アストラガルス(オウギ)
概要
伝統的に中国で脾臓の病気に使われてきた歴史をもつ。
腎臓の健康補助食品として信頼性の高い症例研究がある他、脳損傷の保護効果も知られている。
CYP3A4を阻害。
低い吸収率
アストラガロシドIVの標準用量 5-10mg
経口摂取による生体吸収率の低さ(アストラガロシドIV 1.5-2.2%)がネック。
作用機序
認知症関連
・ミトコンドリアの保護効果
・テロメア短縮率を低下させる。
・カスパーゼ3、カスパーゼ9による海馬神経細胞構造の悪化を低減
・脳虚血に関連するTNF-αおよび1L-1βの増加を抑制
・大動脈の弛緩作用、動脈の拡張 用量依存
・血圧低下
・慢性心不全による心臓収縮が改善
・末梢のグルコース代謝の増加による2型糖尿病への緩和
・PPARγ、PPARαアゴニスト
・アディポネクチン分泌の増加
・AMPK活性によるグルコース毒性の予防
・マクロファージの増強
・NF-κBの阻害、抗炎症効果
アルツハイマー病関連研究
PPARγアゴニスト
アストラガロシドIVはマウス脳のPPARγおよびBACE1発現を増加させ、神経性プラークの形成、アミロイドβ形成を低下させた。アストラガロシドIVは天然のPPARγアゴニスト
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27023226
アミロイドβの減少・記憶能力の増強
ガストロジン、アストラガロシド、ペオニフロリンは、マウスの学習及び記憶能力をたかめ、脳ホモジネート、脳内のアミロイドβプラークおよびアミロイドβを減少させた。
用量依存効的であった。ガストロジンはβセクレターゼを阻害することによってアミロイドβ産生および蓄積を減少させるが、アストラガロシドおよびペオニフロリンはβセクレターゼに対しては明らかな効果を示さない。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28690138
軸索、樹状突起の成長
アストラガロシドI 軸索、樹状突起伸展作用、アミロイドβ誘発性ニューロン細胞死を阻害
onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1038/sj.bjp.0706865/abstract
ミトコンドリア機能の改善
アストラガロシドIVがミトコンドリアPTPの開口を阻害し、ミトコンドリア膜電位を回復し、ATP産生を増強し、シトクロムcオキシダーゼの活性を改善し、アミロイドβ42の多い環境でミトコンドリアからのシトクロムc放出を遮断した。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24905226
摂取方法
相乗効果
サルビア
サルビアとアストラガルス1:1の比率で疲労への効果の臨床研究が行われている
アンジェリカ
アンジェリカ1に対してアストラガルス5
この組み合わせはエリスロポエチンをコードする遺伝子発現をアップレギュレートする。
インビトロ研究で、5:1の比率がエストロゲンシグナル伝達を刺激、抗血小板作用、内皮細胞分化において最も相乗的であることが示唆されている。
地黄/Rehmanniae Radix
アストラガルスと同様に糖尿病治療薬として使用されいる。
アストラガルス2に対して地黄1の割合を文献では「NF3」と呼ばれる。
糖尿病患者の創傷治療として検討されており、WnT、VEGFと関連した血管新生経路として作用する。
サンシチニンジン/Panax Notoginseng
MMP-9の阻害およびTIMP-1の誘導により脳虚血再灌流傷害作用への相乗効果をもつ。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21046759
摂取
1ヶ月毎に1週間のオフ期を設ける オフ時はレスベラトロールを増量