6. ブレデセンプロトコル(リコード法) 批判と課題

ブレデセンプロトコル(リコード法)批判と課題

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科学の進展は葬式ごとに進む。

マックス・プランク

現時点でブレデセンプロトコル(リコード法)のデータはいくつかの症例報告に基づいています。標準医療の実証性に基づくとエビデンスの信頼性は高いとはいえません。

諸事情あるのですが、あえて考えられる批判と課題を厳しくピックアップしていきたいと思います。

そのため、批判内容に必ずしも賛同しているというわけではないということを、一言断っておきます。

リコード法への批判・批評

・プログラムで用いられる個々の療法のエビデンスが不足している。

・ミューズ研究所で用いられている臨床マーカーの多くは疫学的に推定されたもので、相関関係なのか因果関係なのかはっきりしていない。

・事例報告で選ばれた被験者の選定の仕方が開示されていない。

・パーソナライズ治療で用いられるアルゴリズムが開示されていないため評価ができない。

プレシジョン・メディシン(精密医学)パーソナライズド・メディシン(個別化医療)自体がまだ、有効性をもつか、わかっているわけではない。

などとといったものがあります。それらの多くは証拠不足情報開示の問題であり、直接的な反証といったものではありません。

情報開示に関する批判は書籍が出版される前のもので、現在プログラムの詳細内容については多くの情報が書籍や動画を通して公開されています。

もう少し専門的になりますが、その他の批判は以下の記事を参考にしてください。

ブレデセンプロトコル(リコード法)の批評・批判

実行費用

実証主義的な立場からの批判とは別に、プログラム治療のもつ内在的な課題についても取り上げてみます。
リコード法の実行費用

・リコード法の初期検査費用:10~50万円(米国)

リコード法の検査方法・検査機関(仮)

・サプリメント費用:2万~3万円/月(米国)

合計 34万~90万円/年

<参考比較> 認知症患者の一般的費用(国内)

入院医療の社会的費用

・入院医療費:平均34万4300円/月(413万円/年)

・施設介護費:平均29万4100円/月(353万円/年)

合計 約64万円/月(765万円)

在宅介護の社会的費用

・外来医療費 平均3万9600円/月(353万円/年)

・在宅介護費:平均18万円/月 (219万円)

合計 約22万円/月(572万円/年)

社会的なコストとして見るなら、リコード法の実行コストは低く抑えることができます。

しかし、リコード法が自費で賄っていかないと行けないのに対して、一般の認知症治療、介護費用は保険によって支払われるため、個人が支払う自己負担額で見るとリコード法の出費が高くなるというパラドックスが生じます。

見逃されやすい家族の介護労働コスト

・一年間の家族の労働コスト:平均28万円/月(年間382万円)

www.keio.ac.jp/ja/press_release/2015/osa3qr000000wfwb-att/20150529_02.pdf

リコード法の実行することによって介護者の離職を防ぐことができた場合、100%の実行負担にも関わらずリコード法の実行コストが低くなります。

実行時間の確保

リコード法実行に費やす時間

約100時間/年

<参考比較>認知症患者に必要な家族の介護時間

約1300時間/年

リコード法のコストと時間について批判的に取り上げていますが、検査費用をも含めたリコード法6ヶ月間の実行費用は検査を含めたとしても、認知症中期後期において生じる社会的費用の一ヶ月分でしかありません。

プログラムの実行時間も10分の1以下です。

患者のアドヒアランス・介護者の協力

質の高い食品と食事、入手性、コスト、調理の手間
生活スタイルの大きな変更

食事・運動・睡眠の改革

ケースによっては仕事や住まいを変える必要も生まれる

患者、介護者、支援者同士の強い支え合い

医療との連携に加え、患者、介護者と家族同士の協力が必要不可欠

大量サプリメントへの心理的抵抗

リコード法は大量のサプリメント摂取が要求されるが、多くの日本人にとって馴染みがありません。たくさん摂ることが害悪をおよぼすという心理的抵抗が特に高齢者では強いようです。

加えて高齢によって嚥下障害などがあると、摂取自体にフィジカルな問題も生じます。

リコード法に固有の問題ではありませんが、記憶障害による服薬管理のむずかしさも加わわってきます。

実行遵守の難しさは社会の側の問題

実行の遵守(アドヒアランス)の難しさが、リコード法の最大の課題だと思われるかもしれません。

しかし、例えばリコード法の前進ともいえる、ダイエット、運動、認知トレーニングを取り入れたマルチドメインプログラムFINGER研究では、脱落者は2年間で12%にすぎません。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25771249

