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オートファジーによるアルツハイマー病治療
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オートファジー障害 治療標的
PI3K/Akt/mTOR経路
- ラパマイシン
- クルクミン
- レスベラトロール
- ラトレピルジン
- オリーブリーフ
- メマンチン(非mTOR依存性を含む)
- 他多数
AMPK/Ulk1経路
- リチウム
- トレハロース
- ポリフェノール
- ケルセチン
- カテキン
- ナリンゲニン
- ベルベリン
- クルクミン
- セレノメチオニン
- 他多数
Bcl-2/Beclin-1 経路
- ベルベリン
- ブロメライン+Nアセチルシステイン
- アルマエキス
- エモジン
- サルビアノール酸B
- CB2受容体アゴニスト(CBDオイル)
p53-AMPK-TSC2-mTOR
- メチレンブルー
IP3受容体
- リチウム
- トレハロース
- ラパマイシン
- クロニジン
PP2A
- フォルスコリン
- EGCG
- カルノシン酸
- ビタミンE(αトコフェロール)
- ベタイン
- パルミチン酸
- メラトニン
- プロゲステロン
- メマンチン
カテプシン活性
- Hsp70
リソソーム膜安定剤
- 抗酸化剤
- コレステロールの調節
- カルパイン阻害剤
- TFEB活性剤
- スフィンゴ脂質合成阻害剤
- プレグネノロン
- ビタミンA
シャペロン活性
UCHL1
カルパイン阻害剤
- シルデナフィル
- サルビアノール酸A
- エポキシスクシニル
pH 酸性化
- GSK-3β阻害剤(バルプロ酸、リチウム)
- cAMP増強剤(フォルスコリン)
- ホスホジエステラーゼ阻害剤
- ニコチンアミド
TFEB
- 絶食
- エクササイズ
- クルクミン
- オリーブリーフ(オレウロアグリコン)
- ナリンゲニン
- タウリン
- トレハロース
- アスピリン
- メトホルミン
- ラパマイシン
- イカルガマイシン
- カズキカズラ
MAPT
- HDAC6阻害剤
軸索輸送障害の回復
早期治療・生活改善
これまでのオートファジー誘発物質によるマウスモデルの疾患発症の成功例は、早期においての薬物投与である。このことは、オートファジーによる薬物療法が安全性を有する必要があることを示唆する。オートファジーはとりわけ、栄養素、成長因子、エネルギー代謝の変化に対する恒常性反応であることから、食事療法、カロリー摂取の調整が長期的に安全にオートファジーを増強させることが可能になる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23921753/
オートファジー活性アプローチ
運動
有酸素運動
トレッドミル運動が、オートファジーの誘導、PGC-1α活性、SIRT1活性、によりαシヌクレインを除去する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28656548
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3485523/
睡眠
海馬のオートファジータンパク質の概日リズムは、睡眠の断片化によって鈍化する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27078501
食事・ダイエット
低タンパク質ダイエット
12ヶ月間の低タンパク質ダイエットによる、7名のCOL6筋障害患者のオートファジー活性研究。低タンパク質の食事後1時間後にオートファジーのマーカーを増加させた。
1.3g / kg /日 → 0.63g / kg /日
オートファジーの増加は筋繊維アポトーシスの発生率を低下させ、ミトコンドリア機能を改善させた。血液中の白血球は筋肉のオートファジーを反映する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5173266/
ケトジェニックダイエット
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15883160
間欠断食
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20534972
カロリー制限
食品
ブロッコリー(スルフォラファン)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24952354
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5225737/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25130556
トレハロース
IP3濃度を低下させる薬剤(リチウム、トレハロース、ラパマイシン)とラパマイシンと組み合わせによる相乗効果
スペルミジン
ポリアミン、特にスペルミジンが、オートファジーを介してショウジョウバエの加齢による記憶障害への保護効果を示す。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24262970
MCTオイル
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15883160
緑茶
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24489859
コーヒー
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24769862
栄養化合物
メラトニン
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22335252
メラトニンはロテノン誘発によるオートファゴソーム膜発現の増加を阻害する。オートファジープロセスの特定部分を阻害することで神経保護効果を発揮する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21883444
ビタミンD
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27430408
リチウム
リチウムは、イノシトールモノホスファターゼ(IMPase)を阻害することにより、mTORに依存しない方法でオートファジーを刺激する。ラパマイシンとリチウムの併用療法により、オートファジー作用を大きく増強することができる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17921520/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3463804/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16186256/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24738557/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16874097
