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1. 検査をして不要なものを削る
やはりもっとも健全な方法は、検査などを行って不要なものを削ることだ。
検査は必ずしもすべての検査が高額なわけではなく、比較的安価に実行できるものもある。また、長期的に見た場合、検査によって不要なサプリメントを摂取しないことによって、コストを安くすることもできる。
ただし、アルサプは検査によってその摂取や摂取量に大きく影響をおよぼすサプリメントはあまり含まておらず、最大公約数的な最低量で構成しているため、検査して必要なサプリメントを整理すると、むしろ全体の数は増加する可能性が高い。
何をどう削っていいか多くの方がわからない部分は、「アルツハイマー病 真実と終焉」をよく読めば大体のことは書かれてあるが、その他お医者さんに頼ることができなければ、当管理人を含めたお近くのリコード部員にたずねてみるとヒントがもらえるかもしれない。
2. ライフスタイルでの改善強化による減薬
例えば高額なサプリメントのひとつニコチンアミドリボシドは、主にNAD+を増強させることを目的としており、ひいては重要なSirt1の活性を高めることも意図している。これらは強度の高い運動を行うことで代替が可能だ。またSirt1の活性に関してはレスベラトロールやナイアシンアミドなどを増量することでメカニズムとしては部分的な代替が可能と考えられる。(理想的には併用が良いだろう)
糖質制限と良質の脂質補充がしっかり行えケトン値が上昇するのであれば、高価なケトンソルトやMCTオイルもあえて摂取する必要はない。グラスフェッドギーも量を減らすことができる。
腸内細菌叢を改善させる食事をしっかり摂ることができるなら、プロバイオティクス錠剤もあえて摂らなくて良いだろう。
3. 摂取方法を工夫する
空腹時に摂取して吸収率を高める
特定のサプリメントは食後と空腹時で吸収率が大きく
異なる、そのため空腹時であれば摂取量を半分にして同量の薬効が期待できる。
摂取量を維持して効果を2倍の用量と同等にさせるという考え方もある。
アルサプではある程度、簡便さを考えて食後の摂取としているが、例えばCDP-コリン、ウリジンなど比較的高額なサプリメントは、空腹時に摂取することで吸収率を高めることができるため、そのタイミングで量を少なくすることでコストを削減することは理論的には可能だ。
ただし、その他のサプリメントは食後に摂取する必要があるため、手間は増えてしまう。
空腹時に摂取しても有害な影響がなく理論的には吸収率が高まると考えられる中~高額サプリメント
- CDP-コリン
- ウリジン
- R体αリポ酸
- ニコチンアミドリボシド
- N-アセチル-システイン
- アセチル-L-グルタチオン
- マグネシウム-L-スレオネイト
- カルノシン酸-亜鉛
同時にすべてを始めずに一つずつ胃腸症状を確認しながら空腹時摂取を増やしていく。ただし水分はしっかりとること。
舌下投与
未加工のグルタチオンサプリメントはそのまま摂取しても、腸管での分解や脳のゲートに阻まれ脳へ届く量は大きく減少する。そのため高価ではあるが吸収率を高めた(脳への到達が高い)リポソームグルタチオンやS-アセチル-L-グルタチオンをアルサプに組み込んでいる。しかしより安価な還元型グルタチオンサプリメントを舌下投与すれば、その二つの問題は克服することができる。
4. 低コストのサプリメントに置き換える
NAD+系
ニコチンアミドリボシドは高価格サプリメントのひとつ。その完全な代替にはならないが類似する効果のメカニズムをもつものとして、ナイアシンやナイアシンアミドがある。
ナイアシンやナイアシンアミドは代謝経路のステップ数をニコチンアミドリボシドよりも多く含むため、その効果は個人差がある。また最初のうちはナイアシンフラッシュなどの副作用もある。ナイアシンアミドも、その効果を発揮するには個人によって高用量を必要とすることがあり、ニコチンアミドリボシドを少量摂ることと比較すると、ナイアシンに軍配が上がるケースがある。
マグネシウム
脳内の神経細胞へ到達する作用をもつトレオン酸マグネシウムは、同様の作用をもつと理論的に考えられるタウリン酸マグネシウムに変えることができるかもしれない。ただしタウリン酸マグネシウムの認知機能改善の証拠はまだない。
5. すべての摂取量を減らす
その他サプリメント費用がどうしても困難な場合、優先順位の低いサプリメントから減らしていくという方法もある。しかしアルサププログラムは極限にまで削っているため、検査値がわからない段階でどれかを選んで除外することは思いの外むずかしい。
また、無理やり種類を減らしてみたところで、数種類が関の山で、リスクが微増する割にはサプリメント代の削減とならない。(高価格サプリメントは重要度の高いものしか含めていない。)
おそらくリスクを最小限に抑えてサプリメント費用を抑える方法は、サプリメントの種類はそのままに据え置き、全体の摂取量を、例えば3割減らしてみるといったやり方だろう。それであれば費用も単純に3割カットとなるはずだ。
半分にしたから効果も半分かというとそういう単純なものでもないのだが、その意味には2つあり50%カットでも7~8割、または十分に遜色ない程度に効果があることもあれば、影響をおよぼす可能性もありえるため、リスクの高いギャンブルになるだろう。
6. サプリメントの分割摂取
パウダー摂取
例えばアルサプで案内しているメモリープロテクトは、オロチン酸リチウム0.5mg/日を摂取を主な目的としているが、5mgの錠剤でもより安い価格で販売されている。5mgはアルツハイマー病患者の脳機能改善目的としては過剰なため、これをパウダーに混ぜて10分の1摂取すれば費用は10分の1以下に抑えることができる。ただしこの場合コロストリニンは含まれない。
