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アメリカ発のバレットプルーフコーヒー、防弾コーヒー、完全無欠コーヒーとも呼ばれるバターコーヒー。
元々このコーヒーは一般の人の認知機能を高める目的をもつものとして作られているが、そのままのレシピだとApoE4遺伝子もつ認知症患者さんにとっては中鎖脂肪酸の摂取量が過剰となる。
そのためオイルの量を減らし、認知機能の改善効果をもつ化合物をふんだんに取り入れ、認知症患者さんに最適化したコーヒーレシピを考案してみた。
アルツハッカーコーヒー材料リスト
基本材料 (50~150杯分の作り置き)
仕上がり量は約900g + 粉末重量
ApoE4遺伝子の方では一杯オイル約6g 150杯分となる。
非ApoE4遺伝子の方だと一杯 オイル約6~18g 50~150杯分。
シリコン型枠
ApoE4 一個のサイズが12cc~程度のシリコン型枠
非ApoE4 一個のサイズが30cc~程度のシリコン型枠
有機コーヒー
有機コーヒー
その他の選択肢として、トリゴネコーヒーでも良いかもしれない。
インスタントコーヒーよりは、もちろん挽いた豆をドリップしたほうが味も健康にも良いのだが、難しい人はインスタントコーヒーを使っても構わない。
MCTオイル
MCTオイルでお腹がゴロゴロする場合、量が多いか、MCTオイルに含まれる、またはカプロン酸(C6)に反応している可能性がある。
前者の場合は量を減らす必要があるが、後者の場合はカプリル酸またはカプリル酸とカプリン酸だけを含んだ中鎖脂肪酸を試してみるといいかもしれない。
カプリル酸+カプリン酸
発酵ギー or グラスフェッド無塩バター
MCTオイルと同量
発酵ギー
ギーとバターはどちらも牛乳由来であり栄養成分、脂肪含有量はほぼ同じ。
どちらを選んでも構わない、最近は、使い勝手の良さとバターより乳糖が少ないことから、ギーを使うようになった。
テアニン
L-テアニン・パウダー
カフェイン・テアニンスタック。
管理人はテアニンパウダーを買って、あらかじめMCTオイルに混ぜて作り置きしている。
50~100mg/一回量
作り置き量
900gの混合オイルに対して
ApoE4 15g
非ApoE4 5~15g
オプション
食物繊維(セルロース)
以下の症状がある人は、セルロースを混ぜてみる。
- 空腹時に大量に摂取する。
- 飲むと下痢、腹痛などの消化器症状がある。
- 飲むと動悸が激しくなる。(炭水化物主体の生活を行っていた人の飲み始めに起こりやすい)
セルロース 粉末
作り置き量
900gの混合オイルに対して
- ApoE4 150g
- 非ApoE4 50~150g
ヤマブシタケ
一回 1g
NGFを増やす効果がある。
NGFの概日リズムを考えると朝の摂取タイミングが理想であるため、朝のコーヒーと相性が良い。
ハーブとして比較的くせが少ないのでコーヒーと混ぜても気にならない。
有機ヤマブシタケパウダー
作り置き量
900gの混合オイルに対して
- ApoE4 150g
- 非ApoE4 50~150g
トランスレスベラトロール
一般的には認知症患者では100~200mgの摂取がリコード法において推奨されるが、苦味があるため健康維持目的である場合は10mg程度までにしておく。
サプリメントですでに摂取している場合は入れなくても良い。
上記の80杯分の作り置きであれば、1カプセル200mgのトランスレスベラトロールだと4~6カプセルで良い。
- トランスレスベラトロール 200mg
- トランスレスベラトロール 100mg
作り置き量
- ApoE4 6カプセル(200mg)
- 非ApoE4 2カプセル(200mg)
シナモン
0.2~1g/一回量
シナモンは強力な抗酸化機能をもち、抗認知症スパイスとしてもよく取り上げられている。糖代謝、インスリン抵抗性に問題がある人には特におすすめしたい。
有機セイロンシナモン パウダー
作り置き量
- ApoE4 30~150g
- 非ApoE4 10~150g
※糖代謝に問題がある人は多めに、そうでない人は少なめに
