新型コロナウイルス (COVID-19)について

はじめに

当ブログは認知症、アルツハイマー病の予防や治療と関連する情報に特化したブログでしたが、20年2月末頃から新型コロナウイルスについての情報発信も始めました。

コロナウイルスの主にほとんど認知されていない後遺症の深刻性について、そしてアルツハイマー病やリコード法とどう関係するのかといったことを簡単に説明しながら、その理由を述べたいと思います。

コロナはただの風邪?

新型コロナウイルスは、当初は肺疾患だと考えられていましたが脳、心臓、肺、腎臓を攻撃する多系統の炎症性疾患であることがすでに実証されています。その中でも呼吸器系に次いで特に多い症状は神経学的症状であり、ブレインフォグ、せん妄、意識障害、慢性疲労などが感染症の症状のみならず、回復後の後遺症としても報告されています。

また加齢が最大のリスク因子だと見なされており、確かにその通りなのですが、より詳細に見ていくと、高齢者が抱える傾向にある高血圧・糖尿病・循環器疾患・COPD、がコロナウイルス感染の重症化と致死率に寄与する強いリスク因子となっていることもわかりました。実際、入院率では年齢による差が大きく縮まっており、若い方でもこれらの基礎疾患をもつ方は、重症化のリスクが高いことが明らかになっています。

そして大きな懸念は、感染し発症後、後遺症が平均的回復期間の2週間を超えても何ヶ月も持続するというケースが海外で次々と報告されていることです。さらなる不安は、この後遺症の持続は、重症患者さんだけでなく、軽症と診断された若い患者さんでも多く起こっていることにあります。

この後遺症は過去のSARSでも慢性疲労症候群の一種であるPost-viral fatigue syndrome(PVFS)として海外では知られており、ここ最近日本でも正確な数字はわからないものの、SNSの投稿などから類似する症状の報告が増加しているようです。

神経学的症状の原因

コロナウイルスによって神経学的症状が生じるメカニズムはまだ解明されていません。一般的にウイルス感染は神経学的症状を引き起こすことは知られていますが、その他のウイルス感染とは明らかに異なる嗅覚、味覚障害、せん妄、ギランバレー症候群、骨格筋痛、長期的な神経学的後遺症などコロナウイルスに特異的な神経症状が観察されています。

一部の専門かからは少なくとも一部の患者では脳への感染が疑われており、関連する証拠も複数提出されています。ただし一部を除いて脳のCT画像では異常が見つかっていないことから、どちらかと言えば免疫のオーバードライブによる影響の可能性が高いと免疫学者の間では考えられています。

ただし中枢神経での活性が脳の防御的な働きによって抑え込まれていることを示唆する証拠も提出されているため、後遺症症状のメカニズムとしての結論はまだまったく決定されていません。

過去のSARS、MERSウイルスは神経侵襲性であり、新型コロナウイルスが侵入するACE2受容体は脳内でも発現していることから、直接侵襲の可能性も十分に考えられます。個人的には神経学的症状は脳への直接侵襲を含みうる多因子的な影響であろうと現時点では予想しています。

神経変性疾患リスクの増加

これらが、アルツハイマー病と直接的に関連するかどうかもまだわかりませんが、近年HSV1やジンジバリス菌など、さまざまなウイルス、細菌、真菌などの病原体がアルツハイマー病の発症に関与する因子として候補に上がっています。

よく対比的に持ち出される1918年のスペイン風邪ですが、パンデミックが過ぎ去った後に、脳炎、パーキンソン病患者さんが増加したことは有名な話として知られています。

また、過去のコロナウイルスにおいても、高齢のアルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症患者さんの中枢神経系にコロナウイルスが見つかっており、今回のコロナウイルスがアルツハイマー病などの神経変性疾患の発症リスクに影響を与える可能性を想定することは十分に合理的な推論です。

アルツハイマー病との関連

繰り返しますが、コロナウイルス感染のリスクを高めるトップ5は、高血圧、糖尿病、循環器疾患・COPD・肥満であり、これらはすべてアルツハイマー病発症リスクとも強い関連があります。

