バイオアイデンティカル・ホルモン補充療法(BHRT)
Bioidentical Hormone Replacement Therapy (BHRT)

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概要

バイオアイデンティカル・ホルモンと補充療法

バイオアイデンティカル・ホルモンとは、人間の体に存在する内因性ホルモンと化学的に構造、作用が同一であるホルモン。バイオアイデンティカル・ホルモン補充療法(BHRT)とはそれらを使用したホルモン療法のこと。

英語のBioidential Hormone Replacement Therapy の頭文字をとってBHRTと書かれる。

標準的なの合成ホルモン剤に対する補充療法への安全性への懸念のために、更年期障害の治療としてバイオアイデンティカルホルモン補充療法のニーズが高まっている。しかし、バイオアイデンティカルホルモン補充療法は、無作為化された大規模試験の欠如から、多くの医療従事者は処方することを嫌っている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24390902

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28339382

BHRTの歴史

ホルモン療法はBHRTから始まった

米国でここ10年ほどで広がりを見せているが、歴史を掘り起こせば1930年代からすでに更年期障害緩和のために、女性の尿から抽出されたエストロゲンが用いられたりしていた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/5328022

合成ホルモン剤のブームそして凋落

1980~90年代に合成ホルモン剤を用いたホルモン補充療法が米国で広がり、特権的な地位を手に入れている。その後ホルモン補充療法を利用した更年期女性の乳がんと脳卒中のリスク上昇の結果が公表されたことをきっかけに、使用率が劇的低下した。1999年にその流行のピークを迎えている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14709575/

再復活したBHRT

そういった経緯から、BHRTはより安全であるというアンチエイジングの医師の宣伝や、有名人の利用などによって、天然ホルモンを利用する人が増えてきた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4400226/

www.anwanregencenter.com/facts-bioidentical-hormone-replacement-therapy/

BHRTの主張と批判

特許が摂れないバイオアイデンティカル・ホルモン

製薬会社はホルモンが内因性のホルモンである場合、特許を摂ることができないため、研究や製薬のための投資を行わないという主張がBHRT推進の側に存在する。これは半分真実であるが、薬物として吸収可能なプロセスを特許として摂ることは可能であり、実際にいくつかの大手の製薬会社はもっており、実際に臨床試験も行われている。

ナチュラルホルモンという名称

天然ホルモン、ナチュラルホルモンと呼ばれることもあるが、非バイオアイデンティカル・ホルモンであっても植物由来のものもある。バイオアイデンティカルであろうとなかろうと外因的に投与するということの不自然にさには変わりなく、天然、ナチュラルという言葉が間違ったイメージを与えるという批判が多い。

品質のばらつき

乾燥甲状腺末は合成物よりもバッチごとの成分のばらつきが大きい。

ヒトとは異なる比率

T4とT3の比率はヒトの場合は11:1だが、乾燥甲状腺末では4:1と同じではない。

比率による効果の違い

甲状腺ホルモンにおいて用いられるT4とT3の合剤は一般的にアーマーサイロイドなどの天然ホルモンが用いられる。いくつかの対照試験においてT4とT3の組み合わせは、比率によってはT4単独よりも有益ではない可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15260011

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14665656

アルツハイマー病を含む神経変性疾患の患者で多く見られるT3のみの減少(低T3症候群)は、T4からT3への変換を行う脱ヨード酵素の発現に問題があるため、T3を含む甲状腺ホルモンの投与を行うことがリコード法や一部の専門家によって支持されている。

バイオアイデンティカル・ホルモンは安全なのか

現在のところ、合成のホルモンと比較して、バイオアイデンティカルホルモンの使用によるネガティブな作用の信頼できる報告はない。生物学的のホルモンは自身の体によって産生されるものと同じ科学構造をもつため、より安全であるという主張は妥当と思われる。

ただし、大規模な長期試験では研究されておらず、この主張を支持する信頼性の高い証拠もまだない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14665656

