ユビキチン-プロテアソーム系/UPS(神経変性疾患)作成中

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ユビキチン-プロテアソーム系(UPS)

概要

ja.wikipedia.org/wiki/プロテアソーム

プロテアソーム – 脳科学辞典

タンパク質の品質管理

タンパク質の品質管理(恒常性)はユビキチン-プロテアソーム(UPS)、シャペロン、シャペロン媒介の自己貧食、マクロオートファージ-などに複数のシステムによって維持されている。

タンパク質の恒常性(プロテオスタシス)の効率が低下すると、誤って折り畳まれたミスフォールドタンパク質が細胞内に蓄積して凝集し、細胞を破壊し細胞死を引き起こす可能性がある。

ユビキチン-プロテアソーム系(UPS)

タンパク質の品質管理を行うシステムのひとつであるユビキチン-プロテアソーム系は、細胞内の損傷、ミスフォールド、不要なタンパク質を分解するための主要な経路として存在し、ユビキチン化とプロテアソーム分解という2つの連続したステップによって行われる。

またユビキチン-プロテアソーム系(UPS)は、神経変性疾患と関連する異常タンパク質も、分解することができる多くの証拠が存在する。

 

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www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4117186/

ユビキチン-プロテアソーム系の機能低下

ユビキチン-プロテアソーム系の機能低下は多くの神経変性疾患で報告されており、その病因に二次的な関与をしていることが報告されている。

αシヌクレイン、アミロイドβ、ポリグルタミンタンパク質などの凝集しやすいタンパク質はUPS機能を低下させ、プロテアソームによる分解を遅らせると考えられている(UPSの機能不全仮説)

未解明のメカニズム・プリオン関与の疑い

しかし、どの凝集体がプロテアソームを損なうのかなど、多くのメカニズムは解明されていない。

ある研究ではプリオンタンパク質であるPRPscが、プロテアソームのゲート通過を減少させることでプロテアソームを阻害することが示されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21743439

ユビキチン-プロテアソーム系の活性

一方でUPSは神経変性疾患において保存されており、UPSの活性は有効であるという研究の証拠は増えてきている。

最近の研究では転写因子Nrf1、Nrf2を介してユビキチン-プロテアソーム系を調節できることが明らかになってきた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20385086/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21149573/

Nrf2

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22308036/

アブラナ科野菜、スルフォラファン、Nrf2によるプロテアソーム活性

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14612418/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17664144/

HSP90阻害

USP14阻害 IU1

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20829789/

USP14阻害剤によるプロテアソームのタウ分解増強

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5549686/

神経変性疾患におけるUPSの役割

ミトコンドリア機能の品質管理

マイトファジーのPINK1 /パーキン経路

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22743996/

APPの分解に関与

UPSはアミロイドβの産生または細胞外アミロイドβのクリアランスに直接関与していない。しかし、UPSの小胞体関連の分解(EARD)を介したAPPの分解に関与している可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20237263/

 

細胞内アミロイドβ凝集体はUPSを阻害する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17544172/

タウの分解

タウの分解は機構的に行われており、UPSとオートファジーの両方がタウの分解に関わる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23528736/

不溶性タウの蓄積は、脳内の26Sプロテアソーム活性の低下、高いユビキチン化タンパク質レベルと関連していた。

www.nature.com/articles/nm.4011

プロテアソーム活性の増強は、神経変性疾患に関与する異常タンパク質レベルを低下させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20829789/

パーキンソン病

UPSの機能不全がパーキンソン病の一因となっている可能性

αシヌクレインはプロテアソームに結合し、UPS機能を阻害することが示されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12551928

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16713278

 

 

細胞のプロテオスタシス機構

プロテアソームは長い半減期をもつ 40~200時間

アンチエイジング

持続的なプロテアソーム活性は、生物の寿命と相関する可能性がある。

健康な百歳長寿の線維芽細胞を培養したところ、プロテアソームの活性を有することが見出された。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11053662/

神経可塑性

 

UPSとマクロオートファージーの複雑な相互作用(クロストーク)

UPSとマクロオートファジーは通常共活性を起こすが、片方機能不全を起こしている場合、もう片方が代償機構として過剰活性となることがある。

マクロオートファジーの障害も、UPS基質の分解能力を低下させる。

www.lakeforest.edu/academics/students/journals/eukaryon/thesis/senegolage_thesis_2013.php

プロテアソーム阻害によるオートファージ活性

プロテアソームの阻害はオートファジー経路を活性化することがin vitroにおいて示されている。

journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0103364

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29535191

オートファージーの急性阻害はプロテアソームを活性する

オートファージーの阻害は、UPS経路による分解を妨げ、凝集しやすいタンパク質の蓄積をもたらす。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19250912

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25092168

栄養欠乏による共活性

栄養素、アミノ酸、ホルモンなどによるMTORC1の活性はプロテアソームとオートファジーによるタンパク質分解を迅速に抑制する。栄養欠乏では逆に同時活性となる。

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www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5079674/

 

適切なオートファジーレベルは生物にとって好ましいものだが、過剰にアップレギュレーションされたオートファジーの活性は有害な結果につながる可能性がある。

オートファジーの活性はMCI、初期、中期で異なる戦略を組み立てる必要があるかもしれない。

プロテアソーム

20Sプロテアソーム

20Sプロテアソーム複合体は、酸化的損傷を受けたタンパク質、無秩序なタンパク質を直接標的とし、細胞を解毒することができる。(ポリユビキチン化を必要としない)

26Sプロテアソームの分解によって20Sプロテアソーム複合体の増加が生じる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1219826/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21139140