さらに、コロナウイルス感染リスクの分子的なメカニズムとして、IL-6、NF-κB、インスリン抵抗性、HDAC、GSK-3β、一酸化窒素、nAChシグナル伝達経路の低下、腸内微生物叢の不均衡(脳-腸-腸内細菌軸)、エストロゲン欠乏、ビタミンD欠乏、亜鉛欠乏、酸化ストレス、GSHの枯渇、ミトコンドリア、ERストレス、高コレステロール、HPA軸障害、重感染、マスト細胞、RAGE、mTOR、Nrf2、NMDA受容体、ApoE4、キヌレニン経路、過剰鉄、テロメア短縮、NLRP3、HMGB1、SIRT活性の低下、NAD+、PDE5、レゾルビン(SPM)、AMPK、Akt、ヘムオキシゲナーゼ1、Furin、G6PD、ミクログリアの障害など、実に多くの病因機序や治療標的経路が提案されていますが、驚くべきことに、これらすべてがアルツハイマー病と関連する可能性のある経路や寄与因子です!

※LitCovidに載っているCOVID-19関連論文タイトルは症例研究を除いて、ほぼすべて目を通しています。

加齢疾患としてのアルツハイマー病、そしてコロナウイルスの高齢者に対する高いリスクを考えれば、ある程度病因メカニズムが重複することに不思議はないかもしれませんが、ここまでのオーバーラップは、その予想をさらに上回るものでした。

これは、たまたま2つの病気に関連性があったというよりも、これまで多くの臨床研究と治療が見過ごしてきた基礎レベルの代謝障害が顕になったと解釈しており、アルツハイマー病もそうですが、そのツケを改めて今回のコロナで払わされているとも感じています。。

ねじれた対立構造

前提となる認識においてやっかいな問題なのは、現在の日本社会での多くの認識が、被害が他国と比較して抑えられていることもあり、統計上の致死率や重症化率だけを見て、「このままでは経済を崩壊させてしまう!」という社会的隔離反対派と「感染者が増えれば医療システムを崩壊させてしまう!」という賛成派の、どちらも「コロナウイルスはインフルを少し悪くしたもの」という一見合理的に見えそうな理解不足の認識、比較に立った議論に収束してしまっていることです。

インフルエンザとは違うコロナウイルスの病態・病理をある程度理解し、過去のSARS、MERS研究や、COVID-19の最新の論文や社説、そして患者の声、これらのピースをつなげ合わせれば、この誤解は容易に解けます。

最近では単独の情報源でも、危険性を強く示唆する証拠も現れてきましたが、日本では上記で述べたような、双方が部分的な理解とロジックの元に主張するねじれた対立構造に巻き込まれて、新型コロナの本当の危険性が見えなくなってしまってるように感じています。

経済 vs 感染対策

経済と隔離のバランス問題に関しては、経済への影響の予測がつきにくいこともあり、私個人はあまり立ち入らないようにしています。ただ、経済を優先させようとする側に、コロナウイルスのおよぼす病理的な被害の全体像がまだわかっていないという前提が抜けており、さらに潜在的にインフルエンザなどよりもはるかに深刻なリスクがあるという途上の研究結果を含めた上での議論がまともに行われていないことは確かなように思います。

政府やトップの関係者がこのリスクを認知しているのかどうかわかりませんが、この問題の難しさは公式にこのことを伝えようとすると、すでに過去にあったように商品の買い占めであったり、感染者差別のような、社会的に負の問題が加わってしまう可能性があることです。(彼らの言い分としては)

このことは、政府が素朴に隠蔽するというよりも、証拠がまだ不確実だという点を強調して、実態を伏せてしまう方向に走らせるのではないかという心配もしています。

東日本大震災での原発メルトダウンや、今回のWHOの初期の対応も言ってみればそれに沿ったものであり、証拠に基づいて行動して失敗する結果を恐れているのか、または単純に政治的に扱いたいがために確実性という御旗を利用しているのかはわかりません。

私個人としては、グレーゾーンの情報を冷静に正確に理解しそれらを考慮した上で、最終的にどの道を選ぶのか国民的な議論と選択を行ってほしいというの希望をもっています。

新型コロナウイルス感染 2つのフェーズ

今回のこの新型コロナウイルス感染後の進行には、大きく2つのフェーズがあります。新型コロナウイルスは初期における自然免疫系の多面的な免疫抑制が特徴的であり、対照的に進行の後半では過剰な免疫の暴走により重症化し、その負荷に耐えられなかった方が自らの炎症応答や血栓症、低酸素症などにより亡くなられます。

