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アルファリポ酸(認知症・アルツハイマー・2型糖尿病)

αリポ酸/チオクト酸

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概要

αリポ酸は、ミトコンドリアでオクタン酸から合成される天然のジオチール化合物であり、ミトコンドリアのエネルギー代謝において重要な役割を果たす。ミトコンドリアは体内でも合成されるが、肉や一部の果物、野菜にも僅かだが含まれている。

ただし、サプリメントや食事などから摂取されたαリポ酸は、ミトコンドリア酵素の補因子としては使用されない可能性を示唆する証拠が増えてきている。その代わりに、強力な抗酸化剤、抗炎症、解毒剤、糖尿病治療薬として薬物療法的な価値をもつ分子メカニズムを備えることが報告されている。

このメカニズムの一つには、直接的な酸化種の補足ではなく、酸化ストレス応答の誘発によって生じる。

食べ物に含まれるαリポ酸はごく少量であるため、αリポ酸の薬力学的効果はサプリメント補給などによって達成されうる。

αリポ酸の吸収

経口摂取されたαリポ酸は、モノカルボン酸輸送体を使って腸内に急速に取り込まれれる。そのため、中鎖トリグリセリドなどと一緒に摂取すると、αリポ酸の吸収が阻害される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17536819

αリポ酸は腸から血中に急速に取り込まれたあと、素早く脳や、心臓、筋肉組織などに広がる。摂取後1時間で脳に到達し脳のさまざまな領域に蓄積される。

αリポ酸 R体とS体

αリポ酸にはR型とS型の光学異性体が存在するが、天然に存在するαリポ酸はR型であり、体内でもR型のαリポ酸のみが合成される。ただし、αリポ酸の代謝産物であるDHLAにはS型からも合成される。

一般的にサプリメント形態で広く利用されているαリポ酸はR型に加え、製造過程で生じる純粋な化学合成の副産物としてS型が50:50で混在するラセミ体である。

R型のみのαリポ酸サプリメントも一般的に入手できるようになってきている。

吸収率の違い

成分量としてはラセミ体の半分で等価量ととなる。さらにR型のαリポ酸は、S型との混合であるラセミ体と比べて経口の体内吸収率は2倍あることが示されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4258503/

ただし、吸収率を高める工夫のされていいないR型αリポ酸は、低pH環境では、R型αリポ酸同士で重合されやすく吸収率が低下する可能性がある。

S型のαリポ酸は、その重合を妨げることにより安定化を高める可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19664690

その他、S型αリポ酸は体内で、R型αリポ酸のタンパク質、酵素、遺伝子との相互作用などへの重要な作用を阻害する可能性がある。

R型とS型の価格差は量あたりでは8~9倍だが、吸収率の差が二倍、体内で阻害作用も加わえると、R型とラセミ体の実質的な価格差はほとんど変わらなくなるかもしれない。

αリポ酸の効果

抗酸化作用

αリポ酸酸化型および還元型は抗酸化作用をもつが、特に還元型αリポ酸は最も強力な天然抗酸化物質のひとつ。

酸化型と還元型の両方がさまざまな活性酸素種を除去できるという証拠がある。

  • ペルオキシナイトライト
  • 一酸化窒素
  • ヒドロキシラジカル
  • スーパーオキシド
  • 一重項酸素
  • ペルオキシラジカル
  • 次亜塩素酸
  • 過酸化水素

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2756298/

in vitroで、直接的な抗酸化剤ととして作用することが示されているが、αリポ酸は生体内で一時的に蓄積し急速に代謝されるため、生体内でフリーラジカルを効果的に除去できるかどうかは疑問符が与えられている。

αリポ酸の抗酸化作用誘発剤

αリポ酸は、直接的な抗酸化作用よりも、内因性の抗酸化物質や抗酸化酵素の取り込み誘導や合成を強化することによって抗酸化状態を維持するという証拠が増えている。

ビタミンCの利用効率を増加

αリポ酸はアスコルビン酸の取り込み能力を高め、内因性のアスコルビン酸レベルの増強させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11259388/

グルタチオンレベルの増加

還元型αリポ酸は、グルタチオンの材料であるシステインをシスチンから還元する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14871476/

