アルツハイマー病の診断と誤診

アルツハイマー・レビー小体 病理・臨床診断、誤診等

免責事項を先にお読みください。

大きく分けると認知症には前頭葉などの前方系の血流低下と、後方系の血流低下があり、アルツハイマー型認知症、レビー小体認知症は後方の血流低下を示す。

「若年性アルツハイマー  spect 」の画像検索結果

genki55.net/spect/understand.html

アルツハイマー病の誤診

アルツハイマー病の確定診断は剖検のみ。

認知症の専門家でも明確な診断精度は高くない。

アルツハイマー病10例中2例は誤診される。

www.webmd.com/alzheimers/news/20160726/2-in-10-alzheimers-cases-may-be-misdiagnosed#1

アルツハイマーの臨床診断と病理診断の一致率は81~87%

つまり症状だけで診断された患者さんの1~2割は誤診される可能性がある。

特にMCI、発症初期の段階では診断が難しいため、正しい診断をしてもらうためにもSPECT診断や、βアミロイド、タウの脊髄液検査など検査を総合的に受けて診断精度を高めたほうがいいかもしれない。

アルツハイマー病の誤診を受けやすい人の臨床的特徴

高齢、未婚、一人暮らし、心血管疾患の病歴がある

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23481687/

アルツハイマー病と誤診される10の要因・疾患

「mimics alzheimers disease」の画像検索結果
1. ビタミンB12欠乏症

低い血清ビタミンB12は、混乱、過敏症、スピードの遅さ、貧血を引き起こす可能性がある。

2. その他のビタミン欠乏症

ビタミンB1およびB6の欠乏は、アルツハイマー病のような症状を引き起こし得る。

ナイアシンと葉酸欠乏症もまれだが、痴呆の原因となることがある。

3. うつ病

うつ病は、忘却、遅さ、集中力の欠如、および向きのずれを引き起こす可能性があるため、うつ病を患う高齢者は、自分でアルツハイマー病を患っていると思うことがある。

4. 甲状腺の問題

過剰に活性、または低活性の甲状腺は認知症のような症状を引き起こすことがある。

5. 薬の副作用

高齢者が服用している処方箋薬の副作用で認知機能が低下している可能性がある。

または、多くの処方箋薬同士の相互作用によって有害な反応があらわれているかもしれない。

高齢者の肝臓や腎臓は若い人ほど効率的に機能しないため、薬物が体内に蓄積し、毒性反応を引き起こし、認知症のような症状を引き起こすものがある。

<高齢者に認知機能低下をもたらす可能性のある薬剤>

アルコール(アルコール依存症がある場合)

鎮静剤

抗うつ薬

抗不安薬

抗ヒスタミン剤

麻薬

コルチコステロイド

心臓血管薬

酸逆流薬

睡眠薬

コレステロール薬

6. 薬物の中止

薬物によってアルツハイマー病のような症状を引き起こすのと同様、投薬を中止することでも同じことが起こりうる。

アルコール離脱症候群、抗不安薬の突然の中止などがよく見られる例。

7. 正常圧水頭症(NPH)

脳液が徐々に貯まることで、脳組織を損傷する圧力を引き起こす。

正常圧水頭症で現れる最初の症状の1つは歩き方の異常。その他せん妄や混乱などがある。

8. 脳腫瘍

良性腫瘍は髄膜腫と呼ばれ、アルツハイマー病と誤診される認知機能障害を引き起こすことがある。これらの腫瘍はしばしば外科的に除去することができる。

9. 血管性認知症

脳卒中または軽度の脳卒中は、血管性認知症を引き起こしうる。

軽い脳梗塞・脳出血を経験する人は自分でそのことに気がついていないことがある。

認知症の兆候が現れ始めた後であっても、その誤解は続いたままである。

血管性認知症は、時に認知リハビリおよび特定の薬物療法で治療可能である。

www.sunriseseniorliving.com/blog/august-2017/9-treatable-conditions-that-mimic-alzheimers-disease.aspx

