認知症患者の興奮・攻撃性 20のアプローチ

認知症・アルツハイマー病患者の焦燥性興奮・動揺・激越・不穏・暴言への対応

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栄養化合物・ハーブ

カンナビノイド

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26271310

認知症患者へのドロナビノール(THCの準異性体)治療

カンナビノイドはアルツハイマー病患者の興奮の有意な減少と関連していた。

睡眠時間、食事量にも有意な改善が見られた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23597932

ランダム化比較試験 低用量THCは精神神経症状を有意に低下させない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25972490

リチウム

アルツハイマー病、前頭側頭型認知症患者への低用量リチウム投与 症例研究

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5322244/

抑肝散

ランダム化比較試験 抑肝散はBPSD症状の改善において統計的な有意性を示さない。しかし、焦燥性興奮、攻撃性の症状に対しては大幅な改善を示した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26711658

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15705012/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27497482

レモンバーム

レモンバームの抽出物(メリッサ・オフィシナリス)は、軽度から中等度の興奮症状を有するアルツハイマー病患者に良好な効果をもたらす。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12810768/

サルビア

セージ抽出物(S.officinalis)は、軽度から中等度のアルツハイマー病患者の興奮を軽減する可能性を示す。ランダム化比較試験

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12605619/

非薬理学的アプローチ

パターンを見つけ出す

介護者が日記をつけて、怒りのパターンを見つけ出すという方法

実はラジオの音量が影響を与えていたなど

疼痛治療

疼痛治療は、認知症患者の興奮と攻撃的行動を改善する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23528917

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22642013

認知症患者への疼痛治療 システマティックレビュー

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4920848/

重度の患者への舌下スフェンタニル、オピオイド鎮痛薬による興奮の寛解

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21349237

音楽療法

認知症の興奮症状に対する非薬理学的介入 システマティックレビュー

音楽療法は全体的な興奮を減少させ、感覚的介入はすぐさま臨床的に有意に興奮を減少させた。研究結果によって違いがあったが、これは楽器の違いに起因するかもしれない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25452601/

なじみのある音楽と打楽器を利用した音楽介入は、認知症高齢者の不安、興奮を軽減する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21823174

グループミュージックの介入は認知症高齢者の興奮行動を軽減した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20672256

運動を伴うグループミュージックは、認知症高齢者の興奮行動を管理するにに有益である可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16765849

音楽とハンドマッサージ

心を落ち着かせる音楽とハンドマッサージによる環境刺激は介護施設の認知症患者の身体的攻撃行動を有意に減少させることはできなかったが、非身体的な攻撃行動は対照群と比べ介入中に減少した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12352780

家族介護者の協力

認知症患者の精神神経症状への非薬理学的介入 メタアナリシス

家族介護者が提供する非薬理学的は、少なくとも薬物療法と同等の効果を有し、認知症患者の行動的、心理的症状の頻度と重症度を軽減し、介護者の否定的な反応を軽減する可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22952073

感覚刺激

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22952073

スヌーゼレン療法のような触覚、光、聴覚刺激などの多感覚介入は、中等度から重度の認知症高齢者の無関心行動、無礼な振る舞い、反抗的行動、攻撃的行動、鬱病に関して、著しい治療効果を示した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15667372

親しみのある他感覚刺激は、特別養護老人ホームに居住する認知症患者の認知、うつ病、徘徊、攻撃性の改善にわずかに効果的であった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21964228

アイデンティティの維持

役割を付与してアイデンティティを維持するよう個別に設計された活動への参加は、認知症患者の興味と幸福度、活動への参加、治療中の興奮行動の減少、に有意な効果を示した。

academic.oup.com/psychsocgerontology/article/61/4/P202/603664

在宅介護者訓練プログラム

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12673611

擬似的再現療法(SPT)

擬似的再現療法(SPT)とは、家族の会話、思い出などのビデオテープまたは音声テープ記録を再生することで、患者の不安薬痛を軽減することを目的とした治療方法であり、擬似的家族存在療法とも呼ばれる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7860003

家族の訪問の多い特別養護老人ホームの居住者では、大きな興奮がなく人生への高い満足度をもつという観察から生まれた。

擬似的再現療法への反応は認知症患者の異なる愛着スタイルと関連するかもしれない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11827626

擬似的再現療法と、お気に入りの音楽の療法が特別養護老人ホーム居住の認知症患者の身体的な興奮行動の数を減らすことに効果的であることが証明された。

好みの音楽テープの作成がより簡単であるのに対して、擬似的再現のテープの作成のために幸福な思い出を探すことに家族は苦労した。

すべての患者に改善は見られなかったが、有害作用は軽微であった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17293386

en.wikipedia.org/wiki/Simulated_presence_therapy

webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.6003200210

認知症患者への擬似的再現療法 メタアナリシス

エビデンスの質が低く、SPTの評価には高い質の研究が必要

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4874154/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28418586

パーソン・センタード・ケア(シャワー)

人間中心(パーソン・センタード)シャワーおよびタオルバスによる入浴は、認知症患者の入浴中の興奮と攻撃性、不快感を効果的に軽減する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15507054

活動プログラム

治療レクリエーション   手洗い、食事の散歩、着替え、運動、認知ゲーム、その他感覚運動活動。神経発達的配列決定プログラム。居住者は歩き回り、社会的に交流し、活動において機能的な自立の促進を奨励された。対照群は標準的な介護プログラム

レクリエーションに参加した居住者は精神状態、うつ病、左右の握力、柔軟性、興奮行動に改善が見られた。

www.recreationtherapy.com/re-dem.htm

ランダム化比較試験 BACE介入郡での対照群と比べての興奮症状への有意な改善

stti.confex.com/stti/inrc15/techprogram/paper_17722.htm

モンテッソーリベースの活動

指圧およびモンテッソーリベースの活動を行った認知症患者グループでは、有意に興奮行動、攻撃行動の有意な減少が観察された。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19507295

