アルツハイマー病発症因子 βアミロイドのオリゴマー化

アミロイドβオリゴマーの減少方法には、大きく分けるとアミロイドβの自己組織化を防ぐ方法と、アミロイドβの凝集を促進する因子を阻害することによってオリゴマー形成を防ぐ方法がある。

さらには、モノマーの凝集を防ぐ、無毒性のオリゴマーへ移行させる、オリゴマー自体をさらなる高分子の凝集物にする、などオリゴマー減少にも多くの方向性がある。

複合的に組み合わせたほうがいいようにも思えるが、組み合わせ方によっては相反する作用をもたらす可能性もあるかもしれない。

モノマー(アミロイドβ40、42など)

ミスフォールドモノマー → 無毒性のオリゴマー

毒性オリゴマー(モノマーが重合したもの、20まで)※毒性強

プロトフィブリル(前原線維)※毒性あり

成熟原線維 ※毒性小

成熟原線維に毒性のオリゴマーがくっついたりする。

※毒性の強いオリゴマーの温床となる可能性

Aβオリゴマーは海馬LTPを強力に抑制

オリゴマーがフィブリルよりも毒性をもつ理由

1.オリゴマー表面の疎水性部分はβ-シートが露出されているが、フィブリルでは相互に組み合わさってフィブリル内部に隠れる。

2.オリゴマーはサイズがより小さいため、より長いフィブリルと比較して組織内を容易に拡散することができる。

3.オリゴマーの開かれている活性末端の数がフィブリルよりも多く存在するため、オリゴマーと細胞標的との相互作用がより促進される。

4.オリゴマーは非常に不安定な無秩序構造であり、フィブリルは安定した組織化分子である。

画像、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はnihms-594059-f0001.jpgです。

www.tandfonline.com/doi/abs/10.1586/ern.10.29?journalCode=iern20

アミロイドβオリゴマー化 阻害パターン

オリゴマー、プロトフィブリルの阻害方法を便宜的に分類したけど、オリゴマー化阻害作用をもつ化合物のほとんどは、作用が重複している。かなり推測も入っているので、この区分はあまり当てにしないでほしい。

Aβオリゴマーにはわかっていないが、いくつかタイプがある、マウスと人間でも違う可能性がある。

つまりマウス実験のオリゴマー化阻害研究があてにならない可能性がある。

モノマーからオリゴマーへの形成阻止

クルクミン

α-シヌクレインオリゴマー形成の突然変異を阻害

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26252085


リポソームクルクミンが、アミロイドβオリゴマーと原線維の凝集を阻害した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21722618


クルクミンはオリゴマーのβシート構造の破壊剤

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22837695

ポリフェノール全般

 Aβの重合阻止&分解

コレステロールを減らす

細胞内のコレステロールが増加すると、細胞膜の流動性が悪くなりβアミロイドが凝集しやすくなる。

EGCG

EGCGは6量体のアミロイドβのオリゴマー化を阻止、オリゴマー化の促進も行う。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28658644

ベルベリン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22785403

リファンピシン

リファンピシンが細胞内のアミロイドβオリゴマー、タウ、αシヌクレインのオリゴマー形成を阻害

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27020329

ルチン

ルチンが用量依存的にアミロイドβ42の線維化を阻害。活性酸素種、NO、グルタチオンジスルフィド(GSSG)およびマロンジアルデヒド(MDA)の形成を減少させ、誘導性一酸化窒素シンターゼ(iNOS)活性を低下させ、ミトコンドリア損傷を軽減し、グルタチオン(GSH)/ GSSG比、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)およびグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)の活性を増強し、 ミクログリアにおける TNF-αおよびIL-1β 生成を減少させることによって炎症促進性サイトカインの産生を調節する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22445961

オリゴマーの無毒化

ビフラボノイド(二量体フラボノイド)イチョウ葉

二量体フラボノイドがモノフラボノイドよりも、アミロイド毒性、原線維形成を効果的かつ特異的に阻害する。非毒性のアミロイドオリゴマーを形成

シャペロン

オリゴマー、原線維のような異常タンパク凝集物と相互作用し、毒性とならないよう阻害する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28424588

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23602994

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22802614

DHA・EPA

DHA補給がADマウスのアミロイドβオリゴマー(毒性が低いとされる)を増加させ、前線維性アミロイドβオリゴマー(毒性が高いとされる)を減少させる。アミロイドβオリゴマーの安定化

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26369878

クリオキノール(キノホルム)

クリオキノールがin vitroにてアミロイドβのオリゴマー形成阻害、非毒化をもつ。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19664688

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25698727


キノホルム アルツハイマー患者への投与試験 第二相

medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/282267.html

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21322641

オリゴマーを凝集、高分子化することにより無毒化

フェルラ酸

フェルラ酸は、アミロイドβ42モノマーがオリゴマーへと移行するのを阻害するが、オリゴマーからフィブリル(原線維)への移行は促進する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23727899

DAF-16

はβアミロイド原線維集合体の残骸を集め、一時的により安全な高分子(巨大)集合体を形成する。高分子集合体の方が、低分子集合体より、毒性が低い。

脳細胞は、βアミロイドの小さな原線維を、一時的に高分子集合体の形にして、貯蔵し細胞を守る。

DAF-16はインスリン様シグナルが低下することで活性化される。食事制限

HSF-1やDAF-16は、インスリン/インスリン様成長因子-1(IGF-1)経路により調整

フェノール化合物(ミリセチン、ロスマリン酸、フェルラ酸、クルクミンなど)

 アミロイド繊維の形成抑制

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26092627

リファンピシン、ブドウ種子由来ポリフェノール

原線維の凝集抑制

www.neurochemistry.jp/mu1nxgyng-54/?action=common_download_main&upload_id=1394

原線維の分解・阻止

HSF-1

はβアミロイド原線維を分解し解毒する。

(HSF-1はhsp40、70、90と複合体を形成)

HSF-1はがん細胞の解糖系、血管新生も促進、がんと認知症のトレードオフにある。

stu.isc.chubu.ac.jp/bio/public/ann_rep_res_inst_biol_funct/annual-report_v13_2012/pdf/004.pdf


ルチンを経口投与されたマウスのアミロイドβオリゴマー活性が低下、

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24512768

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22445961

ジンセノサイド(朝鮮人参)

ジンセノサイドは、アミロイド繊維の形成を1/3に抑制 in vitro

亜鉛

アミロイドβ40、アミロイドβ42の線維化形成ができない。

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