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脂質過酸化反応とその酸化物 (LPO)
活性酸素関連記事
脂質ヒドロペルオキシド LOOH
ヒドロペルオキシドは、脂質酸化プロセスにおいて主要な生成物の代謝過程において産生される。
脂質ヒドロペルオキシドは、一般的なフリーラジカルと比べると、低温、金属イオンの不在などの条件下では比較的安定性のある生成物。
内因性活性酸素
カテコールアミン、ハイドロキノン、ミトコンドリア、原形質膜、小胞体、ペルオキシソーム
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15452718/
外因性活性酸素
電離放射線、紫外線、タバコ煙、病原体感染、環境毒素、除草剤/殺虫剤
内因性の抗酸化剤
SOD
カタラーゼ
グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)
セレノプロテイン(SeP)
外因性の抗酸化剤
グルタチオン
カロテノイド
ビタミンC
ビタミンE(トコフェロール)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14656990/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15203189/
アルツハイマー病患者へのビタミンE高用量使用によるリスクの証拠はない。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20016184/
ビタミンB12
Coq10
多価不飽和脂肪酸
リノール酸
マロンジアルデヒド MDA
アラキドン酸とPUFAの分解によって生成される最終生成物
活性酸素ではないが脂質の酸化産物として毒性をもつ。
ROSよりは化学的に安定で膜透過性があり、4-HNEよりも毒性は低い。
酸化ストレスを測る信頼性の高いバイオマーカの一つ
アルツハイマー病
MMSEとMDAの負の相関
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21593563
MCI、初期アルツハイマー病患者の高いMDAと銅レベル
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23076075
パーキンソン病
パーキンソン病患者の有意に高いMDA
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1322491
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19110057
ALS、パーキンソン病患者の高MDA、ALSではSOD活性が有意に低下し、PDではGSH-Px活性が減少
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20535556
抗酸化剤
スピルリナ
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2907180/
4-ヒドロキシ-ノネナール 4-HNE
en.wikipedia.org/wiki/4-Hydroxynonenal
オメガ6のPUFAから、酸化ストレス条件下において脂質過酸化の連鎖反応の増加よって生じる。
脂質過酸化物(LPO)としてもっとも毒性が高く、ニトロソストレスを引き起こし、アルツハイマー病、白内障、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、癌などの疾患に関連しており、疾患の原因物質としても考えられているため大きな注目を浴びている。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12893006
ミトコンドリア
ミトコンドリアは4-HNEの重要な形成部位
www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2213231714000561
ミトコンドリア膜の最も豊富なリン脂質であるホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)などは、4-HNEと共有結合し反応性の高いヒドロキシ-アルケナール(4-HDDE)を生成する。
www.plefa.com/article/S0952-3278(06)00085-8/fulltext
アルコール
アルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2)が、HNEなどのアルデヒド生成物を代謝することができる。
アルコールに弱い人はALDH2活性が弱い
pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/tx2005184
遺伝毒性
4-HNEは遺伝毒性作用の最良のバイオマーカー
academic.oup.com/carcin/article/26/5/1008/2390837
p53
4-HNEのp53遺伝子への影響とがんリスク
academic.oup.com/carcin/article/23/11/1781/2608297
カルジオリピン
en.wikipedia.org/wiki/Cardiolipin
リノール酸に含まれるカルジオリピンは酸化的ストレス条件下で4-HNEの豊富な供給源となり、がん細胞のアポトーシスを促進する要因となる。
老齢ラットではカルジオリピンの減少が観察されており、リノール酸の減少と関連している。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1629722
カルジオリピンの生合成経路の選択的な障害とパーキンソン病の発症との関連が指摘されている。
適度に必要な4-HNE
4-HNEは細胞の増殖、分化、抗酸化防御、代償機構を促進し、低レベルでは細胞に有益だが、高レベルでは細胞にダメージを与え、細胞アポトーシスを誘導し疾患の促進につながりうる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20836660
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4066722/
食品からの4-HNE
いくつかの研究で加工食品などに高い濃度で含まれる傾向が示されている。
www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02652030701422465?journalCode=tfac19
家庭で繰り返し使用されるオイルにおいても4-HNEが蓄積されている可能性があり、揚げ物のオイルなどには注意が必要かもしれない。
onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1007/s11746-006-1184-0
アルツハイマー病
アルツハイマー病患者の酸化ストレスマーカーは、マロンジアルデヒド(MDA)ではなく、4-HNEでありMMSEと関連していた。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11528012
4-HNEは、アミロイドβプロトフィブリル形成を促進する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17279615
アルツハイマー病の海馬領域において4-HNE濃度の増加。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9562500
アミロイドβオリゴマーが原形質膜に侵入し、脂質過酸化が開始され、アクロレイン、MDA、HNEなどのような反応性アルデヒドが形成される。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24027536
抗酸化酵素
グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)
グルタチオン(GSH)
アルド-ケト-レダクターゼ(AKR)
アルコール-デヒドロゲナーゼ(ADH)
アルデヒド脱水還元酵素(ADH)
ALDH2
4-HNE抑制作用をもつハーブ類
スピルリナ
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2907180/
プテロスチルベン
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26762881
ロスマリン酸
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29655652
クルクミン
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19329286
コロストリニン(プロリンリッチペプチド)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19939229
ナリンゲニン
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22898296
メチレンブルー
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28034723
アクロレイン
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20302565
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24027536
アルコキシラジカル RO-
脂質過酸化物は、鉄と反応してアルコキシラジカルを生成し、毒性が高まりえる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5319403/
4-ヒドロキシ-2-ノネナール
PUFA→脂質過酸化物→ペルオキシルラジカル→アルコキシルラジカル→4-HNE
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4066722/