ドロップアウトは少数派

もちろん、参加者の参加意志が介在しているため、そのまま対象者500万人~にあてはめることはできません。

しかし現在、アメリカで行われているリコード法においては、脱落者の明らかな数字は明らかになっていませんが、大多数はプログラムを継続しており、実行の定義をゆるくとるなら脱落者はむしろ少数派のようです。

これは大きな改善を一度経験することによって過去の認知機能の悪化を本人が気づくことと、一時的なドロップアウトはあるのですが元の生活に戻すとすぐさま認知機能の悪化が生じるため、思いのほか遵守率の上昇につながっているようです。

社会的支援の欠如

もちろん、これらをそのまま日本に存在する数百万人のアルツハイマー病患者さんにそのまま適用できるわけではありませんが、遵守率に関して本質的な問題は個人よりも社会的なサポート体制の不足です。

国全体をあげて、医師やヘルスコーチが真面目に取り組み、保険診療が認められ、サポートコミュニティーなどの支援が存在すれば、半数以上の遵守率に達することはけして非現実的な話ではありません。

リコード法 技術的課題

早ければ著効遅くなると難易度が上昇する

SCI、MCIの段階であれば、大多数の方が認知症の発症をとどめ、低下した認知機能の回復をはかることがが可能です。

アルツハイマー病初期の段階に移行した方でも改善(症状の逆転)という指標であれば大多数の患者さん(85%)に恩恵があります。

ライフスタイルの変更と維持

ただし、アルツハイマー病のタイプや症例によっては、完全にな進行抑制、または回復後にリコード法を止めても状態が維持されるという厳しい条件(完治寛解)を設定するとむずかしいケースが存在します。

アルツハイマー病初期以降から大きく改善を果たした患者さんの多くは、改善を維持していくために変更した生活スタイルを続けていく必要があります。

リコード法が効きやすい患者さんのタイプ 患者の心配と成功要因

3型の検査体制の不足

リコード法のサブタイプ1型、2型、3型のうち、もっとも治療に反応するのは炎症性の1型です。

3型は進行後治療がむずかしいとされていましたが、現在のバージョンアップされたリコード法ではより高い治療効果をもつことが報告されています。

※3型でも特に水銀曝露では、適切に水銀キレートを行えば非常に良好な改善を見せるそうです。

3型の最大の問題点は、3型関連の検査が日本国内ではむずかしく、かつ毒素治療のスペシャリストであるCIRSの専門医が日本に存在しないことが治療の難易度を他のタイプと比べて高めています。

4型と5型の情報不足

4型と5型のサブクラスが言及されていますが、それらの治療対策については書籍では語られていません。

その他の神経変性疾患

そもそもリコード法はアルツハイマー病を対象とした治療プログラムであって、その他の認知症、神経変性疾患は対象に含まれていません

しかし、リコード法を実践しているレビー小体型認知症、前頭側頭葉型認知症の患者さんでも改善例は存在します。

ただデータがまだ不十分であり、かつ、アルツハイマー病におけるAPPの可塑性バランスが崩れている、といったリコード法のような基礎疾患、基礎病理への説明が実現していません。

試みる価値は十分にあり

そのため、ブレデセン博士らグループはその他の神経変性疾患の改善可能性については、立場上慎重な表現の仕方をしています。

しかし、レビー小体型認知症については3型のアルツハイマー病と類似性があることが示唆されており、実際リコード法で用いられる治療標的の多くはレビー小体型認知症の治療標的候補と重複します。

レビー小体型認知症のみならず前頭側頭葉変性症、パーキンソン病での改善例も続報が上がってきており、リコード法またはリコード法3型のプロトコルに沿って治療を試みる価値は十分にあると思います。

リコード法 社会的課題

検査機関の不備

アメリカ国内ではリコード法で指定されている検査項目はすべて可能だが、日本国内では自費であっても受けることがむずかしい診断項目が多数あります。

そのため、数少ない日本の認定医のクリニックにおもむいたとしても、多数のリコード法検査が受けられれないことには変わらず、書籍に準じたリコード法の検査と診断を受けることは困難です。

現代社会の脅威

現代社会の一般的なライフスタイルでは、食事を始め仕事や環境汚染など99%の対象がリコード法において理論的な脅威となりえます。

そのため、現実的にはどこかで妥協しなければなりませんが、どのリスクは許容できてどのリスクは回避しなければならないのか、そしてどの程度まで妥協が許されるのかといった判断が多くの人にはとってはむずかしいという問題があります。

