マグネシウム(認知症・アルツハイマー病)

マグネシウムの効果・各キレート

免責事項をお読みください。

はじめに

概要

マグネシウムは体内で4番目に豊富なミネラルであり、主に細胞内に存在する。

アデノシン三リン酸の代謝において重要な役割をもち、300以上の酵素反応の補因子としての作用をもつ。

DNA、RNAの合成、複製、タンパク質の合成に必要であり、筋肉の収縮、血圧の調節、インスリン代謝、心臓の動機、運動神経による血管の緊張、神経伝達および神経筋の伝導調節に必須。

アルツハイマー病患者の血清、脊髄液中のマグネシウムは有意に低いことが示されているが、アルツハイマー病におけるマグネシウムの正確な役割は不明なままである。

食品

マグネシウムが豊富に含む食品には、ナッツ、種子、未加工の穀類、ほうれん草などの緑黄色野菜がある。

マメ科の植物、果物、魚、肉などに中程度のマグネシウムが含まれている。

胚芽やふすまを除去した精製食品の摂取が中心の食生活では、マグネシウム摂取量が低下しがち。

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吸収

マグネシウムは主に小腸で吸収されるが、食品から吸収されるマグネシウムは24~76%であり、残りは糞便として排出される。

腸からのマグネシウムの吸収は摂取量に直接比例せず、マグネシウムホメオスタシスによってマグネシウム濃度が低いとより吸収が高まり、マグネシウム濃度が高いと吸収率は少なくなる。

この調節は腎臓によって行われており、重度の腎不全ではマグネシウムの緩衝系が破壊されるため、ヒト細胞に過剰なマグネシウムが保持される。

低マグネシウム血症および低カリウム血症は、しばしば腎臓のカリウム分泌障害に起因する。

1,25-ジヒドロキシビタミンD は、腸のマグネシウム吸収を刺激することが示されている。

マグネシウムはビタミンDの輸送体たんぱくへの結合に必要な補因子でもある。

マグネシウム濃度の評価

マグネシウムのほとんどは細胞内に含まれているため、マグネシウムの血清濃度は全身のマグネシウムレベルとはほとんど相関しない。

マグネシウムのたった1%が細胞外液中に存在し、0.3%が血清中に見出される。

マグネシウムの基準範囲は 0.76~1.15mmol/l

多くのマグネシウム研究者によれば、血清マグネシウム濃度の適切な基準限界は0.85mmol/l 

マグネシウム濃度0.7mmol/lでは、90%の患者に臨床的なマグネシウム欠乏症が見られる。

マグネシウム濃度0.75mmol/lでは、50%の患者に臨床的なマグネシウム欠乏症が見られる。

低マグネシウム濃度は2型糖尿病患者の腎機能の急速な低下と関連しており、血清マグネシウム濃度が0.85mmol/l以下のときに、急速に増加し始めた。

カットオフ値は0.8mmol/l

イオン化されたマグネシウム濃度およびマグネシウム負荷試験はより正確。

血清イオン化マグネシウム濃度の参照範囲 0.54~0.67mmol/l

低マグネシウム血症は、低カリウム血症および低カルシウム血症などの他の電解質異常と関連することが多い

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4586582/

神経・中枢神経系に関するマグネシウム欠乏の徴候と症状

緊張感

NMDA受容体の感受性の増加による興奮性神経伝達物質の活性

偏頭痛

うつ病

眼振

感覚異常

記憶力低下

発作

振戦

めまい

マグネシウムと認知症

アルツハイマー病患者の脊髄液中のマグネシウムは有意に低い。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26351088


血清マグネシウム濃度は低値(≧0.79mmol / L)および高値(≧0.90mmol / L)の両方が認知症のリスク増加と関連する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28931641


マウス脳のマグネシウムがシナプス喪失を防ぎ、認知障害を逆転させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25213836

マグネシウム 各キレートタイプ

マグネシウム欠乏症に対しては、生物学的利用能の高い有機結合マグネシウム塩が推奨される。(クエン酸マグネシウム、グルコン酸塩、オロチン酸塩、アスパラギン酸塩)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23708889/