Nrf2活性

αリポ酸は、老齢ラットのNrf2を活性化させグルタチオンレベルを改善させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14985508/

金属キレート

銅・亜鉛・鉛・水銀

αリポ酸とその代謝物であるジヒドロリポ酸は、金属への結合作用を有する。

αリポ酸は、銅、亜鉛、鉛と結合し、還元型ジヒドロリポ酸は、それらの金属に加え水銀と鉄に結合する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7605337

セレン

ラットへのαリポ酸投与では、血清セレンレベルは低下するがマンガンはその恒常性に影響を与えることが示されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17996229

鉄キレート

αリポ酸は脳と肝臓の鉄レベルを低下させることが観察されているが、これは鉄レベルが正常値を超えている場合のみである。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15829111

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12470799

抗炎症作用

αリポ酸はNF-κBの阻害作用により、抗炎症作用を示す。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7649494

ヒトでの臨床試験において300mgのラセミ体αリポ酸の投与は、炎症マーカーであるIL-6レベルを15%低下させ、血管内皮機能を改善した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15655130

糖尿病

2型糖尿病患者へのラセミ体αリポ酸600mgの4年間にわたる長期投与は、HbA1cを大幅に低下させた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21775755

レプチンの増加 肥満抑制

αリポ酸は視床下部のAMPKを抑制し、末梢のAMPKを活性化するレプチンホルモンと類似する作用を示す。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15195087

AGEsの阻害 脂質過酸化物の除去

αリポ酸(Nアセチル・システイン、17βエストラジオール、編みのグアニジン)は、AGE受容体RAGEをブロックし、脂質過酸化生成物を減らすことができる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12590163

アンチエイジング

低下した酸素消費量の増加

αリポ酸を老齢ラットに与えた場合、酸素消費量が189%増加する。しかし若いラットでは104%の増加しか示さず、これは統計的に有意な増加ではなかった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9973329

加齢によるグルタチオン低下の改善

αリポ酸は、加齢による還元型と酸化型グルタチオンの比率の変化を改善する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14871476

認知症・アルツハイマー病

www.infona.pl/resource/bwmeta1.element.elsevier-dbdb8a74-a1cf-3bc9-854e-9b30e3f23f38

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S016372580600132X

臨床研究

600mg/日のアルファリポ酸を投与、軽度認知症(ADAScog <15)の患者では進行が非常にゆっくりと進行した。(ADAScog:+ 1.2ポイント/年、MMSE:-0.6ポイント/年)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17982894

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16989905/

アルツハイマー病患者126人へのαリポ酸投与(600mg/日)

2型糖尿病を有するアルツハイマー病患者では、より認知機能の低下が著しく鈍化し、MMSEスコアを16ヶ月で43%改善させた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4437336/

アセチルコリンの増加

αリポ酸は、コリンアセチルトランスフェラーゼを活性化させることで、アセチルコリン産生を増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11129959

血管機能の改善

in vitroにおいて、ヒト大動脈内皮細胞へのαリポ酸とビタミンC処置は、NO合成とcGMPを高めることが観察された。この効果は用量依存的であった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12396668

ヒト糖尿病患者へのαリポ酸投与は、NOの増加を介して血管拡張が改善されたが、対照グループでは改善を示さなかった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11425490

αリポ酸の摂取

相互作用

アセチル-L-カルニチン

αリポ酸はアセチルLカルニチンとの相乗効果により、mRNAを増加させミトコンドリア機能を高める。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18026715

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22093454

αリポ酸の安全性

αリポ酸は、糖尿病性神経障害、網膜症の治療薬としてドイツで50年以上用いられている。

αリポ酸の潜在的な副作用は、高用量摂取による金属キレート作用、金属含有酵素郡(インスリン分解酵素、スーパーオキシドディスムターゼなど)の阻害。

αリポ酸を用いた多くの臨床試験が行われており、これまで最大2400mg/日までの用量が、プラセボよりも多い有害な作用は報告されていない。

3週間600mg/日の静脈内投与で、重篤な副作用は示されていない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8786016/

1800mg/日6ヶ月間の経口投与は、有意な副作用を誘発しなかった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10480774