トレハロース(認知症・アルツハイマー)

トレハロース

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概要

グルコースが2つくっついた糖。結合の仕方の違いによりマルトースとはわずかに異なる。

還元基同士が結合しているため、グルコースと違って還元性をもたない。

グルコースは還元性をもち、タンパク質を糖化させる。これによって生成される生成物(AGEs)は組織の老化にも関わる。

トレハロースは酵母、線虫、ショウジョウバエの体液の主要な糖質。

キノコ、昆虫などの成分としても見出されるが、それ以外の一般的な食材にはトレハロースはほとんど含まれていない。

保湿能力の高さから加工食品、点眼薬や化粧品などの外用として用いられたりする。

トレハロース利用の進化

生態利用におけるトレハロースのデメリットは、エネルギー源として利用する際、トレハラーゼ分解酵素が必要となること。

グルコースの利用が効率が良いため、高エネルギーが必要とされる脳ほどグルコースの利用が高まる。そのため脊椎動物への進化の段階でトレハロース利用からグルコース利用への転換が起きたものと考えられている。

しかし、すでに述べたようにグルコース利用は、糖化によってタンパク質に障害を与える可能性があり、脊椎動物は一般に寿命も長いためその障害の影響は少なくない。

ヒトでは糖化を防ぐために血中グルコース濃度を狭い範囲の保つ必要性に迫られた。

そのために、その後インスリン機能の進化が始まったものと考えられている。

トレハロースの神経保護特性

トレハロースはエネルギー源だけでなく、多くの機能をもつ。とくに低酸素状態、高温、脱水、酸化ストレスなどの際に、タンパク質や細胞膜の変性を防ぐシャペロンの役割があると考えられている。

臓器移植のさいの、臓器保存液の成分のひとつとしても使われる。

トレハロースはアポトーシス(細胞死プログラム)へ影響を与えることから、さまざまな治療目的で研究されてきた。

しかし、トレハロースを分解するトレハラーゼ分解酵素がヒトの腸壁内に存在しグルコースとへと分解されてしまうため、経口摂取をしてもわずかな量しか吸収されない。

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オートファジーの効果

トレハロースはmTOR抑制とは独立した仕組み(FoxO1の活性によるものと思われる。)で細胞内のオートファジーを増加させる。

そのため、ラパマイシンのようなmTOR阻害剤との組み合わせにより、相加的にオートファジーを促進する効果をもつものと思われる。

トレハロースーはそのオートファジー増加させる特徴から、ALSへの治療研究が行われている。


トレハロース(レンツトレハロース)は、グルコーストランスポーターの阻害によるグルコース取り込み抑制によりオートファジーを誘導する。

kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15K08013/


ADマウスへ2%トレハロース溶液を投与、認知機能を有意に改善、(オートファジー、アミロイドβ減少とは独立した経路の可能性)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28869469

リン酸化タウを減少

トレハロースは、in vivoで、オートファジーが阻害されてもタンパク質を分解する!

αシヌクレイン、タウタンパク、ハンチントンがトレハロースによって分解されることが示されている。in vitro

examine.com/supplements/trehalose/


トレハロース処理によってラットのタウとリン酸化タウレベルが有意に低下

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4268232/


トレハロース投与でマウスのタウが劇的に減少

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4579591/

神経保護効果

トレハロースはアミロイドβオリゴマーの毒性障害からニューロンを保護する

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27252026


トレハロースはAPPの代謝を変化させ、C末端フラグメントの分解を減少させた。in vitro

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26957541

血管機能の改善効果

ランダム二重盲検 50~77歳の健常被験者トレハロース100g/日を摂取

一酸化窒素が増加、微小血管機能を改善

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27208415

運動へのエネルギー源

男性サイクリストにグルコース、ガラクトース、またはトレハロースを運動前に摂取してもらいタイムトライアルに挑戦してもらった。トレハロースを摂取した群ではインスリ反応を低下させ血糖値が低かったにも関わらず、タイムトライアルの成績には差がなかった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12527978


トレハロースがミトコドリアの乾燥耐性を上昇させる。

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0005273605002816

トレハロースの危険性

トレハロースは細菌クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染流行トリガーの原因?

www.nature.com/articles/nature25178

www.bcm.edu/news/molecular-virology-and-microbiology/dietary-sugar-link-to-bacterial-epidemics


病院や長期滞在の介護施設でRT027またはRT078株によるクロストリジウム・ディフィシレのアウトブレイクが起きた場合、患者の食事に含まれるトレハロースの消費を制限するべき。

www.medicalnewstoday.com/articles/320520.php

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