gyrus(ACG)

Gray727 anterior cingulate cortex.png

ja.wikipedia.org/wiki/前帯状皮質

血圧や心拍数の他、報酬予測、意識決定、共感、情動などの認知機能

女性では短い情動的なビデオを見ている時に前帯状皮質が活性化される。(情動的な気づき)

うつ病

全部帯状回のグリア機能不全がアルツハイマー病患者のうつ病と関連することを示唆する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4667526/

アルツハイマー病 後期

側頭葉内側部、側頭葉新皮質、帯状回、下頭頂葉皮質での萎縮がさらに進行

前頭葉の萎縮

 

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