アシュワガンダ
概要
アーユルヴェーダ医学で用いられる代表的な薬草のひとつ。
「馬の匂い」という歴史的な意味があり、アシュワガンダを摂取することで馬の強さや力を手にいれるということからきている。
主に不安を和らげ予防する効果をもち、アルコールと相乗効果をもつ。
また不眠症やストレスに起因する抑うつを緩和する効果も示されている。
臨床的にはコルチゾールの濃度やストレスの免疫抑制効果を有意に低下させることもできる。
直接的な証拠はないものの、アシュワガンダは伝統的にがん患者にも用いられている。抗疲労、高ストレス効果による化学療法の副作用、痛みを和らげることが期待されている。
一般的効能
効果中
- 抗不安
- CRPを下げる(31%)
- コルチゾールを低下(14~28%)
- 運動のパワー出力をあげる
- ストレスに伴う疲労、認知障害などの合併症状を軽減
- 総コレステロールを10%減少させる。
効果小
- 有酸素運動での持久力を軽微だが増加させる。(アスリート)
- 無酸素運動能力を改善する。(一般人)
- 血糖値をわずかに低下させる。(4.7%)
- 血圧をわずかに下げる。(収縮期1.6%、拡張期5.6%)
- 長期使用での抗疲労効果
- 卵胞刺激ホルモン
- HDL-Cを増加(2ヶ月で17.3%っc
- 不安時の心拍数を低下させる。
- ヘモグロビンが6.3%増加
- モチベーションをあげる
- 血清DHEAが13%増加
- 社会生活機能不全が軽減
- 精子の質と数が高まる
- T細胞の活性による免疫強化
- 不眠症(化学療法を受けている女性の不眠症が減少)
- 筋肉損傷の回復(運動をしない人)
- ナチュラルキラー細胞がわずかに上昇
- 痛みの減少(化学療法中の痛みが減少)
臨床研究
二重盲検ランダム化 パイロット研究 軽度認知障害MCI患者50名へのシュワガンダ根抽出物を8週間投与。アシュワガンダ抽出物一日 300mg×2
記憶テスト、注意力、情報処理速度を有意に改善。
空間認知能力、作業記憶は有意差がつかなかったが改善の傾向を示した。[R]
動物研究
ウィザニア ソムニフェラ抽出物はマウスの肝臓の
・低密度リポタンパク質レセプター関連タンパク質(LRP)
・アミロイドβ分解プロテアーゼネプリライシン(NEP)
の発現を増強することで、アミロイドβクリアランスに寄与する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22308347
アミロイドβの低下と排出
ウィザノライドA、およびアジアティック酸がラット皮質ニューロンのBACE1をダウンレギュレートし、ADAM10、IDE(NEPも?)をアップレギュレートする。
複数の標的に作用してアミロイドβのクリアランス調節を行う
ADAM10はAbetaPPの非アミロイド形成プロセシングに関与している。アップレギュレートされたIDEは肝臓のアミロイドβを分解するのに役立つかもしれない。[R]
ウィザナマイドが、ラットの神経細胞をβアミロイドから保護し、アミロイドの繊維形成を防ぐ。[R]
ADマウスのミエリンと運動機能を改善
アシュワガンダから単離されたwithanolide A、withanoside IV、およびwithanoside VIが、ADマウスの記憶障害、シナプス喪失を改善。
withanoside IVはSCIマウスの運動機能を改善した。軸索密度および末梢神経系のミエリンレベルが増加した。[R]
神経突起身長
アシュワガンダに含まれるwithanoside IVはラット皮質の神経突起伸長を誘発する。[R]
その他
www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0197018615300437?via%3Dihub
アシュワガンダが神経変性疾患へおよぼす影響
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24882401
用量・用法
コスパ用量 300~500mg
最適用量 6000mg(2000mg×3回)
低用量 50~100mg (抗不安薬との併用効果)
毎食後に摂取する。一度だけなら朝食か昼食後
サプリメント
日本では医薬品指定されているため、サプリメントとしては入手できない。
一般的には一日500~1000mg(250~500mg×2回) 毎食後、空腹は避ける。
アシュワガンダは強壮剤、鎮静剤の二重の作用があり、朝夕どちらに摂っても良い。
一回だけなら夕方。