まとめ

まとめると、研究の質と量、品質の安定性から見た場合、合成ホルモン剤に軍配が上がるが、理論的にはバイオアイデンティカルホルモンがより安全である可能性がある。しかし実際には両者には大きな差はさほどない可能性もある。

www.health.harvard.edu/womens-health/bioidentical-hormones-help-or-hype

標準ホルモン補充セラピー(HRT)への批判

乳がんリスクは合成プロゲステロンで増加する

合成プロゲステロンと比較すると、天然のプロゲステロンとエストロゲンの併用は乳がんリスクの低下と関連していた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4960754/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2219716/

カスタマイズの欠如

ホルモン投与は摂取量や数種類のホルモン補充、またその組み合わせの比率など個人によってカスタマイズされるべき変数が多く、画一的にデザインされる臨床研究においては合成剤と天然ホルモンによる結果に差が生じにくい。

抗プロゲステロン作用

プロゲステロンの合成誘導体であるメドロキシプロゲステロンは、解毒または同化する生化学的経路が存在しないため、抗プロゲステロン作用を有する。

リコード法におけるBHRT

リコード法ではバイオアイデンティカルホルモンの投与が推奨されているが、絶対に合成剤を使ってはいけないというわけでもなさそうだ。ただし、通常合成剤を用いる一般病院の内分泌内科などではガイドラインと保険診療に基づいて標準療法の基準範囲内で投与される。リコード法の基準値に基づくと投与が必要な検査値であっても、一般の病院の標準的な診断基準においては正常な基準範囲となりホルモン剤を処方は行われない。

バイオアイデンティカルホルモンの投与を行っているクリニックなどでは、自費、自由診療であり、処方に関してのの自由裁量が大きい。

また、もともとバイオアイデンティカル・ホルモンセラピーは、単に素材を生物学的に同一のホルモンを用いるというだけでなく、カスタマイズして処方していくことにも特徴があるため、リコード法に基づいた処方をお願いすれば受けてもらえる可能性が一般の病院よりもあるかもしれない。このことから、ブレデセン博士はバイオアイデンティカルホルモン補充療法を扱うクリニックに相談してみるのが良いと述べている。

日本国内でも、バイオアイデンティカルホルモンを扱う病院は存在するが、そこでリコード法に基づいた処方を行ってくれるかどうかはまた別問題となる。また処方してもらえるとしても自費診療であり高い薬代が継続的にかかる。そのため多くの方が病院で検査だけを行ってもらい、実際の導入は個人輸入などを利用しているのが現状だ。

The End of Alzheimer’s Programより
バイオアイデンティカル・ホルモン補充療法(BHRT)

BHRTを使用する多くの女性が、副作用として睡眠の改善を報告している。プロゲステロンは、真の鎮静効果を持つのではなく、閉経後の女性の乱れた睡眠を回復させることがわかっているが、エストロゲンの補給のみを行っている女性でも、有意な睡眠改善が報告されている。

実際、閉経前に卵巣摘出を受ける女性は、ホルモン補充を行わないと認知機能が低下するリスクが大幅に増加する 。エビデンスの検索は、エストロゲンの種類が重要であることを示唆している。

同様に重要なエストロゲンの投与方法は、経皮ではなく、経口では最大の利益を示す。子宮を持つ女性は、がんにつながること可能性のある子宮細胞の過剰成長を防ぐためにエストロゲンとプロゲステロンを取る必要がある。子宮のない人は、睡眠を強化するためにそうすることを選択することがある。

認知上のプロゲステロンの役割は、利益と有害性の両方混合した結果を示している、プロゲスチンと呼ばれるプロゲステロンの合成フォームを避けてほしい。いくつかの研究では、慢性的な使用は実際に認知に負の影響を与えることが示されているが、断続的な使用は、特に記憶力の強化に明らかに有益な影響を与えることが示されている。

「機会の窓」仮説は、ホルモンの減少に早期に対処することが女性の認知機能を保護する最善の方法であることを示唆しているが、最近行われた閉経後の女性で、その窓(期間)をはるかに超えた年齢(57~82歳)で軽度の認知障害と診断された女性を対象にBHRTを使用した無作為化比較試験では、対照群と比較して認知機能が維持されていることが示された。

BHRTプログラムは、常にホルモンの専門家の助けを借りて、リスクと潜在的な利益を慎重に比較検討しながら開始する必要がある。

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