社会整備の実践的課題

食事ガイドラインで示される放牧牛のミルク、放牧鶏の卵、多くの無農薬野菜を購入する入手経路が日本社会では限られています。

それらの入手は家庭の予算を逼迫するだけでなく、リコード法が普及するにあたっては社会構造の変革が要求され、リコード法実践者が急増した場合、少なくとも短期的には食材の供給が不可能となってしまいます。

報道機関・科学雑誌の高度な技術偏重志向

一発を狙おうとするムーンショット型研究とその報道

報道機関、インターネットで流れる生物医学と関連するニュースや報道は、非常に楽観的になされる傾向があり、報道内容も過度に単純化されます。

また健康を取り扱うTV番組でも、地道に取り組む必要のある治療方法は重要だとしても、ニュース性をもった治療方法として取り上げられることはまずありません。

大学などの研究機関で”マウス”のアルツハイマー病が回復したといって、毎回メディアでは大げさに報道されます。

しかし、”ヒト”のアルツハイマー病に改善が見られたリコード法、またはFINGER研究などもわたしが知る限り、当時日本国内でニュースとして報道した報道機関はひとつとして存在しません。

大衆紙、科学雑誌であっても、より高度な技術と高コストにより突破できる事例を誇大宣伝する傾向にあります。

ネイチャーのような国際的な科学ジャーナルでさえ、例えば脳深部刺激のような限定的な効果しかない技術的手法を「脳を電極刺激が学習能力を改善できる」などと熱狂的な発表をします。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3095813/

認知症を受け入れようという社会の支配的空気

アルツハイマー病は改善しないという教科書的な常識がまかり通っているため、当然政府も社会も人々も治らないことを前提に、どうアルツハイマー病と付き合っていくべきかということを考えていきます。

このこと自体は理性的な選択の元に行われるかぎり異論はありません。必要なことだと思います。

しかし、そういった空気が支配する日本社会で「アルツハイマー病は改善する可能性があるんんだ」と語ることには大きな勇気が要求されます。

「無責任なことを言うな」「じゃあ証明してみろ」「介護している人の気持ちを考えたことがあるのか」という言葉や思いが、実際に改善したことを伝えたくとも、意見を萎縮させます。

少なくとも認知症治療という選択肢は開かれるべきであり、そう考えるべき合理的な理由も事例も存在します。

ですが、医者もまともに味方してくれない中、一般の方がそういった空気に逆らってリコード法を行っていくのは容易なことではありません。

口コミによる広がりの難しさ

実際にわたし自身も経験していることですが、認知症を受け入れるという社会運動が広がってきたとはいえ、認知症を発症したことを公表される方はやはり相当に少数派です。

ここに、ガンサバイバーや機能的障害を抱える患者さんとは異なる難しさが認知症には存在します。

そのため、改善を示したとしても、最初から認知症であることを隠しているため、それを他の方へ伝えたり公表されることもありません。

特にリコード法の改善事例は初期の方に多く、同時に隠すことが可能なステージでもあります。そしてガンのような寛解と言える指標をもつことも難しいため、将来の進行の可能性を考えた時、その方にとっては公表することがリスクと感じます。

表向きに目にする患者さんの一改善事例に対して、私自身が裏側でお聞きする範囲での改善事例は桁がひとつ増えます。さらにサイトへのアクセス解析などから、おそらく実際には二桁多い方の改善者が存在するだろうと推測しています。

逆もしかりで改善は難しいと言われる方の裏側にも、多くの方がいらっしゃると考えることはできます。ただ改善が難しい方のケースでは、プログラムの実行率、検査と最適化、進行度合いに大きく依存するため単純比較が難しくもあります。

改善は難しいという方が、やはり背後にいらっしゃることは確かなのですが、わたしの知る葉にでは検査と実行を可能な限り行った初期の方で悪化した方はいらっしゃいません。

また認知症が本来どのように進行していくのかといったこともあまり知られていなため、例えば抑制維持、進行の遅延といったような消極的な形としての改善である場合にも、その利益が理解されないケースもあります。そして、その認識に至るまでに時間がかかることも理解の難しさと口コミの広がりに制限が生じる要因となります。

選択とリスクの倫理的課題

「自分が納得していないのに人の言う通りにして失敗するときこそ、みじめなことはない。」

川渕三郎

リコード法の限界

またわたしも、批判というのとはちょっと違いますが、リコード法が万人に通用するように治療内容を公共的な性格にしていかなければならない以上、そのできることに、組織的、建前的な制約、制限があると感じております。