リチウムとバルプロ酸の併用療法
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18640245
セレノメチオニン
AMPK / mTORシグナル伝達経路を介したオートファジーフラックスの強化により、3×Tg-ADマウスの認知機能低下を改善し、リン酸化タウクリアランスを促進した。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28137967
ブロメライン+N-アセチルシステイン
ブロメラインとNアセチルシステインの併用療法による、抗アポトーシスBcl-2の発現とAkt、オートファゴソームマーカーLC3-II、オートファジー関連タンパク質(Atg3、Atg5、Atg7、Atg12、Beclin 1)の検出。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25425315
ニコチンアミド
ニコチンアミドは、ミトコンドリアの完全性を保ち、リソソーム/オートリソソームの酸性化を強化し、オートファゴソームの蓄積を減らすことにより、オートファジーとリソソームの融合を改善した
www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0197458012005970
ハーブ
レスベラトロール
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25068516
低用量カロリー制限との併用
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24975655
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26212201
ウルソル酸
西洋食を与えられたマウスへの、ウルソル酸治療は、マクロファージのオートファジーを増加させ、アテローム性動脈硬化病変のサイズを著しく減少させた。
ウルソル酸がマクロファージのオートファジーを促進によりIL-1β分泌を抑制し、コレステロール流出を促進させ、マウスのアテローム性動脈硬化を減弱させることを示唆する。これにより、オートファゴリソソームでのコレステロールエステルの加水分解が増加し、遊離コレステロールが細胞膜に提示される。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27063951
クルクミン
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24048094
高麗人参(ジンセノサイド)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25137374
オレウロペインアグリコン(オリーブリーフ)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27455905/
サルビアノール酸A
カルパイン阻害剤
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28190474
ベルベリン
ベクリン1誘導剤
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28223223
Ulk1経路を標的とするオートファジー誘導因子であるリチウムおよびベルベリンは、ADマウスにおいて、APPプロセシングの調節およびアミロイドβレベルの減少を介して、オートファジーを誘導し、神経保護効果を発揮することが示された。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21187954/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22459600/
エモジン
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25590369
薬剤
ラパマイシン
メトホルミン
カルバマゼピン
クロニジン
サイクリックAMP(cAMP)により調節されるイノシトール経路
クロニジン 商品名「カタプレス」。高血圧の治療に用いられる薬剤。選択的α2受容体アゴニスト。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18391949
シルデナフィル
カルパイン阻害剤
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5300003/
www.nature.com/articles/s41598-018-35130-y
トレハロース、カルバマゼピン
トレハロースとカルバマゼピンの両方が、mTOR非依存性のオートファジーを介してADマウスに防御効果を及ぼすことが示された。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24236985/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23305067/
ホルモン補充療法
エストロゲン
低すぎるまたは高すぎるエストロゲンおよびER(小胞体)ストレスはインスリン抵抗性を促進する。エストロゲンは、オートファジーの小胞の成熟を促進する。エストロゲンの減少は、リソソーム成熟の障害をもたらしえる。
プロゲステロン
プロゲステロンはオートファジーの活性化により神経保護効果を発揮する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23891729
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24443716
オートファジーの性差
mTOR阻害によるアルツハイマー病への効果は男性と女性で異なる。動物実験で得られたデータに基づくと、性別によって異なる介入が必要であることが浮かび上がってきている。
インスリン抵抗性の増加はアルツハイマー病におけるオートファジー不全の特徴である。
女性の性ホルモンと関連するオートファジーの脆弱性が、女性に見られるアルツハイマー病病理の重症度の大きさに寄与する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29988365
オートファジー阻害要因
抗酸化剤
抗酸化剤はオートファジー阻害剤として作用し神経変性疾患において広く有害であるかもしれない。抗酸化剤は細胞、ニューロン、マウスのオートファジー作用を阻害する。フライモデルではラパマイシンによるオートファジー増強作用が抗酸化剤によって無効化される。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3463804/