その他、メラトニンは、人によって必要摂取量は大きく異なるが、仮に1mg/日の摂取であれば、10mgのメラトニンカプセルを同様に分割して用いればコストは10分の1にすることが可能だ。
分割することでコストを削減できるサプリメントはこれくらいだが、実際のところ、それらのサプリメントは元の価格が低いため、さほど節約効果はない。
その他、多少コストカットができる他のサプリメントとしてはレスベラトロールあたり。(分割の手間をいとわないなら)
7. アイハーブ以外の販路から購入
アイハーブなどの海外のサプリメント通販からの購入は、国内で一般の人が入手できる方法としては底値だろうと思う。
ただ、例外があるとすれば、AMAZON USAやEbayなどでパウダーで販売されており、それらをバルク購入してパウダーで摂取する方法だ。
日本で個人輸入を利用して入手することもできなくもないが、送料や代行手数料などのコストが高くついてしまうため、大量に購入しなければコスト的なアドバンテージは得にくい。地域コミュニティに参加して共同購入する方法はひとつの解決策かもしれない。
8. 他の人へ自分の紹介コードを案内
アルサプは予算をぎりぎりにまで抑えたプログラムだが、それでも毎月の購入費用が難しいという方もいるかと思う。そういう方は、アルサププログラムまたはそれに類似するものを、ご自分のiHerb紹介コードとともに、他のまだ利用したことがない患者さんに紹介してみるのも一案だ。
個人間での利用であればアルサプの名前も伏せておいてもらって構わない。
知り合いで同様に認知症を患っている、または認知機能の低下を感じている親戚、友人に紹介しみるなど、その他、自分のブログやSNSを開設し、個人の紹介コードとともにリンク先を案内すれば自分だけでなく、きっと他の人の助けにもなる。
9. ホームメイド・リポソーム化による減薬
これは上級者向けになるが、いくつかのサプリメントは、当サイトで紹介しているリポソーム化を行うことで吸収率や滞留率を高める方法がある。空腹時の摂取という方法よりもさらに吸収率が高まるためコストを削減することができる。同量摂取すればより大きな効果を得ることができる可能性があり、コスト削減だけではなくブレイクスルーを起こすことができるかもしれない。ただ少々技術的なハードルがあるため、すべての人に安易には勧められ方法ではない。
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10. 思い込み・バイアスが働いていないだろうか?
サプリメントの数を減らしたい理由が表向きは予算の問題だが、実際には、患者本人が飲むことを嫌ったり、家族側での飲んでもらうための手間暇などが大きなきっかけとなっているケースがある。
サプリメントが多いことがどうしても負担である場合は、【ASAP簡易】に移行する、またはスムージーに混入させての摂取を検討してみてはどうだろうか。
もうひとつは、個々のサプリメントがなぜ必要とされるかの理解がなされず勢いで始めてしまった人が不安になりお金だけがかかってしょうがないと思い込んでしまっているケースが多い印象がある。
また、お金がないと言いつつ、新聞やクリニックで宣伝されている費用対効果の悪すぎる高額サプリメントを摂取していたりする方も時々目にする。明らかに限られた予算を効率よく使うということができておらず、手厳しいことを言えば、これらは経済事情の問題ではなく理解しないまま始めた結果の心理的なバイアスにすぎない可能性が高い。
病院でPETスキャンやMRI、また最先端治療を行って何十万円と出費して、それでアルツハイマー病が改善するわけでもない。その検査結果を元に何か新しい治療を行うわけでもない。だが多くの人は大掛かりな装置を見せられて、そういった出費についてはそういうものなんだろうと思いはしないだろうか?
亜鉛サプリメントの代わりに牡蠣を毎日食べる費用、アスタキサンチンサプリメントの代わりに天然の紅鮭を毎日用意する費用を計算してみてほしい。また冷静に市場の商品と比較する能力をもっていれば、ここで紹介しているサプリメントは底値だということに気がつくことができるはずだ。
また、即効果があるかどうかという体感だけで判断しようとする人にも、サプリメント拒絶のケースが多い。体感でわからなければそもそもの意味がないだろうというのは認知症に関しては正しくないことが多い。子供の学校での成績が良くなったかどうかをテストではなく会話した感覚で探ろうとする人はいないだろう。
人は現状と比べて短期的に改善したプラスの部分や悪化した部分にはよく気がつくが、一年単位での変化や、本来進行する悪化スピードを遅くする消極的な改善については、何らかの記録や、認知症の進行についての知識がない限り気づくことができないからだ。
検査の重要性は、単に治療方針の決定だけではなく、代謝レベルでの改善を知ることで自分が進んでいる道が正しいのかどうかを理解するためにも重要になってくる。検査を行わず治療に望むのは、単に治療の最適化ができないだけではなく、目標とする指標をもつことができないことも意味する。(実行前の初期の検査はその意味において重要)
言い換えれば、指標がない中で実行を継続するため、反対に個々のサプリメントの必要性について、検査を行っている患者さんよりも理解を深めていく必要性が高まる。残念ながら検査を省略する人では、サプリメントへの理解も省略する傾向にあり、半年~1年で頓挫する傾向にある。
ひとつ注意してほしいのは、大量のサプリメントを突然に中止し、認知機能の悪化が数週間~数ヶ月後に進行したという、取り返しのつかない授業料を払ってサプリメント摂取を再開したというケースが少なからずある。
これは、あるあるパターンなのだがこの事態が避けられないのであれば、せめてサプリメントを中止するときは、事前に自宅でできる認知機能検査など客観的な評価ができる認知機能のモニタリングを行ってほしい。
認知機能などの悪化に早く気がつき、すぐに再開することでダメージを軽減できる可能性が高まる。