オメガ3/EPA・DHA(認知症・アルツハイマー)

オメガ3脂肪酸/EPA・DHA/フィッシュオイル

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概要

オメガ3多価不飽和脂肪酸(PUFA)は、神経保護特性を示し、さまざまな神経変性疾患および神経障害の潜在的な治療法として研究されている。

最近の研究では、EPA(エイコサペンタエン酸)よりもDHA(ドコサヘキサエン酸)独自の効果の証拠が増えてきている。

気分障害などのへの有益な効果は、EPAを用いた臨床研究の報告が多く存在するが、アルツハイマー病などの神経変性疾患ではDHAに焦点が当てられている。

DHAは脳内でもっとも重要な役割をもつオメガ3脂肪酸であり、研究ももっとも行われている。

食事で摂取することが理想ではあるが、重要な栄養素であるため食事の補完としても是非用意しておきたい。

フィッシュオイルの血清マーカーへの効果は即座には現れない。早くても数日~数週間を要する。

研究

DHA/EPAの比率

DHA/EPA 1:2 炎症の緩和 ↓CRP、↓IL-1β、↓IL-6

DHA/EPA 1:1 脂肪酸酸化の改善 ↑AMPK、↑PPARα、↓ROS

DHA/EPA 2:1 神経栄養効果 ↓TNF-α、↑NGF、↓カスパーゼ3

オメガ6/オメガ3 4:1 脂質代謝障害の改善、肝臓の酸化的障害の改善

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5372293/

www.plefa.com/article/S0952-3278(17)30026-1/fulltext

ApoE4

ApoE4多型保持者はEPAおよびDHAの補充に対する応答が低く、フィッシュオイルを摂取してもアルツハイマー病の保護効果を示さない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19828088/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23919769/


脂の豊富な魚を週二回以上食べた人の認知症リスクは、一ヶ月に一回未満しか魚を食べない人に比べて有意に低かった。この効果はApoE4対立遺伝子がない人にとってより強く現れた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16275829

性差

女性は男性と比べて血中のDPA・EPAレベルは低くDHAレベルは有意に高い。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19515545/


女性と比較して男性ではDHAとDPAの両方の血小板凝集効果が有意に低い。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19481915/

体内のDHA代謝

DHAの前駆体であるαリノレン酸の投与では、EPA・DHAの増加にほとんど影響を与えない。DHAの投与のみが血清DHAを有意に増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19269799/

脳内のDHA・DPA、DHA代謝

脳のDHAレベルはEPAレベルの200~300倍高いが、その理由はわかってない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19237271/


脳内でのEPA、DPA、DHAの合成は体内での合成と比べて低く、それらの脳の脂肪酸は食事または肝臓からの取り込みによって維持している。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16092947/


軽度の認知障害患者、アルツハイマー病患者の血清脂肪酸組性は脳皮質の組性を反映しない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22466064/

SPM(Specialized pro-resolving mediators)

SPMはCOXおよびLOX経路を介して産生される、体内の能動的な抗炎症メカニズム

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18437155/


EPA → レゾルビンEシリーズ

DHA → プロテイナーゼ、レゾルビンDシリーズ、マレイン酸

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25139562/

EFOX(Electrophilic oxo-derivatives)

EPA、DPA由来の求電子性脂肪酸オキソ誘導体(EFOX)

各転写因子、PPARγアゴニスト、Nrf2依存性抗酸化応答、サイトカインの阻害等広範囲の抗炎症作用を有する。

COX-2のアスピリンアセチル化もEFOXの産生を有意に増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12391014/

NPD-1(ニューロプロテクチンD1)

DHA由来の強力な抗炎症作用をもつメディエーター

中枢神経系が障害を受けた時の恒常性を維持し、神経変性遺伝子の発現や酸化ストレスなどを防御する役割をもつ。

アルツハイマー病患者の脳ではNPDの減少が示されており、DHAの補充はNPDへの代謝を介してアストロサイトのアミロイドβ42およびアミロイドβ40の分泌を減少させる。

NPD1は、炎症誘発性の遺伝子を弱め、Bcl-2をアップレギュレートする。

NPDはPPARγを活性化することで、APPプロセシングを非アミロイド形成経路にシフトさせる。

画像、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はnihms-394447-f0001.jpgです。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21756134/


