5.睡眠とサーカディアンリズムによるBDNF効果(認知症・アルツハイマー)
概日リズム
サーカディアンリズム(24時間周期の生理的変動)を整えるとBDNFが増えるというよりも、サーカディアンリズムが崩れるとBDNFが下がる。
そのため一日7時間の睡眠をとり、散歩も定時に出るようにしたほうがより、生活のリズムが整いやすくBDNFを下げる要因を減らすことができる。
研究
外傷性脳損傷の動物モデルでは、BDNF遺伝子レベルの日内変動周期が消失しており、海馬MAPKおよびcAMP活性の障害が関与している可能性。
動物モデルにおいて神経変性を減少させる薬剤メラトニンとリチウムは、抗酸化特性によってのみではなく概日リズムへの影響によっても重要な役割を果たしている可能性がある。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3463592/
BDNFの日内変動は深夜22時が最低値を示し、午前8時にピークを迎える。
健康な男性のBDNFは朝から晩まで増加し、午前中が最高濃度を示す。
女性のBDNF日内変動も男性と同様コルチゾールリズムと関連するが、月経周期や避妊治療の影響を受ける。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18780207
睡眠
研究
睡眠とストレスとBDNFは相互に影響を与えあう。
部分的睡眠不足による急性ストレスは、BDNFレベルの上昇にすばやく影響を与える。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26758201
継続的な睡眠制限によりラットのBDNF発現が減弱。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25093703
睡眠不足療法
睡眠不足は長期的にはBDNFレベルの低下を引き起こすが、一晩の急性睡眠不足はBDNFレベルの減少を引き起こし、その後睡眠不足のストレスによりBDNFの上昇を伴う。
このBDNFレベルの代償的プロセスは、不眠症患者、うつ病患者のBDNFレベルを正常化させるための治療的介入となりえる可能性がある。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3903111/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19576267
睡眠不足の治療による抗うつ効果は、大うつ病性障害患者のBDNFと相関する。
www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0361923009002020
睡眠不足はケタミンや三環系うつ薬と同程度に、前頭葉内の気分調節受容体に影響を与える。
睡眠不足療法、抗うつ効果のメタアナリシス
www.psychiatrist.com/JCP/article/Pages/2017/v78n08/16r11332.aspx
まとめ
7時間ぐっすり寝て、朝外を出て運動しよう!
小声
一晩だけの徹夜はBDNFリズムの回復に有効かも!?