ARIA(アミロイド関連画像異常)
概要
amyloid-related imaging abnormalities
抗アミロイド薬(特にアデュカヌマブなどの人モノクローナル抗体)の使用により、アルツハイマー病患者の神経画像で見られるもっとも一般的な異常。アルツハイマー病患者で自然発生的に生じることはめったにない。[R]
ARIA-EとARIA-Hの2種類がある。
文献上、ARIA-E症例の多くは無症候性。臨床症状のある症例は、通常投与後4~8週間以内に発生する。高血管アミロイドの遺伝的危険因子をもつ患者でより一般的と推定されている。[R]
抗アミロイドβ抗体薬の落とし穴と約束[R]
アミロイドクリアランスの低下
ARIAの影響を受ける領域は実質的にアミロイドβクリアランスと関連している。[R]
脳アミロイド血管障害(CAA)を伴う微小血管系の機能不全は、脳からのアミロイドのクリアランスが減少し、アミロイド血管障害およびアミロイド沈着が悪化する可能性がある。[R]
アミロイドクリアランスマーカーとしてのARIA?
小規模な免疫療法試験では、ARIAが生じた患者で最大の臨床的改善が見られた。ARIAは実際には有害性を意味するのではなくアミロイドクリアランスの有効性のマーカーである可能性があることが示唆される。[R]
ARIA-E(edema)浮腫
可溶化した Aβ が血管周囲リンパ排液路に流れ込むも十分ドレナージされずに溢れて浮腫性変化が生じたもの。[R]
アデュカヌマブで治療された被験者の22%(27/125)がARIA-Eを発症し、33%が症候性であり、通常は軽度であった。[R]
ソラネズマブは、可溶性アミロイドβ中間体に結合するヒト化IgG1、。ARIA-Eは、ソラネズマブ治療を受けた18人の被験者で起こったが常に無症候性であり、発生率は低くかった(1.1%)。ARIA-HはARIA-Eよりも高頻度であったがプラセボ郡と有意な差はなかった。[R]
症状示す患者では頭痛、精神状態の変化、錯乱、嘔吐、吐き気、振戦および歩行障害が含まれることがある。[R]
ApoE4・高用量グループでの高いリスク
ARIA-Eは、高用量のバピネズマブおよびAPOE4と有意に関連。バピネズマブの投与では18のARIA-Eの症例のうち6つでApoE4/4ホモキャリアであった。[R][[R]
ARIA-H(Hemorrhage)
ARIA-HのHはヘモジデリン沈着を意味する。血管壁のアミロイドβが中途半端に引き抜かれたことにより、血管壁が脆弱化し出血性変化が生じたもの。[R]
アデュカヌマブで治療された被験者でARIA-Eを発症した被験者のうち、15人(56%)がARIA-HでありApoE4において用量依存的であった。[R]
ARIA-Eが危険因子となっている可能性がある。