また、具体的には後述しますが、これは、製薬会社と医者との癒着だとか、現代療法は対症療法にすぎないとかいった一般的によくある医療批判でもありません。(その種の批判も当然あるとは感じていますが)

そういうものは、あったとしても、原理的にはシステムの内部で改善が可能な問題です。

リスクに対する倫理観

しかし当ブログで紹介するような改善策もつきつめると、どこまでのリスクを取るのか、リスクを知るための知識と、リスク判断としての個人の倫理観が大きく関わってきます。

これはシステムの側では決めようがありません。どれだけ人工知能が賢くなったとしても、人工知能が倫理の線引や責任をとることだけはできないという論点と似ています。

リスク判断はお金や権力では買えない

つまりこれは、患者の方がビル・ゲイツであろうと、アメリカの大統領だろうと、特権的な立場でいくら選択肢があったとしても、本人の理解できないリスクの判断能力には差がないのです。

ロナルド・レーガン、マーガレット・サッチャー、ロビン・ウィリアムズ、など一般の人よりも相当な資産をもち、はるかに特権的な治療が受けられたはずの権力者や著名人であっても、認知症を克服することはおろか、平均的な患者さんよりも、特に長生きができたようにも見受けられなかったことが、そのことを示してはいないでしょうか。

責任やリスクは外部委託できない

結局、、他者が提示できる解決案といううのは、どこまでも、一定レベルのコンセンサスが得られている範囲内の選択肢でしかありません。

洗剤を買うのに、高級ショップへ行ったら300種類の洗剤が並んであり、10人の異なる意見を述べる世界レベルの洗剤アドバイザーがいることを想像してみてください(笑)

いくら、著名な医者の知り合いがいるとか、お金持ちであるとかで、幅広い選択肢をもっていたとしても、本人や家族に選ぶ能力がなければ現実的に有効な治療法を選択するということはできません。

そういった賭けにでたケースでは、わけのわからない健康情報に翻弄されてしまって終わると思います。

※選択責任を患者と共有するという意味で家族は例外でしょう。そういった面からも家族のキーパーソンとして役割が重要になってくると思います。

標準的な臨床研究の問題

最適なアプローチは、単剤療法に焦点を当てることではなく、薬理学的および非薬理学的成分の両方を含む治療システムにある

デール・E・ブレデセン

組み合わせ増加率の恐ろしさ

臨床試験のむずかしさ

現代医療での臨床研究では、薬剤なり治療法が本当に効果をもつのか(再現性があるのか)確かめるために、被験者の均一性であったり、同じ薬剤をグループごとに分けて投与する、プラセボ対照群を設定するなど厳しい審査が行われます。

リコード法は個人にパーソナライズされた治療法であるため、そういった実証性(再現性、均一性、対照群、単一の標的)が担保できる臨床研究を行うことが非常に難しいという特質をもっています。

リコード法のような、二桁レベルの改善策を組み合わせることではじめて効果を持つ複合治療というものは、現代の要素還元主義的な臨床試験のあり方では明確なエビデンス結果を求めることができません。

その組み合わせパターンがありすぎるからです。

将棋や囲碁などが有名な例ですが、組み合わせのパターン数というのは、本当に恐ろしく増大していきます。

参考 ウィキペディア 組合せ爆発

3355万通りの治療パターン

ブレデセンプロトコル(リコード法)は、単純に投与量や運動量などを無視して、ひとつのプロトコルをするかしないかの二択だけで計算しても、ブレデセンプロトコル(リコード法)にある25のプロトコルだと、2^25通り(2✕2✕2✕……25回)= 3355万通りの組み合わせ!があることになってしまいます。

この計算には対照群(プラセボグループ)も入れておりません。まあここまで来ると、どっちでもという気もしてきますが。。

還元主義的アプローチの限界

この時点で、還元主義的なアプローチでどの組み合わせパターンが最適かといった確認をすることはほぼ現実的に不可能になってしまいますが、ここへさらに個人差が加わります。

どういう人へ、どういう組み合わせが最適かという要素まで加わってくるため、試験管レベルの研究で網羅的に調べていく、といったこともできません。

単一標的のドグマ

かといって、(もしアルツハイマーという病気が、ネットワークの乱れから生じる代謝障害だと仮定できるのであれば、)ネットワークの一部を切り取って、単体の因子をいじっても医学的な有効域には満たされないケースがほとんどです。

