アリセプトを摂るのは朝?夜?

アリセプトの摂取タイミング

※ 免責事項を先にお読みください。

いつは問題なのか?

「朝とか夜とか、摂取するタイミングなんかあるの?」と、思った人がほとんどだろう。

医者や薬剤師に問えば、アリセプトの薬効は80時間と長いので、いつ摂っても問題ないですよ、と答えるだろう。もちろん、添付文書にもそのように記載されてあって、時間も当然指定されていない。

そういうわけで、おそらく、アリセプトの摂取タイミングとかいったことを語っているのは自分だけかもしれない。

なぜ、摂取のタイミングを考えるようになったのか。

時効なのでサイトに書くが、アルハカ基本的にサプリや薬を調べる時、当然薬にもよるが薬の仕組みを調べて理解した上で、安全性と判断したものは、自己責任で一回は実体験してみることにしている。

臨床研究の論文を見ていただけではわからず、自分で試してみて発見することも多い。

※しないと思うけど真似しないように。

実体験

そこで、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤であるアリセプトも、実体験学習と母の追体験をしてみるという理由のもとに、認知症患者が一般的に摂る摂取量の10分の1程度の量を、夕食後に摂取してみた。

※くどいようだけど、真似をしないように。

知っている人も多いと思うけど、アリセプトは神経伝達物質であるアセチルコリンを増強させる作用がある。アセチルコリン自体は誰の脳の中でも発現しており、認知活動や記憶などに深く関わっている。

アセチルコリンは代表的ではあるものの、多数ある神経伝達物質のひとつに過ぎず、ドーパミンやアドレナリン、セロトニンといった他の神経伝達物質と競合したり、協調したりと常に変動もしている。

おそらく、量が少量ということもあったかもしれない。

摂取後、最初の数時間はそれほど違和感を感じなかったのだが、アセチルコリンが優位になるとドーパミンやその他の神経伝達物質を抑制気味にしていたためだろう、認知活動を離れて何も考えずにリラックスするとか、楽しさ感じるとかいった感情をもつのが、妙に難しい。

神経伝達物質(アセチルコリン)の変動が一方向にだけ固定された感がある。

ちなみに読書などの集中力は高まった。あと何もない状態で怒ったりとかはしないけど、怒る環境に遭遇すると怒りっぽくはなったりする。これもアリセプトがアセチルコリンを直接増やすというよりは、あくまでアセチルコリンを分解する酵素の阻害という働きゆえなのだろう。

説明が難しいのだが、変化がないのではなく、物を考えたり集中したりする特定の感情の振れ幅だけが増減する感覚だ。気分のいいものではない。当たり前か。

最大の問題は、普段はベッドに着くと5分以内に寝てしまう自分が、目が覚めてしまって、まるで寝ることができなくなったことだ。もう感覚的に、これは朝まで寝れないなと感じたので、その日は睡眠薬を飲んで無理やり寝ることにした。

これは、よく知られているアリセプトの副作用のひとつでもある。しかし、最初であるとはいえ少量でここまで覚醒するとは思わなかった。

アセチルコリンは覚醒に関わる神経伝達物質であるため、その作用自体には何の不思議もないのだが、母の進行を数年食い止めるとはいえ、3mgとか5mgをいった量を何年も摂取してある種の感情が失われてしまっているかもしれないと思うと、ちょっと悲しい。

アリセプトが多くのアルツハイマー病患者さんの進行を数年食い止めている功績は否定しないしが、人生でもちうる感情の種類を限定させてしてしまっているかもしれない。

誤解なきよういっておけば、トレードオフとして考えたときにアリセプトなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を否定しているわけではない。

ただ、トレードオフとなる負の側面が、臨床試験でデータ的に扱えていないということに一種のすきまを感じており、そこは問題視している。

※忍容性という言葉で一括りにされてしまっているし、そのことが患者にもまともに伝えられていない。

話は戻るが、少し不思議だったのは薬効(半減期)が80時間と長いことはすでに知っていたので、こりゃ数日は寝れないな、と焦ったのだが、その翌日は睡眠薬を飲まずに普通にすんなり寝れたのである。

Tmaxと血中半減期

で、血中濃度の推移を見ようと、あらためてアリセプト(ドネペジル)の添付文書を読んでみて、そこで、ああそういうことかとガッテンがついた。

下のグラフを見てもらうとわかるように、血中のドネペジルの成分濃度が半分になる血中濃度半減期(T1/2)は70時間後とかぐらいなのだが、血中濃度のピーク(Tmax)は摂取して3~6時間、もっと細かく見るとそれが数時間ほど続いていて、12時間あたりで一度ストンと下がっていっているのがわかる。

つまり半減期が長いとはいっても、接種後の3~6時間あたりにするどいピークがあり、その後ゆっくりと下がっていく…

そのため夕食後にアリセプトを飲むと、就寝時間にそのピークがもろにぶつかってしまい、アセチルコリンの覚醒作用で寝れなくなったわけである。

そこで、それなら、早朝摂取すれば少なくともその鋭いピークははずせるのではないかと予想をたて、前回と同じ量を時期を外して朝に摂取してみたところ(本当は摂りたくなかったが)、予想通り、その夜は、覚醒せずに睡眠薬もなしで眠ることができたわけである。

多くの認知症患者さんは、アリセプトの副作用で眠れないからといって、睡眠薬を処方してもらったりしているんじゃないだろうか。

しかし、安易に睡眠薬を摂ることにもいろいろと問題がつきまとう。どちらにせよアリセプトを朝摂るか夜摂るかは、こちらの任意なので、それならまず朝アリセプトを摂取して、夜の覚醒度を下げてそれから、睡眠薬の判断または減薬を判断してもいいはずだ。