ステビア
甘さを好まない場合は投入しなくても良い。
作り置きであらかじめ混ぜてしまう場合
ステビアの商品によって希釈率は異なるため投与量も異なってくる。
上記用量は記載商品を用いた場合の量。これも好みで調整してもらって良い。
ステビア(粉末)454g
作り置き量
900gの混合オイルに対して
- ApoE4 75g~
- 非ApoE4 25g~
後から投入する場合(甘みの調整、風味をつけるなど)
トレハロース
リコード法においては原則、朝のコーヒーには入れない。
それ以外の時間帯では、糖質制限を阻害しない範囲でトレハロースを小さじ一杯程度入れる。無理に入れなくても良い。
一杯量数g(1日の糖質摂取量との兼ね合いで)
バニラエッセンス
バニラエッセンス
数滴 エッセンスの種類は好みで。
ヤギミルクパウダー
乳糖不耐症を持たない場合は、ヤギパウダーを使用することができるが、多くの日本人は程度の差はあるが乳糖不耐症であるため、ミルクがないとダメ、もしくは市販の牛乳などを使ってしまうという場合に限り代替としてこちらを使うことをおすすめする。
ヤギ乳パウダー
投与量 好みで 乳糖分解酵素を入れない場合は小さじ一杯以内にしておく
乳糖分解酵素
乳糖分解酵素
乳糖分解酵素をカプセルで購入、あらかじめヤギミルクパウダーに入れてしっかりと混ぜておく便利。
1gの乳糖に対して1000FCCユニットが必要となる。
上記製品では28gあたり9gの乳糖を含む。
28gあたり9000FCCの乳糖分解酵素1錠を入れる。(3000FCCであれば3錠)
453gのヤギミルクパウダーに対して計算上は17錠だが、多めに投入する分には問題ない。
レシピ
作り置きレシピ
- 1. テアニン、ヤマブシタケ、セルロース、レスベラトロールを混ぜ合わせる。
- トレハロース、ヤギミルクは、朝のコーヒーでは、炭水化物の摂取により断食効果が阻害されるため別にしておく。(必要に応じて摂取)
- 2. ギーまたはグラスフェッドバターが固形である場合は湯煎で溶かす。
- 3.MCTオイルとギーまたはグラスフェッドバターを1対1の割合で混ぜる
- 4. 上記の1で混ぜ合わせた粉末を、3で作った液体に投入しっかりと混ぜる。
- 5. 一個がシリコン型枠に注ぐ。
- 6.冷凍庫に保管。
- 7.固まったらキューブを取り出してアルミパウチなどの容器に保管しておく。
一杯分の作り方
- 1. コーヒーに適宜、作り置きのオイルキューブ一個を投入
- 2. 好みでヤギミルクパウダー、トレハロースなどのオプションを投入
- 3.ミルクフォーマーでしっかり泡立てる
乳化(水と油が混じり合うこと)するまで混ぜ合わせる。
※乳化させることで、中鎖脂肪酸の遊離酸による刺激が和らぎ、お腹がゴロゴロしにくくなり、コーヒーに含まれる酸が脂肪に包まれることで、リーキーガットのリスクも減少する。
※荒業だが、パワーミキサーを使うと強力に乳化してくれる。
- 4. エッセンスで香り付けをして出来上がり
投入量
バレットプルーフコーヒー
バレットプルーフコーヒーの正規レシピによると、MCTオイル、バターのおおさじ1は約14g、合計28~56g。
作ってみるとわかるが最低量の28gでもかなりのオイル量になる。この量をいきなり摂るとお腹がゴロゴロいうかもしれない。
リコード法
リコード法ではMCTオイルの摂取量は、ApoE遺伝子によって異なり、ApoE4対立遺伝子を保有する一回3g×2回/日
上記レシピだと一回量が6gを1日二回。
ApoE4遺伝子を持っていない人では、一杯6~20g程度、1日30~40gまでOK。
より積極的なケトン治療として用いる場合は、さらに多い量が求められるかもしれない。
個人で調整
MCTオイルをどの程度入れるべきかについては、まだコンセンサスが得られていないため基本的には体調やお腹具合を見ながら少量から様子を見る。
特に、炭水化物、糖質中心の食事をしていた人は、脂肪酸代謝に体質が変わるまで反応が出やすいため注意をしながら増減をはかる。
最初は大さじ半分から初めて、少しずつ増やしていくことをおすすめする。