感染初期

少なくとも理論的には、感染初期フェーズで自然免疫を高める実行可能な治療を組み合わせることで緩和できる可能性があり、実際に多くの研究者もそのような考え方のもとに、タイミングやフェーズによる組み合わせを考えて介入する研究が当たり前になりつつあります。

ただ、そもそも感染初期の無症候性患者が多く、軽症患者が重症化するかどうかの判断も難しい中、否定まではしないものの、初期での薬理学的な介入が現実的なアプローチとなり得るのかどうかは甚だ疑問です。

重症化リスクが高いことが示唆される場合には当然早期の医学的介入は検討されるべきですが、ライフスタイルを見直すことでRASの不均衡を軽減し、T細胞免疫を活性化させ、免疫ホメオスタシスを安定させることから、初動での免疫を正常化させるアプローチが大きな役割を果たすと考えることができる医学的理由は多くあります。

感染後期

また、予めより強く生活習慣を見直しておくことで、いわゆる「サイトカインストーム」や「血栓症」「内皮障害」「低酸素症)「酸化ストレス」に耐えうる強い細胞や血管を作り、これらは万が一重症化フェーズへ進行してしまった場合にも、致死率、重症化率を低減させることが可能になります。

さらに、感染後回復してからも、例えば睡眠の質と免疫記憶の定着率には正の関係があることもわかっており、睡眠の量だけではなく質へも注目するといった単純なメッセージによって、免疫記憶の定着による再感染を防ぐ期間を伸ばし、第二波が致命的になったときの深刻なパンデミックを緩和するかもしれません。

 

これらの生活習慣の改善に根ざす対策は組み合わせて発揮するものですが、全体として単独で用いた際には証拠が弱い傾向にあり、特にヒト集団での組わせた際は、様々な環境要因、遺伝的要因が交絡因子として影響するため、予防や治療効果の証明をすることが難しいという問題に直面しています。

また、経済的利益と結びつきにくいことも加味し、現在の還元主義的な医療研究の中で注目して研究されることはなく、その強い証拠の欠如から、歯切れ悪い専門家の言葉や、政策に強く反映されない問題にまで結びついているように感じます。

抜け落ちているCOVID-19の根本対策

まとめると、「生活習慣予防」「感染初期の取り組み」そして「後遺症の深刻さ」の重要性が一般の方にほとんど認知されていません。

基礎疾患をもつ人での高いコロナウイルスリスクは明白に実証されているにも関わらず、感染を防ぐための手洗いや社会的距離がこれだけ啓蒙され実行されるようになったことと比較しても、食事や運動、睡眠といった一次予防への重要性に対する人々の認識は低いままで、せいぜい「定型的な決り文句」としてしか届いていません。

感染予防は確かに重要ですが、ブレーキやハンドル操作が正常に動作しなくなった車の故障を放置したまま、エアバッグやシートベルトをつけて被害を抑制しようとしているようなものであり、根本問題に目を向けた解決策が図られていません。

たった数週間の不活動な状態が筋肉や身体の代謝を著しく衰えさせることからも、今は緊急フェーズにあるのだからという対処療法的な手法だけを優先する時期はもう過ぎており、国(保健政策)からの強いメッセージや政策もなければ、世間の認識も低いままであることに強い懸念を感じています。

リコード法とCOVID-19

これらは、アルツハイマー病やリコード法とは直接的には独立したテーマですが、上記で取り上げた基礎疾患や、メカニズムはほぼすべてリコード法での取り組みの中に含まれており、リコード法のような生活習慣の改善に根ざしたアルツハイマー病治療はコロナウイルスの一次予防・後遺症治療とほぼ同義です。

ブログの冒頭でも述べていますが、リコード法はCOVID-19リスク因子と共通する多くの加齢因子を標的に個別化医療・精密医学を取り入れた、いわば21世紀の医療を先取りした生活習慣病予防方法でもあります。そしてコロナウイルスにもっとも脆弱であり被害の多い高齢者に対して、リコード法はすでに最適化されているというアドバンテージもあります。

さらにコロナウイルス感染による認知症リスク増加の可能性が専門家から指摘されており(特にARDSや人工呼吸器を使用した患者において、退院後神経変性リスクが増加することは過去の医療研究で実証されています)、すでに認知症予防策として最も実績のあるリコード法を用いることで、通常のリハビリケア、認知症予防、メンタルヘルス対策等を同時に実行することができます。