睡眠の質はアルツハイマーを改善していく上で極めて重要であるため、以降、母には朝、アリセプトを摂取してもらって、夜間ぐっすり寝てもらい、アミロイドの排出並びに神経細胞の修復をねらっている。

ノンレム睡眠中に脳幹、中脳および前脳基底部内のニューロンに由来するアセチルコリンが放出 http://www.nature.com/nrn/journal/v11/n8/box/nrn2868_BX1.html

ただし、上記論文にあるように、睡眠中にも脳の特定の部位で、アセチルコリンの増加が見られる。アルツハイマー病患者では、特に前脳基底部のコリン作動性ニューロンが減少している。

アセチルコリン作動薬はレム睡眠を促進し睡眠時の覚醒度をあげてしまう。逆にその拮抗薬である抗コリン薬などはREM睡眠を抑制するためREM睡眠障害を起こすかもしれない。

https://bsd.neuroinf.jp/前脳基底部

つまり夜間であっても、アルツハイマー病患者の場合一定量のアセチルコリンの増加は必要なのだろう。問題はその一定量の適切な増加幅がどれくらいなのかわからないことだ。

このあたりは悩ましいところだが、アリセプトのピークを外す程度であれば問題ないのではないかと憶測している。

しかし摂取量によってピークの鋭さも変わるし、食事量だとか、慣れ(受容体のダウンレギュレーション)だとか、他の薬の相互作用まで考慮しだすと、何が正解なのかわからなくなってしまうというのも正直なところだ。

その他の薬、サプリメントの摂取タイミング

「時間栄養学」の画像検索結果

http://www.naro.affrc.go.jp/nfri/introduction/chart/0304/chrononutrition.html

ちなみに、コウノメソッドでよく勧められているフェル◯ードに含まれているフェルラ酸だが、これ、自分は単なるキレート剤だと思っていのだが、これも夜食後に摂ると、アリセプトほどはないにしても、夜眠れなくなってしまう。

同様に調べてみると、アリセプトとは違う働きではあるが、フェルラ酸は中枢神経を刺激する作用があるようだ。

そのためドネペジル同様、夕食後に摂取すると寝るのが難しくなってしまうかもしれない。それ以降母にはフェルラ酸も朝に摂取してもらうようになった。

実はこういったことを繰り返したり、調べたりしているうちに、実はフェルラ酸だけでなく、薬やサプリメントは時間をきちんと区別して摂取することが、思いのほか重要であることに気がついてきた。

何の改善を目的とするかにもよるし、個人の体調や病状、酸化ストレスの度合いにもよるので摂取タイミングというものは、今でも悩むことが多い。

サーカディアンリズム

ある程度つきつめていくと、一義的にはサーカディアンリズム(24時間周期で変動する生理現象)を考えて摂取タイミングを考えていかなければならない、ということに気がついてくる。

サーカディアンリズムは、メラトニン、ホルモンバランス、免疫調整、細胞の修復、アミロイドの排出等々非常に多岐にわたって、関与しており認知症のみならず、一般の健康維持、抗老化と深く関わっている。

アルツハイマー病患者に見られるアセチルコリン日内変動の崩れが、認知機能障害や記憶障害に結びつく可能性 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21115064

このリズムが崩れるわかりやすい例では、中枢神経を刺激する薬、活動系の薬を夜に摂れば夜寝付けることができなくなり、それが健康を害するだろうというのは割りと理解されやすいと思う。

特に認知症患者の場合、本人の健康の問題だけでなく、中期に差し掛かると夜間の徘徊やせん妄で、介護者も起こされ介護倒れを起こしかねない。

見落とされがちな例もあるのだが、一般的には忌避されるコルチゾールという炎症性のホルモンがあって、これが朝にある程度上昇することで、夜間はその反動で低下し、それによってもサーカディアンリズムのサイクルが巡回するようにもなっている。

そのため、例えば単純にコルチゾールを低下させなければと思って、そういった炎症抑制、抗酸化物質、HPA軸抑制に働きかける抑制系のサプリや薬などを朝に大量に摂ってしまうと、24時間の生体リズムを狂わしてしまい、かえって健康を害する可能性がある。

一方で、認知症の人は一般の健康な人よりも過剰な炎症を起こしているため、リズムを狂わせない程度には抗炎症、抗酸化を考えていかなければならない。このあたりの調整は同じ認知症の人でも個人差があるため、さじ加減が非常にむずかしい、、

※炎症マーカーは多くあるが、当サイトで紹介しているMENDプログラムによる診断区分、1型、1,5型が炎症タイプ、高感度CRP、IL-6、CIRSなどの診断項目が関係してくるだろう。

サーカディアンリズム以外の要素

判断をさらに難しくしているのは、アセチルコリン活性の概日リズムだけを考えればいいかというと、そうも言えない面もある。

例えば、イチョウ葉エキスなどは穏やかではあるが軽い覚醒作用があるため、朝摂ったほうがいいということになるのだろうが、脳血流も増加させるため、βアミロイドの排出が促進したいなら夜に摂取したほうが良いことになる。

フェルラ酸にしても、脳の掃除システムであるグリンパティック系は夜間働くので、神経原線維の阻害作用やキレート作用をもつフェルラ酸は夜寝る前に摂取したほうが、より効率よく有害物を除去してくれるではないかという考えもある、、

まだこのあたりは、試行錯誤をしていて自分の中では結論が出ていない。

うーむ、意外と書き出すと、これは奥が深いテーマであるな、、

すみません、思っていることは書いたけど、結論的にはなんだかよくわからない記事の内容になってしまった。

Translate »