しかし、損傷したタンパク質の蓄積が分解量を超えると、プロテオスタシスが崩壊し、タンパク質毒性によるストレスの増加が生じる。これらはアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患で見られる特徴である。

26Sプロテアソーム活性の低下および、ユビキチン化タンパク質の蓄積が死後のアルツハイマー病患者の脳で観察されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3033674

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12641733/

ユビキチン-プロテアソーム系活性

UPS活性 天然物

オレウロペイン(オリーブリーフ)

オレウロペインは、3種全てのプロテアソーム活性を増強

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17518699/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17518699/

ベツリン酸/Betulinic acid(白樺の樹皮)

白樺の樹皮など多くの植物に含まれるサポニン、チャーガ

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17904555

オレウロペインと異なり、キモトリプシン様を活性化し、トリプシン様及びカスパーゼ様活性への影響がほとんどか全くない。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17904555

ベツリン/Betulin(樺の木)
オウゴニン/Wogonin/黄金花/Scutellaria baicalensis

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23371323

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24265759

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5228377/

onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1002/ijc.23182

オロキシリンA/Oroxylin A(コガネバナ/Scutellaria baicalensis)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3468516/

ゲニピン/Genipin
Eucommia ulmoides Oliver/トチュウ/Du zhong/Eucommia bark

アウクビン/Aucubin・ゲニポシド/Geniposidic

www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S104346660290894X

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4438574/

スルフォラファン(Nrf2活性)

スルフォラファンは、マウスのプロテアソーム活性およびオートファジーを増強する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12551928

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17664144/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3997618/

ガストロジン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17327906/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21788698/

ラパマイシン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26669439/

エゾウコギ(Acanthopanax senticosus)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4628675/

26Sプロテアソームの調節サブユニットであるPSMD7を劇的にアップレギュレートすることで、26Sプロテアソームの活性を回復。

フォルスコリン

ガストロジン

フィセチン

熊の胆(タウロウルソデオキシコール酸 )

オレイン酸

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3890840/

リノール酸、リノレン酸などの脂肪酸(ほうれん草の葉)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8665092/

ドコサヘキサエン酸 DHA

図7

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4260735/

セラミド

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1825464/

リゾホスファチジルイノシトール/Lysophosphatidylinositol

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8250860/

GPR55は、マリファナの成分であるΔ^9-テトラヒドロカンナビノール(Δ^9-THC)に対する新しい受容体。内在性リガンドがリゾホスファチジルイノシトール(LPI)である可能性。

kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-21590076/

カルジオリピン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8250860/

漢方薬

カタールポール(catalpol)イリドイド配糖体

プエラリン(puerarin )クズ、プエラリアなどに含まれるイソフラボンの一種

ダイゼイン(daidzein)クズ、プエラリアなどに含まれるイソフラボンの一種

in vitroにおいてプロテアソーム増強、凝集抑制、抗酸化、抗アポトーシス効果が実証された。ダイゼインはカタルポール、プエラリンよりも広範囲の有効を示した。

www.worldscientific.com/doi/abs/10.1142/S0192415X19500046

ユビキチン-プロテアソーム系活性 化合物

メチレンブルー

メチレンブルーは非常に高い濃度では、Hsp70を阻害し、タウクリアランスを増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20731659

アルギニンを多く含むヒストンH3

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11735414/

合成ペプチジルアルコール、エステル、p-ニトロアニリド、ニトリル

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9228292/

USP14阻害剤
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20829789/
GHK

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4180391/

  • リファンピシン
  • メチレンブルー
  • トレハロース
  • タウリン

UPS調節因子

Nrf1

Nrf2

SKN-1

RP-CP プロテアソームホロ酵素

Blm10 / PA200-CP

PA28-CP

Rpn4

FoxO / DAF-16

有酸素運動

全身を使った有酸素運動訓練は、筋肉だけを使ったトレーニングと比較してプロテアソーム活性を増加させる。

erj.ersjournals.com/content/40/Suppl_56/4701

MTORC1阻害(強力)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26669439/

画像、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はkaup-12-10-1205770-g001.jpgです。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5079674/figure/f0001/

HSF-1活性

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4821803/

 

画像、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はfnmol-07-00070-g0003.jpgです。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4117186/figure/F3/

シャペロン活性

シャペロンタンパク質の発現を刺激することによるUPS活性作用

図1

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25132814

UPSの阻害

天然物・化合物

  • レスベラトロール
  • ケルセチン
  • δトコトリエノール
  • プテロスチルベン
  • アスピリン
  • EGCG
  • クルクミン
  • ゲニステイン(大豆イソフラボン)
  • サリノスポラミドA
  • ボルテゾミブ
  • 加齢、NFT
  • ラクトシスチン
  • ベラトシン
  • サリノスポラミドA
  • アルギリンA
  • セラストロール(HSP90阻害剤)withaferinA
  • グリオトキシン
  • ジスルフィラム(アルコール依存症の治療薬)
  • アクリジン誘導体

摂食と運動

BCAA

持久トレーニング後の分岐鎖アミノ酸の投与は、運動に寄るPGC-1a、UPSシグナル伝達、DDIT4mRNA発現を部分的に抑制する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27913948

タンパク質の摂取

タンパク質食品の摂取は、ヒト骨格筋のプロテアソーム活性を低下させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21904247

絶食状態での長時間の運動

エネルギーバランスがマイナス状態での長時間の低強度と高強度の運動は、UPSの活性を増加させない。高タンパク質食品の摂食がUPS活性の増加を抑えた可能性。

physreports.physiology.org/content/5/23/e13518

摂食

筋タンパク質のユビキチン化は絶食時よりも摂食時が有意に低い。45%

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23965841

 

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