感染症致死・認知症・うつの三大悲劇を同時に防ぐ

リコード法のような生活習慣改革は実行遵守(アドヒアランス)の難しさが強調されがちですが、手をどれだけ洗って、ワクチンを何本打とうと認知症を含む多くの慢性疾患を防ぐことはできません。

もう一方も然りで、基礎疾患に目を向けたリコード法のようなアルツハイマー病治療は今回のコロナウイルス感染症の重症化リスクも低下させていると十分に考えることができますが、抗アミロイド薬を摂取しただけの患者では、感染症を防ぐことはできなかったでしょう。

一次予防への取り組みによって感染症だけではなく、あらゆる病気のリスクを軽減するメリットと合理性は、健康政策としても、世間一般の認知度としても、あまりにも低く見積もられてはないでしょうか?

増え続ける後遺症患者

明らかに今の医学で見落とされている人たちがいることについての私の個人的な確信はありますが、最終的な後遺症患者数がどの程度の規模になるのかについてまでの確実な見通しはまだありません。

まだパンデミック初期の段階で長引く後遺症の報告が、逸話的であるとは言え、これだけ多数あるということは(彼らのつぶやきを読めば、それが心因性以上のものであることは明らかです)彼らがごく少数派であるとは考えられません。

間違いなく母数が増えれば、後遺症患者はこれから増加していきます。海外のいくつかの調査では病院を受信した(軽症を含む)患者さんで2週間を超えて不調を訴える患者さんが3人に一人とも、7割に達するとも言われています。あるオンライン調査では症状があった感染者の10人に一人が長期的な症状を呈しているという報告もあります。

※死亡率の低さが後遺症の低さにつながるとは限りません。

若い軽症患者でこのことが起こっているということを考えれば、日本で感染が広がった場合、人口の数%という控えめな推定でも、最終的に百万人単位での慢性疲労、精神疾患・神経変性リスクを生み出す可能性があります! こういった疾患についてある程度の医学的情報に基づいてに何か言えるようになるには半年以上かかり、神経変性リスクに至っては数年~10年以上経過してからです!

※ちなみに多くの専門家が効果的なワクチンが18ヶ月でできる可能性に対して懐疑的です。

長期化する後遺症症状

また後遺症が何十年と超長期化する可能性も、過去のSARSやその他のコロナウイルス感染症患者の経過から示唆されており、中長期後遺症患者の人口規模によっては、現在の予想されている経済的損失とそれに伴うダメージでさえ全体像の一部に過ぎなかったと後で振り返るようになるでしょう。。

コロナウイルスがこれから変異し穏やかなものなっていくというのも希望的観測にすぎず、第三国や中間宿主動物で培養され、より凶悪化するシナリオも専門家から報告されています…

早期取り組み!

感染のピークを過ぎた後であっても、過去のポストウイルス慢性疲労症候群患者の報告から、発症後、早期の取り組みにより早い改善と長期化を防ぐ可能性が示唆されています。つまり、ここでもアルツハイマー病治療とも重なるのですが、慢性期、急性期の両義において「早期の取り組み」が鍵であり、介入の遅れによって何十年という後の人生を左右する結果に行き着くかもしれません。

 

多くの共通するリスク因子と治療法のみならず、RCTを中心とした医療エビデンスが露骨に限界を呈したこと、ステルス性で進行し、深刻化し始めた時には治療が困難になる点なども含め、コロナウイルスはあたかもアルツハイマー病の予告演習を行って、我々に警告しているかのようにさえ感じます。

安全かつ低価格で効果的な対策が存在すると考えることのできる合理的な理由を知りながら、このもっとも重要な時期に、コロナウイルスに対抗していくためのベストオプションを提示せず見過ごすという選択は自分にはないように思います。(認知症・リコード法関係者の方ごめんなさい!)

注意事項

当サイトではコロナウイルスに関する未査読論文を含めた新規的な情報を多く扱っていますが、基本的な予防感染情報を軽視する意図はなく、当サイトはその代替となるものでも、医療情報の提供でもありません。

厚生労働省で案内されている、3つの密を避ける、手を洗う、マスクをする、などの基本的な予防策や治療方法を理解して実践していただいた上で、さらに各自で予防・治療方法を考えていくための仮説的情報源のひとつとして当ブログをご利用ください。

タイトルとURLをコピーしました