クエン酸マグネシウム

生物学的利用能は90%。

高用量で用いるとお腹がゆるくなることがある。

便秘の予防や治療に使えるかもしれない。

サプリメント

ナウフーズ カルシウム&クエン酸マグネシウム 1:1 パウダー 227g

ナウフーズ クエン酸マグネシウム 120カプセル

オロチン酸マグネシウム

植物や動物は、DNA、RNAを作る際オロチン酸マグネシウムを用いる。細胞膜に浸透し、ミトコンドリア核の内層にマグネシウムイオンを効果的に送達する。


心血管に対する保護作用、血圧調整、自律神経系の機能調整作用がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26281202


プロバイオティクスとの併用で、抗うつ作用をもつ。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28155119

その他のマグネシウム

酸化マグネシウム

生体吸収率は低く4%、下剤目的の治療として使われる。

塩化マグネシウム

酸化マグネシウムよりも高い生物学的利用能を示す。皮膚への適用などに用いられる

乳酸マグネシウム

酸化マグネシウムよりも高い生物学的利用能を示す。消化器系の治療にもっとも用いられる形態のマグネシウム。腎疾患をもつ人は避けるべき。

硫酸マグネシウム

低い生物学低利用能10%

マグネシウム グリシン酸塩

吸収力が高いが、それほど有益ではない。

L-トレオン酸-マグネシウム(ニューロマグ・マグテイン)

概要

マグネシウムLスレオネイトは、脳関門を容易に通過し、脳内のマグネシウム濃度を効果的に上昇させる唯一のマグネシウム化合物。

一般のマグネシウム化合物では代替にならない

リコード法で用いられるマグネシウム剤はこのキレートタイプとなる。

脳の神経変性疾患治療として用いるマグネシウムはマグネシウム・L・スレオネイト一択となる。マサチューセッツ大学がノーベル受賞者と共同で開発した化合物で、特許品でもり高価格。

効率よく生体吸収率をあげるには、一日3カプセルを分けて空腹時に摂取すること。

穏やかにする作用があるため、夜を中心に摂取する。

亜鉛と競合するため、できるだけ亜鉛との同時摂取は避ける。

臨床研究

無作為化プラセボ対照二重盲検 認知障害をもつ高齢者の認知能力を有意に改善

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26519439


プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験

認知障害を有する高齢者25名へマグネシウムスレオニン(MMFS-01)1.5~2g/日を投与。脳シナプスの密度を結に高め認知能力を改善。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4927823/

動物研究

マグネシウム-L-スレオネートはラットの脳のマグネシウムを増加させ、学習能力、作業記憶、短期長期記憶の改善を示す。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20152124


マグネシウム スレオネートはADマウスのNMDAR伝達経路を回復させ、飼育環境に変化と多様性を取り入れることで(環境エンリッチメント)認知機能を高める。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29125684


摂取について

摂取量

マグネシウムの理想的な摂取量は、体重に基づくべきであると多くの専門家は感じている。

例 1日4~6mg/kg

マグネシウム-スレオニンの推奨摂取量は一日2g(通常のマグネシウム推奨量と異なる)

摂取割合

一般的にカルシウムと併用することで、マグネシウムの吸収力が高まるため、多くのマグネシウム補給剤は1:2の割合でカルシウムが多く添加されている。

しかし、この比率は食事の摂取量を無視した比率であり、一般的な食生活ではカルシウムよりもマグネシウムの不足が問題であるため、1:1か、マグネシウムが若干多いぐらいの比率を推奨する研究者もいる。

deliciousliving.com/blog/time-ditch-21-calcium-magnesium-ratio

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23430595

サプリメント

ナウフーズ マグネシウム L-スレオニン 667 mg 90カプセル 

一日~3錠 なるべく空腹時 夕方以降夜を中心に

鎮静効果があり、人によっては日中に摂取すると眠気を催す。

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