認知症患者の脳血流は破綻しているのか

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36の発症因子4型 血管性

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脳血流と脳血管(認知症・アルツハイマー)

脳血流の改善は、アルツハイマー病予防または治療するための効果的なアプローチである可能性がある。

ロバート・ヴァッサー

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リコード法36の因子のうちのひとつ、認知症、アルツハイマー病と関連して脳血流と脳血管について調べみた。

脳血流の自律調節

脳独自の自律調節

脳の血流量は脳の自律調節により制御されている。この自律調節のメカニズムは実はまだよくわかっていないが、通常の血圧とは独立している。(影響はある)

脳血流の圧力が増大すると、自律調整機能により血管が収縮し、圧力が弱まると血管が拡張される。血管平滑筋の収縮による圧力の範囲を下回る自律調節は、低酸素と関連する代謝因子の放出を伴う。

自律調節の破綻

正常血圧の成人の脳血圧は、60~160mmHgの範囲で自律調節されている。この範囲を超えると自律調節不能となり、血流が体内の血圧(平均動脈圧)と直線的につながってしまう。

高血圧の高齢者は自律調節が破綻してしまっており、平均動脈圧がそのまま脳血流に反映される。

脳血圧が閾値をきると脳血流が急増して補う

脳血圧は50mmHgまでは変化しないが、下限域を下回ると脳血流が酸素を得ようと休息時の4倍まで!上昇する。また血液からの酸素抽出も増加する。

脳血流による酸素抽出能力も超えてしまうと、脳梗塞などの脳損傷につながっていく。

「blood brain flow auto-regulation」の画像検索結果

clinicalgate.com/factors-affecting-cerebral-blood-flow/

この自動調節の下限域50~60mgは、一酸化窒素により変動したりもするらしい。

 

酸素量に応じる脳血流量

酸素に敏感に反応して脳血流は変動する

ヒトの脳は他の臓器と比べ酸素を非常に多く必要と(約3倍)するため、酸素が低下すると、血流循環量は強力に増大する。逆に酸素が過剰に流入してると血流量は急速に下がる。(自律調節が正常に働いている場合)

 

そのため極端なことを言えば、血流量を増やしたいだけなら息を止めれば、酸素不足に陥り脳が酸素を取り入れようとするため、ホメオスタシス作用によって血流量は増えてくれる。

二酸化炭素による脳血流増大

二酸化炭素の吸入も酸素の低下とむすびつくため、脳血流は強力に増加する。

5%CO2吸入で脳血流が50%増加、7%吸入により100%増加する。

炭酸飲料を飲んでも胃でCO2が血中に吸収され、脳血流は増加する。

逆に息をゼーハー吸ったり吐いたりすれば、過呼吸により酸素が過剰に血中に含まれるため、今度はそれを回避しようと血流量は下がる。(ちなみに過剰な酸素は毒にもなりうる)

低酸素による血流増大

低酸素症は、一酸化窒素およびアデノシン産生を急速に増加させ、血管拡張も促進する。また慢性的な低酸素症となると毛細血管の密度を変えることで、脳血流を増加させようとする。

血管の口径

血流量の流れにもっとも強力な影響をおよぼすのは、血管の口径の大きさ。(Poiseuielleの法則)

そのため毛細血管の密度が高まると、末梢の脳血流量は下がってしまうかもしれない。(特に血流の流れが早くなったとき)

脳血流の恒常性

脳の血流量を増やすということはたしかに重要なのだが、認知症改善を目的として血流量を改善したいという場合、その根底にあるメカニズムがホメオスタシス作用と関連して複雑に制御されているため、例えば血流をサラサラにするサプリメントを飲むとかいったような、一過性の対処法では解決できないだろう。

アルツハイマー病の血管機能障害

血管機能障害仮説

アルツハイマー病の主要病因は、アミロイドではなく血管の機能障害、血流低下に基づくものという研究者の意見も少数ではあるもの根強くある。

「blood brain alzheimer」の画像検索結果

血管障害による脳ミトコンドリアの機能障害

慢性的に脳血流が低下し循環が滞る(低灌流)ことがアルツハイマー病と脳血管障害、加齢による認知症の根底にある病因である。低灌流は酸化ストレスを誘発し、ミトコンドリア不全につながる。

局所的な脳血流低下が、電子密度の高い未成熟の低酸素ミトコンドリアを多数、過剰生産することで、mtDNAを喪失これらのミトコンドリア異常は金属の酸化還元、過酸化脂質、RNA酸化を増加させる。

脆弱なニューロン及びグリア細胞は、損傷した血管と密接に関連する領域においてのみ、mtDNAの損失と酸化ストレス(マーカー)を示す。脳血管病変は、ニューロンおよびグリア細胞の損傷とダイレクトに相関する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19703659

アミロイド仮説への反論

アミロイドはアルツハイマー病病因の上流ではなく下流、脳の血流量が神経構造の萎縮を引き起こす。血管新生に基づく治療戦略への支持。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24589433

アルツハイマー病の毛細血管機能障害仮説

www.neurobiologyofaging.org/article/S0197-4580(12)00467-8/fulltext

認知症患者の複雑な血流構造

「同年齢の健常者と比べアルツハイマー病患者、血管性認知症患者では脳血流のフラクタル次元が有意に高かった。認知症患者同士の比較ではアルツハイマー病患者は後方部位がより強く、血管性認知症患者では前方部位がより支配的であった。」

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12917125

アルツハイマー病と脳血流

初期では維持されている血流の自律調節機能

アルツハイマー病患者の脳血流の自律調節機能が障害を受けているかどうかについては明確にわかっていないが、進行初期のアルツハイマー病患者では比較的維持されている可能性がある。

アルツハイマー病の場合、自律調節機能というよりも、自律調節に関わる多くの因子や、代謝異常が脳血流の問題にもつながっているようだ。

一酸化窒素(NO)、アンジオテンシン、ブラジキニン、プロスタグランジン、VIP、5HT1B受容体、ATP 受容体(P2X3 受容体)、PACAP等

局所脳血流低下

血管リスク因子はアルツハイマー病患者の認知機能、局所脳血流低下率が高いことと関連している。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21327852

二次的に生じる血流自律調節の障害?

脳の血管障害、急性期の脳梗塞障害では、自律調節機能が破綻している。

アミロイドーシスも自律調節の障害要因とされており、アルツハイマー病患者においても脳血流の自律調節機能が障害を受けている可能性がある。

ADマウスでは損なわれているが、アルツハイマー病患者では脳血流の自律調節機能は保たれている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21540872

LC-NEネットワーク

LC-NEネットワークは、大脳の血流量と酸素需要のバランスを最適化する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22872230

 

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