身体活動の増加と環境の改善の組み合わせは、特別養護老人ホームに住む高齢者睡眠を改善し、興奮の減少を示した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10404920

非薬理学的プログラム

コミュニケーション

環境の単純化

介護者教育と支援

タスクの単純化

アクティビティの設定

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3711645/

薬物療法

向精神病薬リスク

2.5倍の死亡リスク

日本人アルツハイマー病患者BPSDへの抗精神病薬投与は、死亡率を2.5倍上昇させる。

www.m3.com/open/clinical/news/article/433047/

用量に依存

死亡リスクの上昇は向精神病薬の用量に依存する。

www.carenet.com/news/general/carenet/39786

向精神病薬の乱用

認知症と関連する興奮症状治療では、第一選択治療として利用可能な非薬理学的なアプローチが有効であることを裏付ける証拠が多くあるにも関わらず、多くの医師は非薬理学的な介入に慣れておらず向精神病薬を処方する。

イスラエルの特別養護老人ホームでは、92.5%の医師が高齢者の興奮症状治療のために向精神病薬を処方することが報告された。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23174135/

長期ケアにおける認知症の精神神経症状のための薬理学的治療 システマティックレビュー

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23083438/

薬物療法の有効性、副作用に対する懸念は高まっており、興奮症状に対する第一選択治療法としては非薬理学的な介入が推奨される。

精神病薬物療法は、攻撃的行動が頻繁であり、患者や介護者が傷つく可能性がある場合には選択肢としてありうる。

オランザピン投与患者の32%、クエチアピン投与患者の26%、リスペリドン投与患者の29%で、有意でない改善がある。わずかではあるが非定形抗精神病薬の適用は患者の死亡リスクを高める。

精神病薬の多剤併用は避けるべき

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26695173

抗精神病薬のリスク

非定形抗精神病薬のBPSDへの使用は1.5~1.7倍の死亡率と関連していることが、ランダム化比較試験において報告されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16234500/

認知症高齢者への抗精神病薬の使用による死亡リスクは、非定形抗精神病薬よりも大きい可能性。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17548409/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15697324/

薬物治療アルゴリズム 7ステップ

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5944080/

ステップ1 リスペリドン

非定形抗精神病薬、主に統合失調症の治療に用いられる。向精神病薬のメタアナリシスでは興奮症状に対する短期間の使用においては最良の証拠をもっている。

イギリスでは攻撃性のBPSDの短期治療(最大6週間)として認可を受けている。

リスペリドンは脳卒中との間の関係が示唆されており、心血管系、代謝系のリスクを伴う。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16505124/

180日間の追跡調査で死亡率が上昇

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25786075/

患者、介護者が使用に同意できなき場合はステップ3から始めていく。

ステップ2 (a クエチアピン

ドーパミン、セロトニン受容体拮抗薬、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬

証拠としてはリスペリドンよりもかなり弱いが、メタアナリシスでは全体的な改善を示した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21946743/

ステップ2 (b アリピプラゾール

ドーパミン、セロトニン受容体部分アゴニスト

リスペリドンよりも少ない証拠だが、ランダム化比較試験で有意な効果を示している。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17974864/

リスペリドンとは異なる作用機序のため、リスペリドンが奏功しない患者にはより良い有効性をもつかもしれない。

ステップ3 カルバマゼピン

位依存性ナトリウム、カルシウムチャネル遮断薬

てんかん、双極性障害の気分安定剤として使用されている。

攻撃的行動を抑制する症例報告

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1521112/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18047764

ステップ4 シタロプラム

セロトニン再取り込み阻害薬 SSRI

ほとんどの不安障害に対する有効性

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24713617/

シタロプラムの効果が完全に生じるには9週間が最低必要。

FDAの勧告 60歳以上の患者に対して1日当たり20 mgまで

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24549548

ラセミ体シタロプラムよりもS-シタロプラム(エスシタロプラム)が有効である証拠

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27145364/

ステップ5 ガバペンチン

電位依存性カルシウムチャネル遮断薬

もともとはてんかん治療として開発された薬 効果は2週間以内に発現。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18331071/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23686029/

ステップ6 プラゾシン

ノルアドレナリン受容体拮抗薬

心的外傷後ストレス障害患者のゆううつな夢を減らすために使用されてきた。

1mgから6mg /日のプラゾシンは、アルツハイマー型認知症の激越と攻撃性に対して、重大な作用をおよぼすことががランダム化比較試験において報告されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19700947/

体位性低血圧を経験したことのある人には避けるべきであり、降圧効果の影響を減らすために就寝時に最初の服用をすること推奨。

ステップ7(a  電気痙攣療法(ECT)

最終ステップ 組み合わせ

リスクに関する明確な証拠はないが、認知症末期または血管性認知症においてのいくつかの限られたデータがある。小さい規模の症例研究で動揺と攻撃性への迅速的な解決が報告されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22330702/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24838521/

その他

メチルフェニデート

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24021498/

改善効果なし

ドネペジル

ドネペジルはアルツハイマー病患者はプレセボ郡とドネペジル郡では有意差がなく、興奮治療において効果は観察されたかった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17914039

興奮よりも不安や無関心への影響

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19488082

メマンチン

ランダム化比較試験 メマンチンは重度のアルツハイマー病患者の興奮症状を、プラセボ郡と比べ有意に改善しなかった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22567095

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23472619

メマンチン投与によるアルツハイマー病患者の視覚幻覚と興奮の発症 症例報告

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2117848/

ウォーキングプログラム

academic.oup.com/ageing/article/39/6/746/9968

アロマテラピー・光線療法

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25452601/