アルツハイマー病の検査

「blood flow alzheimer」の画像検索結果

脳脊髄液検査

鑑別が難しいときに脊髄液(CSF)中のアミロイドβ、タウタンパク濃度を調べることで鑑別精度が高まる。

アルツハイマー病初期の段階の場合、脊髄液中のタウタンパク濃度測定によってアルツハイマーかレビーかを鑑別する精度は約85%

これだと、脊髄中のタウ濃度をチェックしただけでは、20人のうち3人は、間違って診断される可能性があることになる。

脊髄液中のアミロイドβもチェックを行っていれば、精度はもっと上がり90%~95%ぐらいまで精度があがる。(あくまで初期アルツハイマー病患者の場合)

MCI(軽度認知症障害)の場合は、診断精度が相当に落ちる。

陽性的中率は62%、陰性的中率は88%。

robust-health.jp/article/cat29/skawaguchi/000348.php

脳血流検査・その他

時計描画テストでの成績低下は、視覚的な記憶障害と関連する。

高成績をおさめた群では、左頭頂、左角および両側海馬領域において有意に高い血流を有していた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18412838

認知症の種類 特徴

アルツハイマーの場合は、後方系の中でも特に楔前部、後部帯状回の血流低下が目立つ。

若年性アルツハイマー病と老年性アルツハイマー病の違い

若年性アルツハイマー病

若年性アルツハイマー病(EOAD)患者は、老年性アルツハイマー病(LOAD)患者と比べて多くの共通点があるが、多くの違いもある。

若年性アルツハイマー病患者では頭頂葉の症状が目立つ。

・初期の段階から見たものをきちんと認識できない(失認)道に迷う

・物事を手順よく実行できない(失行) 携帯操作ができないなど

高齢期アルツハイマー病患者と比べ、動物の名前の表現がより困難

集中力と作業記憶の障害がより顕著。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3350945/


若年性アルツハイマー病患者では視空間の機能障害、失行が一般的に見られる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20061618


楔前部と海馬萎縮の相関関係が強い。

ɛ3/ɛ3遺伝子型よりもε4/ɛ4患者の内側側頭葉に極端な代謝低下があった。

(老年性アルツハイマー病患者では遺伝子型関連の差はなかった。)

若年性アルツハイマー病患者は、老年性アルツハイマー病患者の腹側線条体と比較して、背側線条体のより広範囲の萎縮を示した。

若年性アルツハイマー病患者は灰白質と白質の両方においてより拡散した萎縮パターンを示し、新皮質領域(特に楔前部)に影響を与える。

進行スピードは若年性アルツハイマー病においてより早く進み、皮質領域、被殻におよぶ。

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S217358081630133X

老年性アルツハイマー病

老年性アルツハイマー病患者では妄想が一般的であり、若年性アルツハイマー病患者では無関心がより一般的。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4481819/


老年性アルツハイマー病患者ではCRP、クレアチニンおよびBUNが高い。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3852569/


若年性アルツハイマー病と比べ、日付や曜日に関連する時間的な質問に間違いが多く見られた。

老年性アルツハイマー病患者の萎縮部位は海馬に限定される。

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S217358081630133X

レビー小体型認知症の特徴

レビー小体患者の80%が誤診される?

正確な診断を得るには平均的に3人の医者の診察を受ける必要がある。

発症3ヶ月以内に正確に診断された患者は27%。

50%の患者は正確な診断までに1年以上がかかっている。

www.medicalnewstoday.com/articles/302230.php


早期の視覚幻覚、うつ病、問題解決の難しさ、歩行困難、および振戦

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22095040/


エピソード記憶テストにおける障害はアルツハイマー病患者と同程度。

視覚的記憶と視空間テストでアルツハイマー病患者よりも低いスコアを示す。

前立腺幹細胞機能は、アルツハイマー病患者よりもはるかに悪い。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3079155/


レビー小体型認知症患者はパーキンソン病患者と似た認知機能低下を示す。

前頭葉実行機能、視覚認識記憶についてはパーキンソン病患者よりも悪化を示す。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17287240/

臨床的特徴

レビー小体型アルツハイマー病患者の発症平均年齢(70歳)は、レビー小体型ではないアルツハイマー病患者(72.2歳)よりも有意に若い。

女性よりも男性がレビー小体型アルツハイマー病を発症していた。

レビー小体型アルツハイマー病患者では、1つ以上のAPOEε4対立遺伝子を有する頻度がレビーを伴わないアルツハイマー病患者よりも高い。(米国)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25985321

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