NPD1はβアミロイド前駆体タンパク質(βAPP)プロセシングに影響をおよぼすことでアミロイドβ42の放出を減少させる。

可溶性アミロイド前駆体タンパク質αはDHAからのNPD1生合成を刺激する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16151530/


NPD1は、PPARγ活性化因子

NPD1は、BACE1をダウンレギュレートすることでアミロイドβ42ペプチドの神経脱落を抑制、α-セクレターゼADAM10を活性化、sAPPαをアップレギュレート、βAPPホロ酵素のアミロイド生成を非アミロイド形成性経路のプロセシングへシフトさせる。このダウンレギュレーションはPPARγ依存性であることを示唆する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21246057/

画像、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はnihms-394447-f0007.jpgです。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3406932/


NPD1は、PI3K / AktおよびmTOR / p70S6K経路を誘導することによって、保護効果を発揮する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20230819/

DPA(ドコサペンタエン酸/Docosapentaenoic acid)

概要

DPAはEPAおよびDHAと構造的に類似する「細長いEPA」

世界の多くの政府機関がDHAとEPAの摂取を推奨しているが、DPAは未推奨にある。

DPAのガイドラインがあるのはオーストラリアとニュージーランドだけ。

DPAの代謝と合成

食事で摂取するαリノレン酸の21%がEPAに変換され、6%がDPAに変換され、9%がDHAに変換される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12323090/


オメガ6はオメガ3と酵素の合成経路で競合し合うため、オメガ6脂肪酸の摂取が多いと返還率は40%低下する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10617969/


オメガ3脂肪酸に関連する遺伝子変異 FADS2(rs1535)はαリノレン酸のEPA代謝変換率を低下させる可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21829377/


アルコール消費によって肝臓中のDPAレベルが低下する可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7762532/


DPAはシクロオキシゲナーゼ経路を妨害、リポキシゲナーゼ経路を促進し、EPAやDHAよりも強く血小板凝集を強力に阻害する活性作用を有する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11085354/


DPAはEPAよりも素早く細胞リン脂質に取り込まれる。DHAの速度に近い。

※脂肪酸の構造は、オメガ3の吸収速度に影響される。

DPAは脂質合成転写因子 SREBP-1c(脂肪酸、トリグリセリド合成の制御に関わる)をダウンレギュレートし、脂肪酸、トリグリセリド合成を低下させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21807486/


DPAはオレイン酸やEPAよりも酸化されにくく、エネルギーとして燃焼されにくい。DPAとし保存され組織や、生物学的な代謝へ直接的に関わる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22578196/

DPAの機能

症例対照研究 DPAのみがアテローム性動脈硬化症の発症リスクを低下させ保護作用を有する可能性。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8123654/


DPAはEPAよりも強力なCOX-1阻害剤。

DPAの抗炎症作用はおそらく一般的に見過ごされている可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22586114/


無作為化二重盲検 純粋なDPAと純粋なEPAの投与試験

DPAがヒトにおけるオメガ3脂肪酸の貯蔵用脂肪酸として機能している可能性。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22729967/

抗うつ

フルオキセチンとオメガ3脂肪酸の併用療法は、ラット海馬のDPAレベルを上昇させ、相加的な抗うつ効果を発揮する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25174836/


統合失調症、双極性障害、大うつ病性障害の患者の脂肪酸組性の異常

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23731984/

認知機能

DPAは精神衛生と認知機能に関連


ラットへのDPA投与は、神経回復効果をもたらし、ミクログリア細胞の活性化をダウンレギュレートする。おそらくは抗酸化能力からスフィンゴミエリナーぜおよび、カスパーゼ3の結合活性も低下させ、加齢による空間学習と長期増強の減少を軽減する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20570403/

DPAを含む食品(100gあたり)

生鮭 393mg

大西洋で捕獲されたサバ 200mg

ニシン、白身魚ニジマス 100~200mg

アザラシオイル 5.6%

オーストラリア産赤肉 オメガ3脂肪酸、DPAレベルが高い(米国産牛肉はDPAがわずかにしか含まれていない)