※適切な例かわかりませんが、わたしは、福岡伸一著の「生物と無生物のあいだ」で、脳細胞のプリオンタンパクをノックアウトしたマウスが、問題なく正常に育っていったという話が思い浮かびました。

ブラックボックス化を嫌う医療業界

そして、なにが効いているかわからない、薬物動態の解明に結びつかない組み合わせ治療を良しとしない医学界の風潮?も障壁としてあると思います。

※ここでいう組み合わせ療法は、2や3つの薬剤という意味ではなく、もっと大量の、そして非薬物療法も取り入れる組み合わせ治療を意味しています。

無作為化比較対照試験の承認拒否

実際に、ブレデセン博士のグループは2011年に、薬剤を組み合わせリコード法の前衛となる治療方法を(対照群、シングルドラッグ、プログラム、プログラムとシングルドラッグという4つの構成)臨床試験にかけようとしたところ、複雑すぎるという理由!?で米国の治験審査委員会(IRB)から拒否されました。

皮肉な話しですが、IRBsに所属する医師の一人はブレデセン博士のプログラムに興味をもち、自分の患者には、ちゃっかり、そのプログラムを用いたそうです。もちろん臨床試験申請はすべて拒否しておいてですが…

その後、ブレデセン博士グループは、すでに臨床研究にすでに治験が正しく実施できるかどうかを審査する委員会(IRB)へ3度申請を行っていますが、全て却下されています。。

現実が見えていない

現代医学が標的型の治療にこだわる理由のひとつには、薬理作用、薬物動態、病因の分子レベルでの解明という理由が大きいと思います。

医学を発展させていくために、メカニズムを確認しながら進めていくことが大切であることも事実なのですが、そのことにあまりにも固執しすぎて現実性と実用性に注意を払っていないため、わたしには患者が実験台となり多くの方が無駄死にしているようにも見えます。

トレードオフにさえなっていない

臨床試験そのものがある種の実験であることには、トレードオフであるため仕方がない面もあります。そこは否定していないのです。

わたしが憂慮しているのは、今のアルツハイマー病創薬への取り組み全体が根本的に見当違いなことをしており、間違った土俵でいくらトライ&エラーを積み重ねてもただの無駄でしかないという話しなのです。

多因子説が正しいかどうか以前にまともに議論、言及がされていない

これまでかけられた数千億円という開発費用と数十万人の患者さんの犠牲から得られたわずかな知見が、どれだけ人々のそして社会の利益につながってきたのか?

なぜその基本前提を疑わないのか?

少なくとも疑問を誰一人投げかけないのか?

ということなのです。

正確には疑っている研究者が一定数いることは、多くの論文を読んでいればわかります。

前提となるマインドセットが間違っていれば、当然その延長線のやり方では将来的にもブレイクスルーがやってくることは絶対ありません。

もちろん多因子仮説が証明されているわけではなく、実証的な意味で間違っている可能性もあるでしょう。しかしそのことの議論が研究者の間で表向きになされていないのはなぜなのでしょうか?

ビジネスサイドの障壁

そして、さらにもう一点、併用療法の難題は、ターゲットを定めて考える臨床試験研究の実証主義的な性格の問題だけではなく、ビジネス的な障壁も絡んでいるとされています。

例えば既存の薬の組み合わせが有効であると判明したとしても、それぞれの製薬メーカーが異なった場合に、どう協力しあえばいいのか、新薬を開発するにしても特許で利益を独占したいと考える企業は、他メーカーと手をつなぎたがらないことも十分考えられます。

事例が増えていけばまた状況は変わるかもしれませんが、併用療法が流通するまでに至らない理由は、業界の常識を含め、特許や法律の整備など治療効果の評価とは直接関係しない要因も障壁となるであろうと容易に想像できます。

医薬・サプリメントの一長一短

これは、リコード法が作られる過程においても全くの例外だとは思いません。リコード法では医師の処方箋を必要とするような薬は、ほとんど使われておりません。

すでに説明したように、ブレデセン博士はアルツハイマー病をプリオニックループ障害と考えており、APPの代謝バランスが崩れた状態にあることが、アルツハイマー病の発症原因であると考えています。