メンヘーデン油(メンヘーデンというニシン科の魚から得られる魚油)4.9%

天然サーモン 3%

イワシ 2%

たら肝臓 0.9%

ニシン油 0.6%

市販のDPAサプリメント 10%

母乳にはDHAとほぼ同量のDPAを含む。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4467567/

神経新生

DHA・EPAの両方が健康なラット組織の神経突起伸長を増加させたが、老齢ラット由来の組織においてはDHAのみが神経突起の伸長を増加させた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18620782/


DHAエンドカンナビノイド様代謝産物であるN-ドコサヘキサノイルエタノールアミン(DHEA、シナプトミドとしても知られている)は、プロテインキナーゼA(PKA)/ cAMP応答要素結合タンパク質の活性化によって神経幹細胞のニューロン分化を誘導する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20436487/

認知症

メタアナリシス 認知症患者では血中のEPA、DHAおよびオメガ3 PUFAが有意に減少するが、MCI(軽度認知障害)の患者ではEPAのみが有意に低下。

EPAがバイオマーカー、および加齢関連認知障害の実際の危険因子であることを指示する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22938939/


DHAレベル上位4分の1のグループは認知症発症リスクの有意な減少(47%)と関連している。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17101822/


DHAは老化の加速マーカー

赤血球DHAレベルの低値の参加者は、少ない脳容積および認知障害リスクと関連している。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22371413/


魚を週に一回も食べない人に比べて、週一回未満で魚を食べる人の認知機能スコア低下率は10%低い。週二回かそれ以上食べる人の認知機能スコア低下率は13%低い。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16216930


プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験 一日2gのDHAのみを18ヶ月間投与、

DHAの補充によるアルツハイマー病患者の認知機能低下率には影響を与えなかった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21045096


加齢性の認知低下を示す健康な高齢者へDHAを900mg/日投与 24週間後のエピソード記憶テストPALで有意に改善を示した。血漿DHAレベルは2倍になった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20434961

αシヌクレイン

DHA処理は、α-シヌクレイン凝集および細胞傷害性オリゴマー形成を潜在的に増加させる可能性がある

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21929559/


インビボで、DHAの増加はαシヌクレインオリゴマー形成を誘導する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21527634/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24312431/

摂取量

フィッシュオイルの投与量は、補給目的によって異なる。

最小用量は250mgのEPAと250mgのDHAを組み合わせたもの。

アメリカ心臓協会は毎日1gを推奨している。

フィッシュオイルの摂取量は食事で摂取する量と合わせて考える。

食事でフィッシュオイルが摂取できている場合は、サプリメント補給は減らすことができる。

オメガ3の摂取量だけではなく、オメガ3とオメガ6の比率にも気を配る。

フィッシュオイルの医学的に認められている効果

トリグリセリドを低下させる

抗うつ(医薬品なみの効果)

子どものADHDの軽減

高血圧の人の血圧低下

HDL-Cを増加

抗炎症効果

全身エリテマトーデスの症状緩和

ナチュラルキラー細胞の活性

認知症と関連する効果

コルチゾールを低下

血管内皮機能を改善

抗血小板凝集

TNF-αを低下

vLDL-Cを低下

抗不安効果

脳血流を増加

脳への酸素供給が増加

認知機能低下率を抑制

紅斑の現象、日焼けのリスク低減

記憶力の改善

ホモシステインを低下

相乗効果をもつ成分

ウリジン補給との相乗効果

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17950710

サプリメント

Life Extension, Omega Foundations、Super Omega-3、120ソフトジェルカプセル1ソフトジェル

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冷蔵庫保管で在庫は1~2ヶ月以内の消費量にとどめておく。

酸化劣化フィッシュオイルに注意

フィッシュオイル、オメガ3脂肪酸は酸化劣化が起こりやすく、サプリメントの中でももっとも不安定性をもつ栄養素のひとつ。

カナダの小売店で販売されているフィッシュオイル49種類のブランドから171のサプリメントを評価したところ、半分の50%が酸化劣化の限界を超えており、39%が国際的な安全推奨TOTOX値を超えていた。

フィッシュオイルの酸化と速度は、脂肪酸組性、酸素及び光への曝露、温度、酸化防止剤の含有量、水分など多くの要因によって影響される。

これまでの臨床試験で使用されたオメガ3脂肪酸サプリメントが、酸化されたものが使用されていた可能性もある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4681158/

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