そのため、作用の強い医薬を用いることで、かえってそのAPP代謝バランス、またはシナプス恒常性バランスを崩しかねない、と考えています。

よりラディカルな多因子標的治療

実際に、リコード法の改善事例を見る限り、医薬などを用いなくても(むしろ用いないことで)大多数の人間に大きな改善を見せていることも事実です。

しかし、一方でブレデセン博士の論文を読む限り、「医薬等を用いないほうが患者の利益になる」という明確な見解や思想も見当たりません。

推測ではありますが、病状の進行が進んだ状況に応じて(つまりシナプス恒常性バランスがひどく破壊され、連鎖的に生じた他の障害も深刻である状態において)適切に医薬を用いることで、より大きな改善回復を見せることもあるのでは、と考えています。

いずれにしても、組み合わ療法の有効性が臨床試験で承認されないのは、現代の承認試験システムの単一標的に対する過剰なこだわりだと考えており、革新を望みたいところですが、残念ながらそういったことが可能になるとしても十年以上先の話だろうとも思います。

進化するブレデセンプロトコル(リコード法)

オープンエンド治療

一般的な病院での確立された治療と違って、ブレデセンプロトコル(リコード法)は開放系・オープンエンドであり、その治療方法の向上に終わりがありません。

※実際にリコード法の前進であるMENDプログラムバージョン1.0から3.0、そして現在のリコード法へと改良を重ねられています。

これは現在のリコード法が、将来的にはより大きな改善効果を見せる可能性があるということです!

多因子標的医療への希望

本格的に医療業界や製薬会社がバイオマーカーを標的に、リコード法を前提にした多剤併用プログラムに取り組めば、アルツハイマー病後期であっても寛解に近いレベルまで改善する可能性もあるのではないかと思っています。

現在の新薬開発の延長線上で、そういった奇跡が起こることはわたしにはまったく想像できません。単一の治療にこだわるなら幹細胞治療も例外ではありません。

そこにも標準的医療とは根本的に考え方が違う、このプログラムの特質と柔軟性があります。

患者は待ってられない

医療業界の常識からしてみれば、「臨床試験の信頼できる試験結果がでるまで判断を留保すべき」、という無難だが誰一人助けない発言はあると思います。

証明を試みるために、ブレデセン博士らグループらは、すでに認知症プログラム治療の申請を研究倫理審査委員会(IRB)に3度行っていますが、すべて却下されています。。

進行の早い若年性アルツハイマー病と診断されている方は、一ヶ月の違いでさえ回復可能性の袂を分けます!

このキャッチ22の状況の中でわれわれは一体どうしたらいいのでしょうか?

本気で、このまま待つべきだと識者の方々は言われるのでしょうか?

当ブログが、管理人個人と数十名の参加者改善例をもとに、先走りして、このプログラムを紹介していると思っていただけたらいいかと思います。

※リコード法をひとつの基軸にしていきたいと思いますが、個別的な治療法については、他にも多く紹介していく予定です。

今すぐ始められるブレデセンプロトコル(リコード法)

ブレデセンプロトコル(リコード法)の素晴らしい利点は、

特殊な医療器具や新規開発薬を使っておらず入手が容易なサプリメント、食生活を変える、運動をするなど、睡眠の最適化、自費での血液検査、など根気と努力さえあれば、そのほとんどが今すぐ実行が可能であることです!

ブレデセンプロトコル(リコード法)基本計画 30の治療法

あいさつ 目次

  • はじめまして

2. 認知症の苦境

  • 介護殺人
  • 新薬を待つという偽の希望
  • 認知症という病気の異質さ
  • 医学的根拠の問題
  • 進行抑制の本当の理由
  • 進行が穏やかに進む要因
  • 開発者ブレデセン博士の記事・経歴
  • アミロイドβとは何のか
  • アルツハイマー病 3つのタイプ
  • 書籍の紹介
  • ブレデセンプロトコル(リコード法)の特徴
  • アルツハイマー病 36の要因
  • ブレデセンプロトコル(リコード法)への批判
  • ブレデセンプロトコル(リコード法)の課題
  • 個人で行う治療の内在的な課題
  • 組み合わせ治療の原理的な実証不可能性
  • アルハカ改善策
  • 日常の改善策
  • すでにあるアルツハイマー病治療薬
  • 伝統療法について
  • 検査では本当の進行はわからない
  • 認知症トラップ
  • 回復を遠のかせる4つの障壁
  • キーパーソンが鍵をにぎる

9. 趣旨説明

  • 注意事項とお願い
  • 理解は信頼を超越する
  • 認知症に対抗できる唯一の手札

10.今しかない認知症社会問題の根本的解決方法

  • 社会全体の現実逃避
  • 認知症先進国ジャパン
  • 実存的問題
追記